惨敗を喫した世界選手権をどう見るか
負けても平気な顔をされるとがっかり

世界フィギュアスケート選手権男子シングル。
宇野昌磨は四大陸選手権でシニアとして主要国際大会の初制覇を成し遂げました。
才能と実力、何より練習の努力と照らせば遅すぎた感は否めませんが、勝つに越したことはありません。
(忘れられがちですが、宇野昌磨はネイサン・チェンが5位に終わった平昌五輪で銀メダル獲得という実績を残しています。)

実は、羽生結弦が欠場し、自身は右足首を負傷しながら出場した全日本選手権から宇野昌磨に変化が表れていました。
それは勝利への執念と責任を口にするようになったことでした。
とくに四大陸選手権ではこれまでの順位にこだわらない姿勢を改め、優勝を狙うと言い切りました。
童顔の宇野昌磨がようやく大人になった、ようやく勝負師になったと感じた瞬間です。

選手が悔しがるからファンが悔しがる

そうした変化にファンは敏感に反応し、世界選手権での初優勝へ向けて注目が集まり、期待が高まりました。
大会前の記者会見では久し振りに試合に出場する羽生結弦に質問が集中しましたが、宇野昌磨に対する関心も決して低くありませんでした。
(宇野昌磨はすねてみせる演出を行っています。)

選手が負けても平気な顔をしていると、熱心なファンほどがっかりするものです。
優勝を飾ればうれしいのはもちろん、選手が敗北を心から悔しがる様子を見ると次回の応援に一段と力がこもります。
五輪連覇の羽生結弦もそうですが、順調に勝利を収められなかった浅田真央がその代表格です。
注目や期待が重圧となって浅田真央を苦しめることもありましたが、熱狂的な応援はスーパースターとしての誇りでもあったでしょう。
(選手が悔しがるからファンが悔しがるのです。)

羽生結弦とネイサン・チェンに勝つ!

私が一番うれしかったのは、背中を追いつづけてきた羽生結弦、世界選手権とグランプリ(GP)ファイナルで後塵を拝してきたネイサン・チェンが出場する本大会で勝ちにいくと宣言したことでした。

ある意味で当然で、宇野昌磨は初出場の2016年こそ7位でしたが、2017年と2018年は銀メダルを獲得しています。
安定した成績です。

さて、宇野昌磨は世界選手権へ向けてリハビリと調整に努めました。
そんなに簡単に治るはずがありませんが、本人は「問題ない」。
全日本選手権と四大陸選手権で難度を下げたジャンプ構成をけがの前に戻す意向も示しました。

公式練習に参加し、フリースケーティング(FS)の曲かけ練習は4回転ジャンプ4本の構成です。
冒頭に4回転サルコウを決めました。
ショートプログラム(SP)の曲かけ練習は4回転フリップ、4回転トウループ−3回転トウループ、トリプルアクセル(3回転半)です。
本気で制覇を目指しているのは明白です。

宇野昌磨は勝負と真正面から向き合う

私は宇野昌磨が大会前の記者会見で語ったとおりだと思います。
「僕は結果を気にせず、自分の満足がいく演技と言ってきた」。
「この試合には初めて結果を求めて挑みたい。それが緊張につながるか分からないけれど、貴重な経験になる」。
いいコメントです。

大会では不本意な結果に終わり、本人がどのような反応を見せたかも知られています。
表彰台を外れた事実だけ見れば、惨敗を喫したといえます。

しかし、宇野昌磨は勝負と真正面から向き合うようになって人間としても、アスリートとしてもおおいに成長したと思います。
私自身はこれまでの宇野昌磨よりも断然好きです。

どうか2022年北京五輪での金メダル獲得へ、攻めの姿勢を貫いてほしい。

category:宇野昌磨ブログはこちら。

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宇野昌磨に関するブログは以下のとおり。

⇒2019年3月14日「宇野昌磨が羽生結弦とネイサン・チェンに挑戦状」はこちら。

⇒2019年3月11日「宇野昌磨、胸に響いた出水慎一トレーナーの言葉」はこちら。

⇒2019年2月22日「宇野昌磨、遅すぎた主要国際大会初優勝」はこちら。

⇒2019年2月16日「宇野昌磨は勘弁、「僕の生き方」という人騒がせ」はこちら。

⇒2019年2月1日「宇野昌磨は世界選手権で男女同時金メダルを叶えよ」はこちら。

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