2010年「ヒア アフター」クリント・イーストウッド監督 ★★★

かつて知られたアメリカ人の霊能者を通じ、「死」の経験から立ち直れない二人を描きました。
霊能者も自らの能力に嫌悪を感じ、助けを必要としていました。
この3人がロンドンで交わりました。
それぞれが真剣に「生」と向き合う姿が丁寧に描かれています。

フランスの女性ジャーナリストは津波に飲まれて死にかけています。
イギリスの少年は双子の兄を亡くしています。
世の中にはこうした出来事に憑りつかれて苦悩する人もいるのでしょう。
(上映が「3.11東日本大震災」と重なり、中止されています。)

霊能者をマット・デイモンが普通すぎるくらいに普通に演じました。
私はクリント・イーストウッドの監督作品に好感を持っていますが、たいていどこかにわずかな綻びがあります。
(普通の映画にも「独創性」を追い求めているからでしょう。)
「ヒア アフター」にはそうした詰めの甘さがなく、楽しめました。
危ういテーマを文学的な雰囲気を備えた佳作に仕上げています。

これといったクライマックスがあるわけでありません。
しかし、無理のない演出がこの映画にリアリティを与え、私は最後まで観てしまいました。
呪縛からの解放、人間の蘇生を予感させる静かなラストシーンがとてもいい。
生きること、愛することへの希望がじわりと湧いてきます。

ギター、ピアノのソロの音楽もこの作品の世界によくマッチしています。
私はクラシック音楽が好きですが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をアレンジしているのかもしれません(不確か)。

(2010年アメリカ映画「ヒア アフター」クリント・イーストウッド監督 マッド・デイモン主演)

◇◆◇

以下は、和田創の映画評価に共通する趣旨とあらましです。

私が観てよかったと感じた映画について「★」を付します。
正確に述べれば、作品の評価というより、自分が繰り返して観るかどうかの手がかりです。
(私はすぐに忘れてしまいますので・・・。)
好き嫌いはおのずと反映されますが、といってそれだけでもありません。
作品の価値に対する感想も込めています。

実は、huluが5月17日に全面リニューアルを行った際、私が覚えのつもりで残してきた視聴作品の★がすべて消えました。
(この変更は改悪でした。)

このブログで幾度も述べていますが、仕事人間の私はパソコンの画面の片隅で流すという“ながら視聴”になります。
映画ファンに叱られてしまう接し方です。
しかし、ちゃんと観ようとしたら、おそらく永久に映画を楽しめません。

それゆえ、ストーリーが単純でないと厳しい。
また、語学がさっぱりなので邦画でないと厳しい。
★はいい加減な直観にすぎず、次に観たときには変わるかもしれません。
それでも、皆さまの鑑賞にいくらか参考になれば幸いです。

★は普通、★★★★★は最高、☆は★の半分。
(★はわりとよい。★★はかなりよい。★★★はとてもよい。★★★★はおおいによい。★★★★★は素晴らしい。)

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