フィギュアスケートのグランプリシリーズ(GPシリーズ)第1戦「スケートアメリカ」が行われている。
男子シングルのショートプログラム(SP)。
23歳の町田樹(まちだ・たつき)が前回優勝の小塚崇彦、高橋大輔らを抑え、自己ベストを8点近く更新する 91.18点で首位に立った。
世界歴代6位の高得点である。

町田樹は冒頭、練習から好調だった4回転−3回転の2連続ジャンプを見事に決めた。
そして、3回転半ジャンプ、3回転ジャンプと、3種類のジャンプをすべて決めた。
演技要素では減点なし、プログラム構成点では8点台を並べた。

町田樹はフィニッシュポーズの直後、渾身のガッツポーズで雄たけびを上げた。
終了後、「とても幸せな3分間を過ごせた」と喜んだ。
SPは遠い地平線を思わせる雄大な「エデンの東」。
芸術作品として仕上げることに集中したのがよかったとのこと。
この言葉に強いこだわりが表れている。

町田樹は、昨シーズンに劇的な成長を見せた遅咲きの選手といえよう。
前回の「スケートアメリカ」で3位に入り、初めてGPシリーズの表彰台にのぼった。
そして、「中国杯」で優勝を飾った。
しかし、その後はコンディションを崩し、グランプリファイナル(GPファイナル)で6位に留まった。
さらに、全日本フィギュア選手権で9位に沈み、世界フィギュア選手権の代表切符を逃した。

小塚崇彦は、それほど難しくない3回転−3回転の2連続ジャンプを失敗し、 77.75点で4位に留まった。
が、体は動いているとのこと。
巻き返しを期待したい。

高橋大輔は、3種類のジャンプをことごとく失敗し、 77.09点の5位と出遅れた。
練習でもうまくいっていなかった。
体の感じはいいが、ジャンプのタイミングやスピードがかみ合わないとのこと。
高橋大輔はかなり調子が悪く、年末の全日本選手権までに立て直せるか、私は心配である。

昨シーズン前半で手応えをつかんだ町田樹は、本気でオリンピック出場を目指している。
フリースケーティング(FS)は激しく力強い「火の鳥」。
SPとタイプの違う曲を用いる。
町田樹は4回転ジャンプを意識しないくらい好調であり、小塚崇彦と高橋大輔を上回るかもしれない。
なお、フリーの頑張り次第で、日本勢は表彰台を独占する。

2014年ソチオリンピック(冬季五輪)の代表選考レースはさらに混沌としそうだ。

◆書き加え1(10月20日)

男子シングルのフリースケーティング(FS)が終わった。
町田樹が大差をつけ、優勝を飾った。
おめでとう!

1位は、町田樹、265.38点。
2位は、アダム・リッポン(米国)、241.24点。
3位は、マックス・アーロン(米国)、238.36点。

4位は、高橋大輔、236.21点。
5位は、ジェイソン・ブラウン(米国)、231.03点。
6位は、小塚崇彦、230.95点。

町田樹は、冒頭の4回転ジャンプなど、すべてのジャンプを決めた。
前日のSPに続き、フリーでも自己ベストを更新した。
見事な圧勝劇だった。

深刻な不振とはいえ、高橋大輔と小塚崇彦という世界のトップクラスの2選手を抑えたことは立派だ。
昨シーズンみたいに調子を落とさないよう留意してほしい。
大舞台での経験と実績の少なさをカバーできるメンタリティを備えるなら、全日本選手権そしてソチオリンピックが楽しみである。

◆書き加え2(10月20日)

町田樹は昨シーズン、GPファイナル初進出と躍進した。
しかし、年末の全日本選手権で9位と惨敗した。
そこで、滑りの原点に立ち返ろうと、4月に米国から大阪に拠点を移し、恐ろしく地道な基礎練習を積み重ねた。
その成果か、高難度ジャンプが安定感を増した。

スケートアメリカでの優勝は、GPシリーズ2勝目になる。
今回は狙いにいき、自分でつかんだというから立派だ。
合計点は自己ベストを30点近く更新した。
世界歴代5位の高得点である。

町田樹は、性格の濃さがそのまま顔の濃さに表れている。
自らの競技人生を通じ、フィギュアスケートを“純粋芸術”にするとの壮大な目標を掲げている。
その理想にいくらか近づいた。

町田樹は、自分は崖っぷちの立場という意識を持って頑張りたいと語った。
ソチオリンピックへの出場を念頭に置くことは述べるまでもない。
一気に開眼した町田樹が代表切符をつかむかもしれない。

                      ◇◆◇

高橋大輔に関するブログは以下のとおり。

⇒2013年10月13日「浅田真央の人気、高橋大輔の人気」はこちら。

⇒2013年10月9日「高橋大輔、ホスピタリティ…ビートルズメドレー」はこちら。

⇒2013年2月9日「羽生結弦と高橋大輔の一騎打ち…四大陸選手権」はこちら。

⇒2012年12月23日「いやぁ〜、高橋大輔のフリーの演技は凄かった」はこちら。

⇒2012年12月21日「全日本フィギュアのリンクへ向かう選手の心境」はこちら。

⇒2012年12月2日「フィギュアGPファイナル2012出場選手&放送予定」はこちら。

⇒2012年4月22日「高橋大輔とカタリナ・ビット…伝説のフィギュアスケーター」はこちら。

⇒2012年4月21日「高橋大輔、独自の世界観・・・氷上舞台芸術の域へ」はこちら。

⇒2012年3月31日「高橋大輔は別格、芸術性の高い熟練の演技で魅了」はこちら。

⇒2011年12月27日「高橋大輔、圧巻のSP、ボロボロのフリー、文句あるか!」はこちら。

⇒2011年12月24日「高橋大輔、圧巻4回転ジャンプ、完璧演技で全日本王者!」はこちら。

⇒2011年12月21日「高橋大輔、『どうだ! 小塚君!』…全日本選手権で一蹴」はこちら。

⇒2011年12月12日「高橋大輔、世界一の演技でチャンを圧倒!…GPファイナル」はこちら。

⇒2011年11月17日「高橋大輔・大ちゃんの魅力…子犬のような人懐っこさ」はこちら。

⇒2011年11月15日「高橋大輔と小塚崇彦の比較…スケーターの特性と演技」はこちら。

⇒2011年10月29日「高橋大輔、燃え尽き症候群克服か…GPシリーズ&ファイナル」はこちら。

⇒2011年9月30日「ジャパンオープン2011…安藤美姫、高橋大輔、小塚崇彦が出場」はこちら。

⇒2011年5月17日「浅田真央と高橋大輔の関係をすっぱ抜く」はこちら。

⇒2011年4月28日「高橋大輔、世界フィギュア優勝へのスイッチ」はこちら。

⇒2011年4月26日「高橋大輔は2位じゃダメなんでしょうか」はこちら。

⇒2011年2月20日「高橋大輔、金メダル宣言…世界選手権東京大会」はこちら。

⇒2010年12月7日「高橋大輔は心に訴えない…内臓を揺さぶる泥臭さ」はこちら。

⇒2010年10月25日「浅田真央を気づかう高橋大輔と村上佳菜子」はこちら。

⇒2010年4月16日「妹真央を兄大輔が気遣う春の園遊会」はこちら。

⇒2010年3月26日「高橋大輔、日本男子初の金メダル!」はこちら。

⇒2010年3月4日「あきれた浅田真央と高橋大輔の言葉!」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、4回転失敗も銅メダル!」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、攻めか守りかメダル予想」はこちら。

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