激戦の全日本選手権を総合力で初制覇
表現力が高まり演技構成点でも戦える

フィギュアスケート女子シングルの坂本花織。
全日本選手権で5連覇を狙う宮原知子、シニア1年目に破竹の快進撃を続ける紀平梨花を抑え、初優勝を飾りました。
フリースケーティング(FS)ではぐらついたジャンプもありましたが、すべてを決めました。
さらに、スピンとステップで最高のレベル4を揃えました。
多くの要素でGOE(出来栄え点)を得て、152.36点という高得点を叩き出しました。

とりわけ目を引いたのは表現力などを示す「演技構成点」の伸びでした。
グランプリ(GP)ファイナルでロシアのアリーナ・ザギトワと肩を並べた紀平梨花を上回り、宮原知子に次ぐ2位になりました。
5項目のうちの4項目が9点台であり、 73.25点です。
五輪出場で「箔」が着いたことも採点にいくらか影響しているのでしょうか。

坂本花織は表現力の土台となる「スケーティング」はもともとしっかりしていました。
4位に留まったグランプリ(GP)ファイナル後にブノワ・リショーとFSの振付を見直すなど、表現の細部に磨きをかけました。
その際に「表情が死んでいる」「審判に視線を向けていない」といった叱責も受けました。
表現力が高まり、演技構成点でも戦えるとの手応えをつかんで臨んだ大会でした。
中野園子コーチは心が入っていたと称えています。

坂本花織は憧れの選手に「鈴木明子」の名前を挙げていました。
高さと幅があるダイナミックなジャンプに、鈴木明子に通じるようななめらかさとしなやかさが全日本選手権で加わりました。
初制覇は総合力が高まった結果です。

日本女子は上位選手の実力が伯仲し、ショートプログラム(SP)もFSも2位だった坂本花織が合計1位になりました。
紀平梨花の今後の成長にもよりますが、大会ごとに順位が入れ替わるかもしれません。
見る側としてはとてもエキサイティングな状況といえます。

坂本花織は「日本女王」になっても謙虚さを失わず、紀平梨花や宮原知子にジャンプの質や表現力で及ばないと語っています。
全日本選手権で評価された演技がシーズン最高の舞台となる世界選手権ではたして通用するか。
本人は会心の出来で高校生活を締め括ろうと考えています。
来春から神戸学院大学に在籍することが決まっているようです。

(1月22日執筆)

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坂本花織に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年1月26日「坂本花織、「転ぶから見ていろよ」のド迫力」はこちら。

⇒2019年1月25日「坂本花織の顔のアップは危険・・・」はこちら。

⇒2018年12月24日「坂本花織、計算ミスで全日本初優勝の珍事」はこちら。

⇒2018年12月18日「坂本花織は自分の特色を強く押し出せ」はこちら。

⇒2018年11月8日「坂本花織は「トラウマ」から死ぬ気で「カモメ」へ」はこちら。

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