全日本選手権競技日程・テレビ放送(予定)
女子シングル優勝・順位予想
1位紀平梨花、2位宮原知子、3位坂本花織


「全日本フィギュアスケート選手権2018」が大阪・門真で開催されます。
女子シングルも男子シングルも出場枠が3人の「世界フィギュアスケート選手権2019」の代表最終選考会を兼ねています。

女子シングルはおそらくだれが予想してもこの順位になるでしょう。
上位選手にかなり力の差がついています。
ただし、宮原知子がGPファイナルからメンタルを立て直せないと、表彰台から外れるかもしれません。
FSでは高難度ジャンプが壊れており、深刻です。

全日本選手権はシニア1年目に大ブレイクを果たした紀平梨花の独壇場になると思います。
ロシアのアリーナ・ザギトワを倒したGPファイナル後に「全日本選手権ではショートプログラム(SP)もフリースケーティング(FS)も完璧に滑りたい」と語りました。
もしそうならば優に 240点を超えるわけで、他の選手が聞いたら絶望的な気分になります。
自らの初制覇を飾るとともに濱田美栄コーチ同門の先輩、宮原知子の5連覇を阻止することになります。
勝負の世界はとても厳しい。

私は紀平梨花のぞくぞくするほど美しいFS「ビューティフル・ストーム」のスケーティングを楽しみたい。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◆全日本フィギュア選手権2018女子シングル優勝・順位予想

◇1位 紀平梨花
◇2位 宮原知子
◇3位 坂本花織
◇4位 三原舞依
◇5位 本田真凜
◇6位 白岩優奈
◇7位 山下真瑚

出場選手それぞれがベストの演技を見せられるように祈っています。

爆発力のある樋口新葉の動静がさっぱり伝わってきません。
けががどれくらい回復しているか、練習を十分に積めているかどうかも分かりません。
昨年は表彰台を逃し、平昌五輪代表から漏れています。
リベンジしたいとの気持ちがだれよりも強いはずです。
コンディションが整っていれば、4位か5位に割り込むと思います。

⇒2018年12月16日「全日本選手権2018順位予想 宇野昌磨、織田信成、高橋大輔」はこちら。

◆全日本フィギュア選手権2018競技日程(予定)

◇12月21日(金) 16時25分〜20時54分 女子SP
◇12月22日(土) 16時25分〜20時54分 男子SP
◇12月23日(日) 17時4分〜21時11分 女子FS
◇12月24日(月) 17時4分〜21時11分 男子FS
◇12月25日(火) 開演17時〜終了20時 エキシビション

エキシビションは「オールジャパン メダリスト・オン・アイス2018」として行われます。
予定は変更になることがありますので、かならず確認してください。

◆全日本フィギュア選手権2018テレビ放送(予定)

フジテレビ系列で放送されます。

◇12月21日(金) 19時〜20時54分 女子SP
◇12月22日(土) 19時〜20時54分 男子SP
◇12月23日(日) 19時〜21時15分 女子FS
◇12月24日(月) 19時〜21時30分 男子FS
◇12月25日(火) 24時25分〜25時25分(録画) エキシビション

予定は変更になることがありますので、かならず確認してください。
放送時間の延長もありえるようです。

(2018年12月12日執筆)

◆書き加え(12月14日)

宮原知子が勝つと全日本選手権5連覇となり、浅田真央を超えます。
紀平梨花が勝つとGPファイナルと合わせてシニア1年目で2冠となり、浅田真央を超えます。
女子シングルはテレビ視聴率、とりわけ最高瞬間視聴率が高くなりそうです。
フィギュアスケートファンに最高のクリスマスプレゼントです。

◆書き加え(12月16日)

今シーズンに女子シングルに登場した新星・紀平梨花と男子シングルに現役復帰したベテラン・高橋大輔は全日本選手権を放送するフジテレビの救世主です。
平昌五輪の代表最終選考会を兼ねた昨年の全日本選手権と比べて番組への関心が著しく低下するのは避けらない状況でしたが、テレビ視聴率は何とか持ちこたえそうです。

◆書き加え(12月16日)

どうやら樋口新葉が全日本選手権に出場するようです。
ただし、けがでGPシリーズ第5戦「ロシア杯」を欠場しており、万全のコンディションで臨むのは難しい。
全日本選手権での表彰台入りと世界選手権への2年連続出場を目指しているはずですが、微妙です。

◆書き加え(12月20日)

