ロシアのジュニア勢に牽引させよ
日本女子最初の五輪金メダリスト

4回転ロシアジュニアがシニアへ

フィギュアスケート女子シングルの来シーズンを占う記事が散見されるようになりました。
ロシアでは4回転ジャンプ、それもコンビネーションを跳ぶジュニアが出現しており、来シーズンにシニアデビューを果たす選手もいます。
鉛筆みたいに細く軽い少女がくるくると回っています。

トレンドとして女子シングルも4回転ジャンプ競争へ向かっているのは確かです。
だからといって、それに振り回されることもないでしょう。
紀平梨花が見据えなければならないゴールはあくまでも2022年に開催される北京五輪です。
そこでの最大のライバルは2000年か2001年にシニアに上がってくるロシア選手になります。
いまから慌てて同じ土俵に上るのはどうでしょう。

⇒2018年12月19日「アリーナ・ザギトワはロシア選手権2018で女王陥落か」はこちら。

4回転ジャンプ競争を抑える戦略

いまでもそうですが、4回転ジャンプ競争が勃発した2〜3年前の男子シングルは転倒、転倒、転倒という目も当てられない試合が続きました。
また、練習でも負傷や故障が続出しています。
女子シングルは男子シングルと比べて転倒が断然少ないことに救われましたが、選手がジャンプの難度を競うようになると状況が一変しかねません。

4回転ジャンプ競争をとりわけ先導する形になるとくたびれるだけです。
メディアの注目やファンの期待と引き換えに失うもの、背負うものがあまりに大きい。

トップクラスで戦っているシニアは4回転ジャンプ競争をなるべく抑えるような戦略を取るほうが賢明でしょう。
大事なのは、オリンピックで表彰台の頂点に立つまでのざっくりとしたシナリオです。
選手が出場する試合で勝ちたいと願うのは自然な心情ですが、つねに勝ちにいく必要はありません。
4回転ジャンプの習得に励むのは当然として、それを試合で出すのはぎりぎりのタイミングまで延ばします。

受けて立つ心の余裕で五輪制覇へ

紀平梨花のナチュラルで美しいスケーティングは天性です。
練習の努力だけでは身に着けられません。
私はすでに世界一と考えており、これを最大の魅力として押し出してほしい。
採点ルール改定の趣旨に則り、演技の質(完成度)で戦うとのメッセージをすり込んだほうが有利です。

⇒2018年12月21日「プロが絶賛、紀平梨花の天性のスケーティング」はこちら。

これからシニアに上がってくる選手を受けて立つという姿勢でいいでしょう。
彼女たちが高難度ジャンプを決めると得点で負けることがあるかもしれませんが、最終的な決着はオリンピックです。

紀平梨花が心の余裕を持って北京五輪までの期間を過ごすうえでも、オリンピックに次ぐ国際大会である世界選手権とGPファイナルは早めに制したほうがいい。
GPファイナル2018では圧勝を収めており、来春開催の世界選手権2019で強さを誇示したいところです。
(その後は1〜2年、潜伏するくらいの気持ちで・・・。)

紀平梨花はすでに4回転を跳べる

個人差が大きいはずですが、紀平梨花は成長期を迎えています。
身長や体重が変わり、体形も変わるでしょう。
ロシアのエフゲニア・メドベージェワやアリーナ・ザギトワという2人のエリートを見れば分かるとおり、高難度ジャンプを跳べなくなります。
しかし、紀平梨花はそうした困難を乗り越えられそうな体幹や身体能力の強さを備えていると感じます。

⇒2018年11月27日「紀平梨花、音を筋肉で感じ取り再現する才能」はこちら。

もしそうなら、紀平梨花は複数の4回転ジャンプを跳べるはずです。
すでにトウループは練習で決めており、精度(成功率)の向上に取り組んでいるようです。
紀平梨花はそのための海外合宿も予定しています。
(フィギュアスケートも情報戦になっており、練習で決めても伝わります。)

4回転は後出しが有利で低リスク

私は何十年に一人という突出した選手でないかぎり、4回転ジャンプ競争は後出しじゃんけんが勝つと考えます。
それを披露するかどうかはライバルの出方を睨みながらになります。
早い時点で手持ちのカードをすべて切ってしまうのは得策でありません。
(だれも追いつけないものなら構いません。)

大丈夫、4回転ジャンプ競争は放っておいてもロシアのジュニア勢が牽引します。
国内競争がとても厳しく、そうせざるをえないのです。
勝つためのロボットに見えてきて、私は気の毒に思います。
十代前半のジュニア選手に歩調を合わせるのはリスクを含めて愚かです。

⇒2018年11月26日「紀平梨花は頭もいい、超新星は超クール、GP連勝は当然」はこちら。

紀平梨花はクール!
冷静な判断力を失わなければ、日本女子最初のオリンピック金メダリストになれます。
彼女の武器は「頭」でもあるのです。

category:紀平梨花ブログはこちら。

◆書き加え(2019年1月20日)

いま、たまたまこの日のブログを見て愕然としました。
2006年トリノ五輪の荒川静香を完全に忘れていました。
とくにフリースケーティング(FS)「トゥーランドット」は大好きな演技です。
動画でも繰り返し楽しんできました。
(この大会では日本代表選手で唯一のメダル獲得となりましたので、強く印象に残りました。)

おそらくシニア1年目での大ブレイクに、私が舞いあがったのでしょう。
もしくは同じトリプルアクセルを武器とした浅田真央がオリンピックで金メダルを獲れなかった悔しさを私がいまだに引きずっているのかもしれません。
失礼しました。

◇◆◇

紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月26日「紀平梨花と高橋大輔は神、全日本フィギュア視聴率」はこちら。

⇒2018年12月25日「紀平梨花と宇野昌磨はまとも、世界選手権の重圧」はこちら。

⇒2018年12月23日「なんでかな紀平梨花、トリプルアクセル赤面転倒」はこちら。

⇒2018年12月21日「プロが絶賛、紀平梨花の天性のスケーティング」はこちら。

⇒2018年12月19日「紀平梨花、全日本フィギュア初制覇は揺るがず」はこちら。

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