滑りも動きも強いだけでなくナチュラル
優れた技術と表現を支える身体能力

オリンピックシーズン後のフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズの女子シングル。
6試合(大会)を通じて私が一番印象に残ったのが、シニアデビューを果たした16歳、高校1年生、紀平梨花でした。
第4戦「NHK杯」も第6戦(最終戦)「フランス杯」も彼女のために開催されたと思うほどです。

元も子もないようなことを言いますし、この一言で片づけてはいけないのですが、図抜けた「才能」を持っています。
女子シングルを席巻してきたロシア勢(おもにエテリ・トゥトベリーゼコーチ門下生)と互角に戦える日本選手がついに出現しました。

滑り(スケーティング)も動きも際立ちます。
強い(速い)だけでなく、とてもナチュラルです。
したがって、ジャンプなどの技術だけでなく、表現でも得点を稼げます。
それを支えるのは「身体能力」の高さといえます。

この選手は音を「筋肉」で感じ取り、「筋肉」で再現しているとの印象を受けました。
演技全体が美しく研ぎ澄まされ、存分に堪能することができます。
実際、コメントのなかで筋肉という言葉を用いたことがありました。
おそらく筋肉が発するシグナルにつねに耳を傾けているのでしょう。
あるいは、筋肉とつねに対話をしているのでしょう。

⇒2018年12月9日「紀平梨花、ビューティフル・ストームの生命力」はこちら。

GPシリーズでの超新星の誕生に、私は心の底からうれしくなりました。



ところで、紀平梨花は第4戦「NHK杯」では果敢に勝ち、第6戦「フランス杯」では慎重に勝っています。
後者はクレバーに勝ったと言い換えられます。
この選手は頭がいいのです。
日本勢で初となるGPシリーズ初出場での2連勝は見事でした。

⇒2018年11月26日「紀平梨花は頭もいい、超新星は超クール、GP連勝は当然」はこちら。

しかし、GPシリーズ2戦を冷静に振り替えると気がかりなことがあります。
大きな得点源となり、紀平梨花の最大の武器となる「トリプルアクセル」の成功率が次第に下がっているのです。
GPファイナル進出のかかるフランス杯では、一本もクリーンに跳ぶことができませんでした。
SPはシングルアクセルになり、FSは単独でお手つきになり、コンビネーションでダブルアクセルに変えています。
FS当日の練習では本人が「完璧」という仕上がりでしたから、かならずしも調子を落としているわけではないようです。

これを前向きに考えれば、大幅に得点を伸ばせる余地があるということ。
この選手がSPとFSのプログラムを完璧にこなすと、いったいどれくらいの高得点を叩き出すのでしょう。
それは12月6〜9日に行われるフィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナルでの楽しみに取っておきたいと思います。
無敵のロシアのアリーナ・ザギトワを破ってほしい・・・。

category:紀平梨花ブログはこちら。

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紀平梨花に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年11月26日「紀平梨花は頭もいい、超新星は超クール、GP連勝は当然」はこちら。

⇒2018年11月24日「紀平梨花は顔もいい、ロシア勢も止められない強さ」はこちら。

⇒2018年11月22日「紀平梨花、トリプルアクセル成功でGPファイナル確定」はこちら。

⇒2018年11月14日「紀平梨花はフランス杯 230点超え、メドベージェワ撃破も」はこちら。

⇒2018年11月13日「濱田美栄コーチは胸中複雑、紀平梨花が宮原知子に勝利」はこちら。

⇒2018年11月12日「紀平梨花はエキシビションで女王のオーラ」はこちら。

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