フィギュアに人生すべてを捧げる覚悟
類まれな才能と尽きない魅力が備わる

きのうのブログの続き。

⇒2019年4月6日「紀平梨花は美の神からの最高のプレゼント」はこちら。

紀平梨花は私の直観どおり、国際大会6連勝という快進撃を続けました。
そして、シーズンで最重要の世界選手権が迫り、国内外を問わずだれもが紀平梨花を圧倒的な優勝候補と認めるに至りました。

ところが、「世界女王」の称号をつかむどころか、表彰台を逃してしまいました。
フィギュア王国のファンと国民の期待を裏切ることになり、一番つらかったのは本人です。
周囲の落胆の大きさも痛いくらい感じたでしょう。
紀平梨花は今シーズンをいい形で締め括ることができませんでした。

ジャンプ構成の基礎点で下回る事態も

時期はともかくとして、女子シングルも男子シングルに遅れて「4回転ジャンプ競争」の時代を迎えるのは間違いありません。
現実に、来シーズンは4回転ジャンプを跳ぶロシアのジュニア選手が複数シニアに上がってきます。
紀平梨花はトリプルアクセルや3回転ジャンプの高難度のコンビネーションをプログラムに組み込むアドバンテージが相対的に弱まります。
ジャンプ構成の基礎点で下回る事態も起こります。

3Aが代名詞に、得点源から得点減へ

また、強さが際立った紀平梨花ですが、今シーズン中盤以降は弱点も露呈しています。
浅田真央ほどのこだわりはなかったはずのトリプルアクセル(3A)が「代名詞」となってしまい、まま得点源から「得点減」に変わりはじめ、彼女を苦しめました。
不安を抱えながら跳んでみたり、わらにもすがる思いで跳んでみたり・・・。
そして、その弱点を克服できず、来シーズンに重すぎる「課題」として持ち越しています。

さらに、個人差はあるにしろ紀平梨花は成長期を迎えます。
フィギュアスケートはわずかに体形が変わるだけでもバランスを保つのが難しくなるようです。
まして紀平梨花はとても繊細な感覚の持ち主です。
この先は不透明であり、女子シングルの新局面への突入も踏まえて考えると、不調に沈むことが絶対にないと言い切れません。

それでも紀平梨花が類まれな才能と尽きない魅力を合わせ持った選手であることは疑いようがなく、私はこれからの活躍をおおいに楽しみにしています。
フィギュアスケート界で長くスーパースターとして君臨すると信じたい。

⇒2019年3月3日「消音動画同時再生で分かる紀平梨花のぶっちぎり」はこちら。

家族の犠牲なしにトップ選手は育たず

もう一つ、私が感嘆するのが、フィギュアスケートに打ち込む姿から人生のすべてを捧げる覚悟が伝わってくることです。
練習や鍛錬の時間を増やすために通信制私立N高校を選んでいます。
通学の負担、したがって自身の負担を減らす意図があったとしても、競技を最優先した大胆な決断です。

同じ濱田美栄コーチ門下生の白岩優奈がクラウドファンディングを利用して活動資金を調達しています。
フィギュアスケーターが競技生活を続けるには大変な出費が避けられません。
全日本選手権の最終組や主要な国際大会で滑れる選手になるために必要な費用を調べた際に、インターネットで見かけたのは紀平梨花が富裕な家庭で生まれ育ったわけでないという情報でした。
もしそうなら、家族全員の献身的なバックアップが必須となります。

スポーツのなかでも道のりの険しいフィギュアスケートにおいては家族が犠牲にならないとトップ選手は育たないとされています。
それは選手本人がよく分かっていることです。

「私は後戻りできないと思っている」

紀平梨花は「私は後戻りできないと思っている」と語ったことがありました。
この選手はほんわかとし、のほほんとした表情ですが、これはきわめて重い言葉です。
聞きようにより、決意とともに追い詰められた「悲壮感」が伝わってきます。

今シーズンの活躍を経て、16歳の少女のなかで2022年北京五輪の金メダル獲得は夢でなく「使命」に変わっています。
私はそれが叶うよう、気合を入れて応援していきます。

人は皆そうですが、この子はとくに笑顔が似合います。

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年4月6日「紀平梨花は美の神からの最高のプレゼント」はこちら。

⇒2019年4月3日「トゥクタミシェワが世界国別対抗戦で紀平梨花と3A対決」はこちら。

⇒2019年4月2日「4回転サルコウ投入の紀平梨花は一転して勝てなくなる恐れ」はこちら。

⇒2019年4月1日「濱田美栄コーチは使いっぱしり、怒りが収まらず愚痴が止まらない」はこちら。

⇒2019年3月30日「紀平梨花の新エキシビションはシーア「ザ・グレイテスト」」はこちら。

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