耳を疑う超低価格車が先ごろ登場した。
インドのクルマメーカー、タタ自動車(タタモーターズ)が20万円強の「ナノ」を国内市場に投入した。
再建屋雑記帳0716同社は、国内で2位のシェアを持ち、国産車としては1位。
同社の属する「タタグループ」は、インド最大の財閥グループであり、金融や不動産、鉄鋼、食品、通信など、あらゆる分野に進出している。

失礼な言い方になるが、2輪の延長のような4輪にホロを付けたイメージかと思っていた。
再建屋雑記帳0717ところが、れっきとしたクルマ!
私はますます信じられない。
30万円の新型車の開発の噂を耳にしたのは、それほど昔でなかったはず。
それをあっさり実現してみせた。
タタ、恐るべし。

ナノの性能や品質はどうなのか。
環境面や安全性もおおいに気になる。
それでもこの価格で“クルマ”を提供できることが凄い。
再建屋雑記帳0718もちろん世界最安値!
恐らく必要最小限の走行機能に絞り込んだ結果だろう。
これまた失礼な言い方になるが、この値段ならとりあえず走れば十分でないか。

実際のスペックは、私の想像をはるかに超えていた。
全長は3m強で、4ドア、4人乗り。
室内空間も確保。
エンジンは6百cc強、車両重量は6百kg。
再建屋雑記帳0719これはもう小さな「軽」である。
最高時速は百km強というから、ちょっと怖い。
また、保証期間はわずか8カ月。
つまり、飛ばすなということか?

日本勢は静観を決め込むのか。
コンパクトクラスの価格を押し下げる圧力になることは間違いなく、内心穏やかでないはず。
価格競争に火が着くかもしれない。
クルマに限らず、日本製品は概してオーバースペック、オーバークオリティである。
それが強みなのは確かだ。
再建屋雑記帳0720しかし、私のようなメカ音痴は一部の機能しか使いこなせない。
また、それほど品質を求めない消費者も増えている。

インドは11億人の巨大市場。
しかもIT産業などが高成長を続けている。
中産階級が人口の1割に達した。
タタがこの層の取り込みに成功すると、世界での販売台数の順位やシェアも大きく変わるはず。
最初の10万台が予約による抽選という異例の販売方法になったことからも、ナノへの関心の強さがうかがえる。
すでに納車が始まった模様。
文字どおりインドの“国民車”になる可能性を秘めている。
再建屋雑記帳0721私の正直な感想を述べると、いくらか問題も生じそう。
発売後の改良に努めてもらいたい。

日本のビッグスリーの出方はいかに?
あっ、インドで1位のスズキはどう対処する?
いずれにしてもナノの登場は事件ほどのインパクトを持つ。

Copyright (c)2009 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!