米国デザイナーが試合での衣装を絶賛
紀平梨花自らもデザインと機能に関与

ニューヒロインを引き立てる舞台装置

フィギュアスケート女子シングルの紀平梨花。
シニア1年目でいきなりグランプリ(GP)シリーズ2連勝を収めた勢いでGPファイナルまで制し、スターダムに駆け上がりました。
平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワが出場していたことも世界中の脚光を浴びるうえで幸運でした。
ニューヒロインの誕生にはそれを引き立てるこうした舞台装置も必須となります。

選手ですので勝たないと注目を集められないのは確かですが、私は強さに加えて美しさも評価されたと思います。
前後の跳躍と着氷を含め、トリプルアクセルをクリーンに決められる選手は決して多くありません。

しかし、彼女の最大の魅力はこのブログで幾度も記した「スケーティング」にあると考えており、見ているだけで引き込まれます。
凛とした品格と伸びやかな迫力が備わっています。
「絶品」と呼べる身のこなしは天性の美意識と強靭な体幹から醸し出されるものでしょう。

⇒2018年12月21日「プロが絶賛、紀平梨花の天性のスケーティング」はこちら。

紀平梨花は血液型がいかにもO型という「おおらかさ」を感じさせます。
同時に、「繊細さ」を感じさせます。
両極端の気質を合わせ持つことが、スケーティング全体にナチュラルな美しさを生んでいます。

SPは夢のなかの少女、かわいく甘美

その紀平梨花が演技と直接関わらないところでも美しさを称えられています。
米国のファッションデザイナーが試合で着用しているコスチュームに言及しています。

ショートプログラム(SP)はドビュッシー「月の光」であり、やわらかな調べは「夢のなかの少女」です。
私には丈を短くしたネグリジェにも思えます。
「人形のようでかわいい」「ベイビーブルーとライラックの色合いが好き。フリルのついた衣装は甘美でゴージャス」とカラーとデザインをほめました。
パジャマみたいな丸いえりは紀平梨花が考案したようです。
ファッションセンスというかデザインセンスにも秀でています。

FSは大人の気配、クール&シック!

フリースケーティング(FS)はジェニファー・トーマス「ビューティフル・ストーム」。
激しい稲妻(雷鳴)から始まります。
少女を思わせるSPと対照的に、FSは大人の気配が漂います。
カラーは濃い紺、デザインはクール&シックです。
「シャープでスパンコールは明るさがあり、ビューティフル・ストームに沿った雷が基本。
上品。わずかに左右非対称のスカートに濃淡」とほめました。
このコスチュームを着用したFSは先日の全日本選手権を含め、すべて1位です。
きわめて験(げん)がいい衣装ということになります。
四大陸選手権も世界選手権も1位の得点でしょう。

⇒2018年12月9日「紀平梨花、ビューティフル・ストームの生命力」はこちら。

バレエ・ダンス「チャコット」の衣装

トップ選手はたいてい1シーズンごとにコスチュームを新調します。
紀平梨花は今シーズンからバレエ・ダンス用品の総合メーカー「チャコット」の衣装を着用しています。
曲調や振付にマッチするよう、本人もデザインに関与しました。

デザインと機能性をブラッシュアップ

紀平梨花は「完全主義」であり、それは全日本選手権でのスケート靴の調整にも十分に表れました。
納得のいく演技を行うため、細かい部分にも並々ならぬこだわりを見せます。
それは衣装にも及び、しかもデザインに留まりません。
大きな意味のスケーティングのしやすさ、なかでも高難度ジャンプの跳びやすさがむしろ中心です。
ファッションデザイナーが踏み込めない領域、立ち入れない聖域といえます。
当然、選手個々で感覚が異なります。

紀平梨花は女子シングルで最高難度のトリプルアクセルを跳びます。
SPで単発、FSでコンビネーションと単発です。
回転軸や空中姿勢に影響しないように左右差をなくすだけでなく、機能性を高めています。
実際に着用してその場で回転するなどしてみて、デザイナーにさまざまな要望を出してブラッシュアップに努めています。
紀平梨花は着心地がとても気に入っています。

私は愛らしさが似合うSPもさることながら、体と滑りの美しさが引き立つFSのコスチュームが好きです。
どちらも彼女のスケーティングと演技の魅力を存分に際立たせています。

(2019年1月3日執筆)

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月30日「賢い紀平梨花は4回転ジャンプを跳ばない」はこちら。

⇒2018年12月26日「紀平梨花と高橋大輔は神、全日本フィギュア視聴率」はこちら。

⇒2018年12月25日「紀平梨花と宇野昌磨はまとも、世界選手権の重圧」はこちら。

⇒2018年12月23日「なんでかな紀平梨花、トリプルアクセル赤面転倒」はこちら。

⇒2018年12月21日「プロが絶賛、紀平梨花の天性のスケーティング」はこちら。

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