コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

講師道・講師塾

講師は好かれると貧しくなる…食べていけない低収入

どうして世の中、好かれようとする講師ばかりなのだろう。
私のような嫌われる講師はすごく助かるが・・・。

私は、その気持ちがまったく分からないわけでない。
参加者や受講者に好かれると、講師は講演・セミナー・研修をやりやすい。
また、楽なので、終わった後の疲労が少ない。
それに、好かれるとアンケート評価が上がる。

しかし、好かれようとする講師は凄まじい競争のなかに身を投じることになる。
存在そのものが埋没しかねない。
競争を勝ち抜くことは大事だが、競争は避けるに越したことはない。
マーケティングの基本中の基本だと思うのだが・・・。

私は経験していないが、かつて職業講師の全盛時代があった。
先生、先生と呼ばれ、1日の講師料がサラリーマンの1月の給料を超えた。
ハイヤーによる送迎も贅沢な接待もお決まり。

しかし、いまやこの仕事だけでやっていくのは至難である。
とりわけ参加者や受講者に好かれると、職業講師は貧しくなりやすい。
私は嫌われるおかげで、何とか食べていける。

社内で憎まれ役がどんどん減っている。
上は下に言うべきときでさえ、喉まで出かかった言葉を飲み込んでしまう。
嫌われる講師には、まだいくらか仕事が残されている。
ありがたい。

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プロ講師の百倍ルール…食べていけない低収入

私は人前で話す時間の最低でも百倍の時間をコンテンツの作成に費やすことを絶対のルールにしている。
例えば、90分の講演なら最低 150時間、1日(6時間)の講演なら最低 600時間。
職業講師なので、講演・セミナー・研修の内容(コンテンツ)に大きな情熱とエネルギーを注ぐのは当然だろう。

しかし、「内容」と「表現」は半々と強く戒めている。
参加者や受講者に「話しても伝わらない」というのが、職業講師としての出発点である。
では、どう伝えるか?
それを本気で追求すると、話す時間のゆうに百倍の時間が準備にかかる。
これが、自分自身に課した「百倍ルール」。

私は、企業(クライアント)やビジネスセミナー会社などで新テーマの講演・セミナー・研修の採用が相次いでいる。
何と今年度下期だけで20本近い新テーマである。
正直、仕事を欲張りすぎた。
キャパシティオーバーだった。
が、自分が進んで引き受けた以上、顧客に迷惑をかけるわけにいかない。
やるっきゃない!

むろん、それらのコンテンツのベースはすでに存在する。
また、そうでないと引っ繰り返って頑張っても間に合わせられない。
完成に近い状態、叩き台と呼べる状態、素材くらいの状態と、原稿はレベルがまちまちである。
これを講演・セミナー・研修の実施日に合わせてブラッシュアップしていく。
この先、デスクワークが可能な日はそれに没頭することになる。
おそらく8カ月〜1年間。
自分の頭と心、体の限界との戦いが延々と続く・・・。

                       ◇

表現を含めたコンテンツは、講師の「商品」である。
そう、命!
世の中の会社は商品の開発に気の遠くなる情熱とエネルギーを注いでいる。
この商品には人気テーマパークや高級ホテル、老舗百貨店などでのサービスといった無形のものも含まれる。
例えば、一杯千円もしないラーメンの開発に数カ月はおろか数カ年の歳月をかける人が大勢いる。
私の「百倍ルール」に驚く人がいるが、この程度の格闘は屁みたいなものだ。

会社を儲けさせるのも潰すのも、決めるのは顧客である。
同様に、講師を儲けさせるのも潰すのも、決めるのは顧客である。

講師は自身の商品となるコンテンツ作成にそれくらいの努力を傾けないかぎり、プロとして長くやっていけない。
それどころか、ろくに食べていけないはずだ。
実は、講師やコンサルタントは気の毒なくらい収入が低い。
指導先の社員よりもずっと貧しいのが普通である。
私が若い講師やコンサルタントに尋ねると、正直な人が答えてくれることがある。
耳を疑う低収入だ。
たいてい周辺の仕事やさまざまな副業で生活を支えている。
これでは彼らに講演やコンサルティングを依頼する気にもなれない。

21世紀に入り、とくにリーマンショック以降、ゆとりを持ってこの仕事を悠々と楽しめる職業講師が激減した。
主要なビジネスセミナー会社でも10年間で常連の営業講師は大方が消えてしまった。
かたや、若い営業講師がほとんど現れない。
いや、現れるのだがよくて2〜3年、人により一瞬で消える。

