全日本選手権以来となる主要大会出場

フィギュアスケート女子シングルの宮原知子。
3月20日から自国さいたまで行われる世界選手権は昨年末の全日本選手権以来となる主要大会出場です。
推察ですが、四大陸選手権は高難度ジャンプの強化に取り組むために出場を希望していません。

2022年北京五輪の表彰台を目指した改革でしょう。
練習の中身はジャンプの回転不足の克服、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の習得です。
前者では跳ぶときの意識の持ち方を変えています。
質重視のルール改定によりジャンプの採点に関しても厳格になりました。
世界のトップクラスの選手との戦いではちょっとした減点も勝負に響きます。
(これらは今シーズンを通じて取り組んできたはずです。)

ミス・パーフェクトの名に恥じぬSP

宮原知子の全日本選手権での演技を振り返りましょう。
ショートプログラム(SP)が行われ、ほぼ完ぺきな演技を見せ、国際スケート連盟非公認ながら自己ベストとなる 76.76点を記録して1位で発進しました。
その前のグランプリ(GP)ファイナルで最下位の6位に沈みましたが、「ミス・パーフェクト」の名に恥じない演技でした。
(GPファイナルで違和感のあったスケート靴を戻したようです。)

宮原知子は高得点の3回転ルッツ−3回転トウループのコンビネーションジャンプを組み込んでいます。
(GPファイナルではここでミスが出てしまい、後ろのジャンプにつなげられませんでした。)
冒頭できちんと決め、1.18点の出来栄え点(GOE)を加えました。
続くダブルアクセル(2回転半ジャンプ)、後半の3回転ループでもGOEを加えました。
スピンもステップもレベル4でした。
演技構成点(PCS)は1位でした。

けがが完治し、狙いどおりのトレーニングと練習を積んできたことがうかがえました。
スケーティングを含むジャンプの改良も進んでいます。
定評のある表現もさらに磨かれています。

宮原知子は2位の坂本花織に1.11点差をつけてフリースケーティング(FS)に臨みます。
1985〜1992年に8連覇を果たした伊藤みどり以来の大会5連覇を目指します。

痛恨FSで全日本選手権5連覇を逃す

FSが行われ、宮原知子はジャンプに痛恨のミスが出て146.58点となり、合計223.34点で3位に落ちました。
冒頭の3回転サルコウ、続く3回転ルッツ−3回転トウループのコンビネーションを着氷しました。
スピンやステップはレベル4を獲得しました。
しかし、終盤の3回転フリップ―2回転トウループ−2回転ループの3連続ジャンプが単独の2回転フリップに終わりました。
最後のダブルアクセルに2回転トウループ−2回転ループをつけましたが3本目で回転不足を取られたこともあり、リカバーできませんでした。

濱田美栄コーチ同門の後輩、紀平梨花が高得点を出しており、宮原知子がトップに立つには完璧な演技が必要でした。
基礎点が 1.1倍になる後半の得点源のジャンプで失敗したのは致命的でした。
この時点で紀平梨花に0.42点及ばず、5連覇を逃しました。

「フリップだけ時間を巻き戻したい」と悔やみました。
「どこかで勝ちたいという気持ちがあった」と心がわずかに乱れました。

試合後に「まだ気持ちの整理がついていない」と語りつつも、「自分を見詰め直す機会になる。プラスに考えたい」と前を向きました。

田村岳斗コーチは「勝ちつづければ臆病になる。挑戦者のつもりでやっていこう」と励ましました。
本人も「まだまだ伸びると思っている。やることがたくさんある」と述べました。

紀平梨花が全日本選手権を初制覇すると思いましたが、最終滑走の坂本花織が優勝をさらいました。
宮原知子は悔しさとさみしさはありますが、ずっと背負ってきた「全日本女王」の看板が外れたことになります。
世界選手権で「気負わずに楽しみたい」と語りました。
あの敗戦を糧にし、レベルアップした演技を見せてくれるはずです。

私の予想では2位です(1位でなくてごめんなさい)。

category:宮原知子ブログはこちら。

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宮原知子に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年2月12日「来季は世界と戦えない、コロラド合宿は宮原知子にこそ必要」はこちら。

⇒2019年1月18日「20歳の宮原知子はもうババリアンなのか?」はこちら。

⇒2018年12月14日「濱田美栄コーチ、同門対決の心労とプライド」はこちら。

⇒2018年12月13日「宮原知子、全日本選手権4連覇は勝ちすぎ」はこちら。

⇒2018年12月12日「宮原知子から努力を取ったら何も残らない」はこちら。

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