樋口新葉が公式練習で元気な姿を見せました。
右足甲痛は完治していないとのことですが、五輪選考レースで敗れた昨年の悔しさを晴らすと誓っています。
表彰台に食い込める爆発力を秘めた選手ですので、女子シングルはさらに盛り上がります。それなりに追い込んだ練習を積めたそうで、3回転のコンビネーションジャンプも跳びました。

◆書き加え(12月20日)

本田真凜が公式練習でフリップ―トウループのコンビネーションジャンプなどを跳んでいます。
今年4月から練習拠点を米国のロサンゼルスに移し、スケートと向き合えているそうです。
家族にも久し振りに会え、勇気が湧いてきたことでしょう。

全日本選手権は特別で一番楽しみな試合と語りました。
五輪代表選考がかかった昨年は7位と惨敗を喫しています。
今年はいい演技を見せたいと意気込みました。

◆書き加え(12月21日)

SPの滑走順が決まり、おもな選手は次のとおりです。

◇三原舞依 19番
◇坂本花織 20番
◇山下真瑚 22番
◇樋口新葉 25番
◇本田真凜 26番
◇紀平梨花 27番
◇白岩優奈 26番
◇宮原知子 29番(最終)

濱田美栄コーチは師走状態です。
宮原知子は「やっぱり引いちゃったという感じ」と語りました。
このコメントは何なのでしょう。

紀平梨花の直後は滑りたくないです。

◆書き加え(12月21日)

先ほどSPが終わりました。

1位 宮原知子(29番滑走)
   76.76点(40.54点 36.22点 0.00点)
2位 坂本花織(20番滑走)
   75.65点(41.08点 34.57点 0.00点)
3位 三原舞依(19番滑走)
   72.88点(39.48点 33.40点 0.00点)
4位 樋口新葉(25番滑走)
   72.63点(38.79点 33.84点 0.00点)
5位 紀平梨花(27番滑走)
   68.75点(36.54点 33.21点 1.00点)
※点数はSP(TES、PCS、減点)です。

中野園子コーチ同門の三原舞依と坂本花織は互いにパーフェクトな演技を見せました。
樋口新葉は久し振りに元気一杯の滑りを見せ、ほっとした表情を浮かべています。

紀平梨花は滑る前からあれだけ足下を気にしていてはトリプルアクセルを跳べるはずがありません。
スタートポーズで顔が引きつっており、これまでの勢いがすっかり消えています。

宮原知子はGPファイナルで得点伸び悩みの最大の原因となった回転不足を解消しました。
安定した演技を見せ、「ミス・パーフェクト」の復活を印象づけました。

山下真瑚は 62.94点で9位、白岩優奈は 59.99点で12位、本田真凜は 52.75点で18位です。

私は坂本花織と樋口新葉が大健闘という印象を受けました。
紀平梨花はFSに同じスケート靴で臨むしかありませんので、さすがに8点以上の差は引っ繰り返せません。
5連覇を目指す宮原知子と初制覇を目指す坂本花織の戦いになるように思います。
が、ひょっとしたら樋口新葉が割り込んでくるかもしれません。
故障明けで7本のジャンプを跳び、4分を滑りきれるかどうか。

演技そのものに破たんのない宮原知子が5連覇へ前進したのは確かです。

◆書き加え(12月23日)

FSで2本決めても引っ繰り返せない

午前に公式練習が行われ、紀平梨花が入念な調整を行いました。
メディアはトリプルアクセルの成功を盛んに取り上げています。
FSで2本決めれば宮原知子を引っ繰り返せるという印象です。

が、実際にはそうはなりません。
紀平梨花はすべてのジャンプを決めたうえで、すべての要素でGOE(出来栄え点)を引き出さなければなりません。
大きな加点が必要です。

SPとFSを比べると、時間は2分40秒から4分に伸び、ジャンプは3本から7本に増えます。
壊れかかったスケート靴の微調整は格段に難しくなります。
まして紀平梨花は神経質になっています。

逆転には 160点近い得点が最低ライン

宮原知子がノーミスで滑ると、紀平梨花はノーミスでなくパーフェクトに滑らないと上回れません。
宮原知子の調子を加味して考えると、 160点近い得点が最低ラインでしょう。
おそらく自力による初制覇は不可能です。

