4回転ジャンプ競争の時代に危機感
来シーズンに基礎点を引き上げる?

フィギュアスケート女子シングルの宮原知子が15日、大阪・高槻市の関大高槻キャンパス内の関大たかつきアイスアリーナで紀平梨花とともに練習を公開しています。
逆転で優勝を収めた「ババリアンオープン」から12日に帰国したばかりで、時差ぼけが残っているそうです。
それでもショートプログラム(SP)「小雀に捧げる歌」の曲かけでは3本のジャンプを着氷しました。

宮原知子は終盤のステップに組み込んでいたスパイラルをやめています。
「スパイラルの前でステップが終わっているようにジャッジに見られがち」で、レベル4をまま逃してきました。
SPだけでなく、フリースケーティング(FS)でもプログラムのブラッシュアップを図ったようです。

宮原知子は練習終盤にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑みました。
成功はありませんでしたが、昨夏から跳びはじめており、練習を本格化させています。
2022年北京五輪へ向け、得点力の上積みを目論見ます。

トリプルアクセルは濱田美栄コーチ同門の後輩、紀平梨花が武器にし、シニア1年目の国際大会で圧勝を収めてきました。
宮原知子は「意識しないというとうそになる」と危機感をあらわにしました。
近い将来の習得に並々ならぬ意欲を見せています。

紀平梨花が行うコロラド強化合宿は濱田美栄コーチも同行するようです。
私は当然、宮原知子も一緒と思うのですが、どうなのでしょう。
あまり期間を置かず、幾度も繰り返さないと自分のものにできないはずです。

⇒2019年2月12日「来季は世界と戦えない、コロラド合宿は宮原知子にこそ必要」はこちら。

備えを急がなければ、取り残される

プライドもありますので難しいかもしれませんが、来シーズンは試合での順位が落ちても徹底的にジャンプの強化に取り組んでほしい。
「4回転ジャンプ」を苦にしないロシアのジュニア勢がシニアに上がってくると歯が立たなくなる可能性もあります。
成長期を迎える少女がこれまでのように高難度ジャンプをやすやすと決められるとは考えませんが、女子シングルに「4回転ジャンプ競争」の時代が訪れようとしているのは確かです。
備えを急がなければ、完全に取り残されます。

宮原知子は20歳であり、女子スケーターとしてはベテランの部類に入ります。
「練習の虫」とされ、強固な意思とたゆまぬ鍛錬によってスケーティングの技術と表現を磨き、今日の地位を築きました。
特別な才能に恵まれたわけでありません。

⇒2018年12月12日「宮原知子から努力を取ったら何も残らない」はこちら。

独自の世界の完成度は称賛に値する

私は宮原知子が築きあげた独自の演技世界の完成度は称賛に値する思います。
ここまで頑張ったのですから、ジャンプ構成の基礎点を引き上げて北京五輪にかならず出場してほしい。
(高難度ジャンプが無理な体格・体形ではないでしょう。)

さいたま開催の世界選手権は1か月後に迫ります。
前回は3位でしたので、2位以内の成績を目指しています。
(ちなみに、私は濱田美栄コーチ門下生のワンツーフィニッシュと予想しています。)

宮原知子は今シーズン最大のイベントにピークを合わせ、会心のパフォーマンスを披露してくれるでしょう。

(2月16日執筆)

category:宮原知子ブログはこちら。

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宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月12日「来季は世界と戦えない、コロラド合宿は宮原知子にこそ必要」はこちら。

⇒2019年1月18日「20歳の宮原知子はもうババリアンなのか?」はこちら。

⇒2018年12月14日「濱田美栄コーチ、同門対決の心労とプライド」はこちら。

⇒2018年12月13日「宮原知子、全日本選手権4連覇は勝ちすぎ」はこちら。

⇒2018年12月12日「宮原知子から努力を取ったら何も残らない」はこちら。

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