自分の強みを見失わず、流儀を貫く
解説者にもショー出演にも興味なし

フィギュアスケート女子シングルの2010年バンクーバー五輪銀メダリスト・浅田真央が総合演出も担う「浅田真央サンクスツアー」を続けています。
この公演は2018年5月3日に新潟で始まり、絶大な「人気」を背景に大勢の観客を得て好評を博しています。
2年目の公演が2019年2月16日に始まっています。
(1年で終わらなかったのですね。)
現役時代の応援に対する「感謝」を自分から出向いてファンに届けたいという思いが浅田真央を突き動かしているのでしょう。

メンバーから昨年限りで姉の浅田舞が卒業し、昨年3月に現役を引退した今井遥が加わっています。
オーディションで選んだメンバーが中心になり、最終公演まで固定するというのも浅田真央らしいこだわりです。
演技とショーの「クオリティ」も保ちたいのでしょう。
(自身のインスタグラムに10人の集合写真を載せました。)

今年の最初の開催地は2011年東日本大震災の被災地の宮城県仙台市、会場は「ベルサンピアみやぎ泉」です。
2016年1月に岩手県盛岡市で開催された「NHK杯スペシャルエキシビション」で浅田真央と「ジュピター」を一緒に滑った子どもたちも見守りました。
浅田真央は「私たちの滑りでパワーを届けられたら」と語りました。
北海道から沖縄県まで全国各地を巡り、2019年12月14〜15日の愛知公演で千秋楽を迎える予定です。

国民の期待を背負って大舞台で滑った浅田真央でも、そして2年目でも、「初日は緊張しました」と明かしています。
前夜まで衣装や振付にマイナーチェンジを加え、約80分の公演をはらはら、どきどきしながら無事に終えました。
(前夜の光景と表情が目に浮かびます。)

浅田真央は経済的に余裕があるのかもしれませんが、チームを引き連れており、あのチケット価格で赤字にならないのでしょうか。
この公演を企画する段階で、「間近で見られる会場と金額にする」と語っていました。
(高値での転売目的のチケット購入はだめですが、とくに浅田真央サンクスツアーは趣旨からしてもやめてほしい。)
家族連れの入場者のなかからフィギュアスケート選手を目指す子どもたちが生まれてくる可能性もあります。

私自身は競技性と芸術性のひりひりした緊張のうえに成り立つフィギュアスケート(試合)に惹かれてきました。
浅田真央はアスリートのなかのアスリートであり、現役引退後に目標を見つけるのが大変だったと思います。
「勝負の世界」にずっと生きてきましたから。
そこに真っ直ぐに向かう姿勢が大勢の心をつかんだのです。

浅田真央はむろん現役引退前から引く手あまたでした。
しかし、試合の解説者やゲスト、タレントとしてのテレビ出演を断り、おそらくアイスショーにも出場していません。
前者は高い視聴率が取れ、後者は大きな集客が見込めます。
(プロスケーターへの転向も眼中になかったことがはっきりしてきました。)

どのような誘いに乗っても高収入を手にしたはずですが、自分の強みを見失わず、流儀を貫いています。
この「頑固さ」は現役時代からまったく変わっていません。
分をわきまえ、マイペースを失いません。
また、「人気」を換金しようとの気持ちもありません。
凄いし、清々しい。

私は浅田真央がサンクスツアーを終えたら次に何をするのかが気になります。
それが一番やりたいことになるでしょう。
家庭に収まり、表に一切出てこないことはないように思います。

コーチ、なかでも幼稚園から小学生低学年までの子どもを対象としたコーチが向いているのでは・・・。

日本女子の系譜、そして日本の「お家芸」を引き継ぐ芽を育ててほしい。

(2月16日執筆)

category:浅田真央ブログはこちら。

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浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年1月12日「浅田真央はサンクスツアーで21か所を回る」はこちら。

⇒2018年3月19日「浅田真央はスケート靴を捨てなくてよかった」はこちら。

⇒2018年3月17日「浅田真央、サンクスツアーで感謝を伝える」はこちら。

⇒2018年1月25日「浅田真央のぼろぼろ靴と穴あきソックス」はこちら。

⇒2018年1月24日「浅田真央北京五輪とコストナー平昌五輪の31歳」はこちら。

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