33年間の現役生活にピリオド
会見には約2百人の報道陣が詰めかけ

女性の幸せへ高速タックルが決まるか

レスリング女子で五輪3連覇を果たした吉田沙保里がきのう都内で引退会見を行いました。
長らく日本女子レスリング界をけん引してきましたが、33年間の現役生活にピリオドを打ちました。
吉田沙保里は世界選手権で2002年から13連覇を遂げ、五輪を含めて16大会連続で「世界一」を成し遂げています。
「人類最強」と称されたレスリング男子、ロシアのアレクサンドル・カレリンの12大会を上回りました。
国民栄誉賞も受賞しました。

会場には約2百人の報道陣が詰めかけました。
バラエティ番組への出演も多いことから注目度が高く、テレビカメラも28台を数えたそうです。
白いジャケット姿で現れ、重圧から開放された笑顔で質問に答えました。
「女性としての幸せは絶対につかみたい」と、次の夢へ力を込めました。
はたして代名詞の高速タックルを決められるかどうか。

東京五輪へ向け現役続行と引退で迷い

とはいえ、現役続行と引退の間で迷ったようです。
2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン五輪で金メダルを獲りましたが、2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルに留まりました。
リオ五輪後に休養に入りつつ、女子日本代表のコーチを務めるなどしました。
自国開催の2020年東京五輪で女王に返り咲いてほしいという周囲の期待を感じていました。
体力はそれほど落ちたわけでありませんが、気持ちが追いつかない状態が続き、「やり尽くした」という思いが強まりました。
若手の成長、後輩の台頭もあり、昨年12月に最終決断を下しました。

中京女子大(現至学館大)時代から指導を受けてきた栄和人に引退を報告し、「ご苦労さん。泣きそうだよ」と言われたそうです。
また、中京女子大時代のチームメートの伊調馨に対するパワハラ騒動で強化本部長を辞任した状況について「東京五輪へ向け、一つになって頑張っていくしかない」と複雑な心境を語りました。
今後も代表コーチを続ける意向です。

五輪4連覇の伊調馨から東京五輪を目指すと聞いたときには「すごい」と思ったそうです。

会見後に報道陣にサイン入りハンカチ

これまでも感謝をたびたび口にしていた吉田沙保里は報道陣にプレゼントを用意していました。
「たくさん取材していただいて、レスリングを知ってもらうことができた」。
会見後に自身のサインと「感謝」という文字をプリントした黄色いハンカチを配りました。
そこには2002年の世界選手権から最後の試合となった2016年リオ五輪までの世界大会の足跡も記されていました。

母親が引退会見場に駆けつけ、やはり笑顔で花束を渡しました。
「五輪も世界選手権も連れていってくれ、親孝行な娘でした」と称えました。

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