大阪桐蔭は圧倒的な強さを見せる
桐蔭学園は厳しい戦いを勝ち抜く

昨春の選抜決勝と同一カード

第98回(2018年度)全国高校ラグビー大会は1月7日に大阪市花園ラグビー場で決勝が行われます。
「桐蔭対決(両校は無関係)」に大きな注目が集まっています。

1月5日、第6日に準決勝が行われ、第1試合で大阪桐蔭(大阪第1)、第2試合で桐蔭学園(神奈川)が勝利を収めました。
大阪桐蔭は地力の高さが際立つ快勝、桐蔭学園は勝負どころの決定力が光る辛勝です。

昨年4月の選抜決勝と同じカードであり、このときは桐蔭学園が46−26で大阪桐蔭を下しています。

⇒2018年11月23日「第98回高校ラグビー優勝候補は東福岡に大阪桐蔭、桐蔭学園」はこちら。

大阪桐蔭は選抜と前回大会の雪辱に燃える

準決勝でAシードの大阪桐蔭は31−17でBシードの流通経済大柏を下しています。
2大会連続、2回目の決勝進出です。

前半8分に今大会で初めて先制を許しましたが慌てません。
得意のFW戦に徹し、相手のスタミナを消耗させています。
前半は17―12の5点リードで折り返しました。
後半はFWの圧力とBKの揺さぶりで優位に立ち、トライを奪って突き放しています。

流通経済大柏はキックをうまく使いましたが、相手陣で押せません。
息切れし、動きと勢いが鈍りました。

綾部正史監督は「前半はイーブンでいいと思っていた。ボールを動かしていけば相手が疲れてくる」というプランどおりだったと明かしました。
強さだけでなく余裕を感じさせる戦いぶりでした。

大阪桐蔭は前回の決勝で東海大仰星(現東海大大阪仰星)に敗れ、選抜の決勝で桐蔭学園に敗れていますので、雪辱に燃えているはずです。

⇒2019年1月4日「大阪桐蔭ラグビーは全国一の激戦区を勝ち抜いて花園へ」はこちら。

桐蔭学園は2度目の優勝、初の単独制覇へ

準決勝で互いにAシードの桐蔭学園が46−38で東福岡を下しました。
試合は激しい点の取り合いとなり、同点あり逆転ありの白熱した展開でした。
桐蔭学園が最後に競り勝ち、振り切りました。
3大会ぶり、6度目の決勝進出です。

前半、3分と9分にトライを決めて17点のリードを奪いました。
私がまったく予想しない展開でした。
その後、東福岡の反撃を受け、前半を24−17で折り返しました。

後半、4分と7分にトライを奪われて24−31と逆転されました。
その後は一進一退の攻防が続きます。
10分、15分にトライを決めて逆転し、21分にトライを奪われて1点差に詰め寄られながらも大接戦を制しました。

桐蔭学園は花園で東福岡にこれまで1分け3敗でした。
5度目の対戦で初勝利を挙げました。
体力を消耗したかもしれませんが、決勝へ向けて勢いがついたのも事実です。

大阪桐蔭が勝てば初優勝となり、桐蔭学園が勝てば初の単独制覇となります。
大阪桐蔭は史上初となる野球部との同一年度アベック優勝に王手をかけています。
桐蔭学園は第90回(2010年度)大会で初優勝を叶えていますが、東福岡と両校優勝でした。

午後2時にキックオフです。

⇒2018年12月27日「高校ラグビー優勝本命に桐蔭学園の声、選抜と2冠」はこちら。

◆書き加え(1月6日)

東日本勢の単独優勝は国学院久我山が最後

大阪桐蔭は攻撃が強いだけでなく防御(ディフェンス)も固いようです。
毎日新聞の記事からもこのチームが優勝候補の筆頭というニュアンスが伝わってきました。

決勝前日は両チームとも軽めの練習で切り上げました。
やれることはやり終えているのでしょう。

前回大会準優勝の大阪桐蔭はラインアウトや連係の確認に留めています。
前回大会準決勝で敗れ、選抜大会決勝で勝った桐蔭学園はボールを使わない「エア・ラグビー」でした。
パス回しを中心に選手同士の意思疎通力を高めるとともに攻撃の形を確認しています。
ラグビーは試合が始まると監督がフィールドに入れません。
選手たちが自ら考え、自ら行うことが決め手です。

桐蔭学園は花園で一度も勝てなかった東福岡とのAシード対決を制して決勝進出を決めたことが大きな自信につながると思います。
東福岡には第90回大会(2010年度)の決勝で終盤に追いつかれ、無念の両校優勝です。

当時は日本代表FB松島幸太朗(現サントリー)という飛び抜けたスター選手を擁した世代でした。
しかし、藤原秀之監督は大会登録メンバー30人の総合力はいまのほうが上だと考えているようです。
ことさら継続ラグビーを打ち出すのも「リーダーシップを取れる人間がそろい、まとまっている」と評しているからです。
ただし、FWの体格は大阪桐蔭と比べられないくらい差があります。

東日本勢の単独優勝は第77回大会(1997年度)の国学院久我山(東京)が最後となります。
昔は東京(久我山)に暮らして国学院久我山を応援し、いまは神奈川(横浜)に暮らして桐蔭学園を応援する私としてはそろそろ東のチームに勝ってもらいたい。
私は東北勢(秋田工・盛岡工など)が強かった時代もぼんやり覚えています。

第98回大会(2018年度)決勝は大阪桐蔭が優位に立っているように思いますが、勝負の行方は実際にぶつかってみないと分かりません。
両チームが持ち味を出し切る好試合を期待します。

◆書き加え(1月9日)

大阪桐蔭が26−24で桐蔭学園を下し初優勝

決勝が行われ、「桐蔭対決」は大阪桐蔭が26−24で桐蔭学園を下し、13度目の出場で初優勝を収めています。
得点を眺めれば、桐蔭学園のゴールキック(GK)1本で両校優勝、ペナルティゴール(PG)1本で逆転優勝という大接戦です。
平成最後の大会にふさわしい激闘だったのは確かですが、とりわけ後半は大阪桐蔭がフィジカルの差で攻撃でも防御でも優位に立っていました。
破壊力を感じさせるくらいです。
地元の桐蔭学園を応援する私が期待した「ひょっとしたら・・・」は起こりませんでした。

大阪桐蔭は甲子園も花園も強かった。

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