SP5位の紀平梨花は20番滑走です。
驚異的な得点を叩き出せれば、22番滑走で3位の三原舞依、23番滑走で1位の宮原知子、最終24番滑走で2位の坂本花織に大きなプレッシャーをかけられます。
(それを跳ね返せる選手もいます。)

ロシア選手権はSP1位と5位が真逆

とはいえ、ロシア選手権ではSP1位のアリーナ・ザギトワと5位のアンナ・シェルバコワが入れ替わるというとんでもない展開で幕を閉じました。

⇒2018年12月19日「アリーナ・ザギトワはロシア選手権2018で女王陥落か」はこちら。

5連覇を阻止される宮原知子には気の毒ですが、史上最大の逆転劇はさぞかしドラマチックだろうと思わないわけでもありません。

結果はまもなく分かります。
私は濱田美栄コーチ同門の二人に持てる力を出し切ってほしい。

◆書き加え(12月23日)

坂本花織が圧巻の演技で全日本初優勝

FSが終わり、坂本花織が圧巻の演技を見せて初優勝を飾りました。
私が知る範囲でベストだったのでないでしょうか。
昨年はSP1位から宮原知子に逆転され、今年はSP2位から宮原知子を逆転しています。

濱田美栄コーチ、そして選手としては悔しいでしょうが、私は同門としては悪い決着でなかったと思います。
宮原知子が日本女王、紀平梨花が世界女王になると理想的と考えていましたので、ほっとしました。

私は紀平梨花も宮原知子もパーフェクトな出来だったと思いません。
結果から眺めれば、紀平梨花はFSで 160点が必要でした。
(スケート靴をかすかにかばいながら滑っているようで、ダイナミックなスケーティングとはいえません。)

格闘技でないのですが、三原舞依を含めた上位4選手の力勝負は素晴らしかった。

◆書き加え(12月24日)

全日本フィギュア2018女子シングル結果

全日本選手権の結果(順位・得点)は次のとおりです。

1位 坂本花織(24番滑走)
   228.01点(152.36点 79.11点 73.25点 0.00点 75.65点)
2位 紀平梨花(20番滑走)
   223.76点(155.01点 82.95点 72.06点 0.00点 68.75点)
3位 宮原知子(23番滑走)
   223.34点(146.58点 71.49点 75.09点 0.00点 76.76点)
4位 三原舞依(22番滑走)
   220.80点(147.92点 78.15点 69.77点 0.00点 72.88点)
5位 樋口新葉(21番滑走)
   197.63点(125.00点 59.78点 66.22点 1.00点 72.63点)
6位 山下真瑚(17番滑走)
   197.14点(134.20点 69.29点 64.91点 0.00点 62.94点)
※点数はFS(TES、PCS、減点、SP)です。

濱田美栄コーチ門下の宮原知子と紀平梨花、中野園子コーチ門下の三原舞依と坂本花織という関西に練習拠点を置く4選手の戦いになりました。
坂本花織がSPでもFSでも、そしてジャンプなどの技術点でも表現などの演技点でも他の選手を圧倒しました。
とくに最終滑走のFSは出色の出来栄えです。
自らの潜在力を開花させました。

今年の全日本選手権では三原舞依が出した高得点に刺激され、坂本花織がさらに高得点を叩き出しています。
坂本花織の初制覇は、三原舞依の存在も大きかったと考えます。

また、紀平梨花の持つ優れた才能と精神力を改めて感じさせられました。
シニア1年目です。
ただし、FSでトリプルアクセルを2本決めていますが、スケート靴のことがいくらか意識にあるせいか、本来のスケーティングは見られませんでした。
それを土台とした演技点も伸びませんでした。
(ここまでよくぞ立て直したとは思っています。)

日本で開催される世界選手権2019の代表は坂本花織、紀平梨花、宮原知子ですんなりと決まりです。
私としては三原舞依にも行ってほしいのですが、最大3枠ですから致し方ありません。

見応えが凄かった。
選手の皆さん、ありがとう。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月15日「紀平梨花の演技構成点(PCS)が低すぎるわけ」はこちら。

⇒2018年12月11日「紀平梨花TV視聴率はスターの証、女・羽生結弦へ」はこちら。

⇒2018年12月10日「紀平梨花に夢中、応援疲れで本日閉店」はこちら。

⇒2018年12月9日「紀平梨花、ビューティフル・ストームの生命力」はこちら。

⇒2018年12月8日「紀平梨花、メンタルとGOEであっさりと世界最高得点」はこちら。

Copyright (c)2018 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!