プロ講師であろうとしたら、やはり自分の最大の売り物となるコンテンツ作成に命を懸けるしかないのだ。

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プロ講師のなり方…地獄をくぐり抜ける

プロ講師への道は、人それぞれだろう。
が、たいてい第一歩は「本を出す」ことである。
出版界は環境の変化により深刻なダメージを受けており、本が売れなくなった。
それでも依然として、一定の影響力は保っている。
多くの人に自分の存在と主張を知ってもらううえで、本は手っ取り早い。

21世紀に入り、本を出すことは簡単でなくなった。
私は1990年代初頭、40歳を過ぎた頃に日本経済新聞社、ダイヤモンド社、日本実業出版社、サンマーク出版、産能大学出版部の5社に営業をかけた。
そして、5社から執筆の機会を受託し、拍子抜けした。
凡人が本を出すのは至難と覚悟していたからだ。
いまは出版社が慎重で、実績がないと厳しくなっている。

ところで、本を出すのに頭はいらない。
他人から得た知識でなく、自分でつかんだ知恵を持っていればよい。
本やセミナーで知ったことを書くと「著作権侵害」に問われるから当然だろう。
とくにビジネス書はその傾向が強い。

ゆえに、勉強を積んで本を出そうとするのは、もっとも遠回りなやり方である。
そこにたどり着くまでに人生が終わってしまう。

例えば、営業本を出すには、営業の勉強を行うのでなく、営業の体験を積む。
そして、優れた結果を残すことが条件である。

なお、本を出すには、出版社へ営業をかける。
相手は歓迎してくれないので、こちらに度胸と粘り強さが必須となる。
机に座って待っていても、執筆の依頼は寄せられない。

講師になるきっかけとして本を出すのは有効だ。
しかし、例えば営業関連本は大量に出版される。
私は正確に把握していないが、10年前は3百冊、現在は百冊くらいでなかろうか。

本を出すのはかなり大変になった。
それも、著者の買い上げがなく、10パーセントの印税を受け取る条件では…。

本を出したら、それを携えてセミナー会社に営業をかける。
これが狭き門である。
主要なセミナー会社で講師を務められる人は、本を出した人の3パーセントに満たない。
例えば、都市銀行系のシンクタンクが主催する1日3万円前後の受講料が設定されたセミナーでは1パーセントに満たないのでないか。
年間1人?
無料や数千円のセミナーなら話は別だ。
しかし、それでは講師料が数万円に留まる。
講師一本で食べていけない。

懸命な営業努力が実り、講師のチャンスをつかんだとしよう。
ビジネスとして開催しているセミナー会社では、それなりの集客が得られないと、二度とお呼びがかからない。
また、採算ラインに乗っていたとしても、受講者の満足度が低いと、二度とお呼びがかからない。
セミナー会社は“客離れ”が起こるのが一番困るからだ。

が、講師にとりもっとも怖いのは、会場の後ろで事務局として立ち会いながら受講している主催者である。
彼らは無数の講師を知っており、横並びでシビアに評価を下せる。
講師のレベルも講義のレベルも簡単に見抜く。
主催者の眼鏡に適わないと、二度とお呼びがかからない。

新人の講師に「敗者復活戦」はない。
一発勝負だ。
ここが分かっていない人が多すぎる。
プロ講師になるには、最初の壁をどうしても乗り越えなくてならない。

実は、講師の大多数は1回で主催者と縁が切れる。
2〜3回つきあえればよい。
10回つきあえれば凄い。
長期で幾度もつきあえれば立派だ。
それは本を出した千人のうちの1〜3人でないか。
あちこちで名前を見かける講師は実力が図抜けている。
まして、同じ演題を繰り返せる講師は化けものだ。
自分を褒めることになり気が引けるが、これは事実である。

私の「提案営業セミナー」はシンクタンクやマスコミ、経済団体などで5百日の開催実績がある。
私の収入源、企業研修を除外しての数字だ。
公開セミナーの受講者と主催者に感謝したい。

講師のチャンスをつかむのは自分だが、それを続けられるかどうかを決めるのは自分でない。
主催者でもない。
顧客なのである。

日本を代表するビジネスセミナーの常連講師、しかもコンスタントに集客が得られる講師は昨今、営業分野では数名くらいに減った。
絶望的だから、プロ講師の仕事は楽しい。
地獄をくぐり抜けてほしい。

◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

⇒2010年5月14日「教えたら育たない…教育を解釈する」はこちら。

⇒2010年5月27日「講師とは自己否定である…プロ養成塾」はこちら。

⇒2010年6月16日「講師にとっての顧客とは?…プロ養成塾」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
日本ロボコム代表
ロボットビジネス勉強会&交流会主宰
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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