イタリア・トリノで開催されている世界選手権。
フィギュアスケート女子は、ショートプログラム(SP)が始まる。
バンクーバー冬季五輪金メダリスト、韓国のキム・ヨナ(金妍児)は51番目に滑走(10組)。
銀メダリストの浅田真央は45番目に滑走(9組)。
浅田真央は、SPで自己最高を記録した五輪と滑走順が同じ。
精神的にゆとりを持てそう。
浅田真央は高橋大輔と同様、五輪後に体重が2キロ増えた。
が、打倒キム・ヨナを胸に現地入りし、調子を上げている。
本人によれば、体のキレが戻り、エンジンがかかってきた。
練習ではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をほぼ決めるなど、まずまずの仕上がり。
二人の直接対決は10戦目となる。
ともに人気と実力が図抜けており、同年齢ゆえに注目が余計集まる。
このところキム・ヨナが4連勝、しかも最近は圧勝。
浅田真央は大きく成長したが、キム・ヨナはそれをはるかに上回った。
現時点での実力差は小さくない。
荒川静香によれば、五輪直後のコンディションづくりは、好成績を収めた選手ほど難しくなる。
一番つらいのは、金メダリスト。
キム・ヨナは韓国の報道によれば、後遺症が深刻らしい。
周囲に「出たくなかった」とこぼしており、モチベーションを高められない。
だが、練習では2連続3回転ジャンプなどを軽快に跳んだ。
こちらも調子を徐々に上げている。
キム・ヨナは本大会の終了後にプロフィギュアスケーターへの転向が噂されている。
アイスショーでの活躍だ。
ボディガードなしには外出できないスターであり、タレントなどとしても十分にやっていけそう。
世界選手権が宿命のライバル・浅田真央との最後の対決になるのだろうか。
二人の競演はこれが見納め?
浅田真央にとってはこれを逃すと、雪辱を果たす機会は訪れないかもしれない。
優勝すれば2大会(2年)振りとなる。
はたして勝負の行方は?
両選手は“ぶっつけ本番”に近い状態でアイスリンクに立つ。
私の注目は、米国の長洲未来。
50番目に滑走。
日本人の両親を持つ16歳、五輪4位の新鋭。
彼女は、ロシア・ソチ五輪で浅田真央の最大のライバルとなる可能性が高い。
もっとも、キム・ヨナが祖国の期待を背負って復帰するかもしれないが…。
浅田真央は長洲未来の演技にも無関心でいられない。
フィギュアスケート男子は、高橋大輔が今季世界最高となる得点で金メダルを獲得した。
「楽しく滑ることができた」。
私は浅田真央にリベンジという言葉を忘れてほしい。
…と、ここまでは昨夜したためた。
◇
ショートプログラム(SP)が終わった。
長洲未来は70.40点で1位。
浅田真央は68.08点で2位。
キム・ヨナは60.30点で7位。
浅田真央はトリプルアクセルが回転不足と判定された。
が、いい位置につけている。
キム・ヨナは重症。
彼女も人の子だった。
ジャンプやスピン、スパイラルでミスが相次いだ。
五輪とは別人。
とはいえ、長洲未来まで10.10点差。
これくらいなら軽く引っ繰り返す実力を備えているのは確かだが、精神面はどうだろう。
キム・ヨナは五輪で燃焼し尽くした。
「もうすべてのタイトルを手にした…」。
本大会に出場する動機を見出せず、意欲を失った。
裏を返せば、五輪ではそれだけ重圧がかかった。
何せ国民の応援が尋常でない。
ブライアン・オーサーコーチは、自身が1988年カルガリー冬季五輪(銀メダル)後に同じ経験を味わったことを伝え、キム・ヨナを慰めているという。
本大会、五輪銅メダリスト、カナダのジョアニー・ロシェットは欠場した。
フィギュアスケート男子でも、五輪金メダリスト、米国のエヴァン・ライサチェク、銀メダリスト、ロシアのエフゲニー・プルシェンコも欠場した。
皆、心身ともにボロボロなのだ。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも、イチローや松坂大輔などが大きなダメージを受けた。
彼らはプロだ。
これを考えると、高橋大輔と浅田真央は立派の一言。
精神力が非常に素晴らしい。
尊敬に値する。
⇒2010年3月4日「あきれた浅田真央と高橋大輔の言葉!」はこちら。
⇒2010年3月26日「高橋大輔、日本男子初の金メダル!」はこちら。
私は、3選手のだれが栄冠に輝いても不思議はないと思う。
長洲未来、浅田真央、キム・ヨナの三つ巴の優勝争いになると、会場はヒートアップする。
◇
SPの上位24選手によるフリープログラムは、27日に行われる。
長洲未来は23番目に滑走。
浅田真央は20番目。
キム・ヨナは15番目。
出遅れたキム・ヨナは最終組の1つ前。
浅田真央の現在があるのは“勝ち気”だから。
しかし、もう一度述べれば、浅田真央は演技を楽しむとの気持ちで臨んでほしい。
キム・ヨナを意識するより、純粋に頂点を目指したほうが結果はよいはず。
仮にキム・ヨナに勝ったとしても、彼女のいまの状態では喜びも半減だろう。
また、そうでないと、実力では自分より劣る長洲未来に金メダルをさらわれる。
バンクーバー冬季五輪で、浅田真央は周囲をはばからず大粒の涙を流した。
痛ましかった…。
私は浅田真央の会心の笑顔を見てみたい。
最良の演技を心より願う。
Copyright (c)2010 by Sou Wada
←応援、よろしく!
フィギュアスケート女子は、ショートプログラム(SP)が始まる。
バンクーバー冬季五輪金メダリスト、韓国のキム・ヨナ(金妍児)は51番目に滑走(10組)。
銀メダリストの浅田真央は45番目に滑走(9組)。
浅田真央は、SPで自己最高を記録した五輪と滑走順が同じ。
精神的にゆとりを持てそう。
浅田真央は高橋大輔と同様、五輪後に体重が2キロ増えた。
が、打倒キム・ヨナを胸に現地入りし、調子を上げている。
本人によれば、体のキレが戻り、エンジンがかかってきた。
練習ではトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をほぼ決めるなど、まずまずの仕上がり。
二人の直接対決は10戦目となる。
ともに人気と実力が図抜けており、同年齢ゆえに注目が余計集まる。
このところキム・ヨナが4連勝、しかも最近は圧勝。
浅田真央は大きく成長したが、キム・ヨナはそれをはるかに上回った。
現時点での実力差は小さくない。
荒川静香によれば、五輪直後のコンディションづくりは、好成績を収めた選手ほど難しくなる。
一番つらいのは、金メダリスト。
キム・ヨナは韓国の報道によれば、後遺症が深刻らしい。
周囲に「出たくなかった」とこぼしており、モチベーションを高められない。
だが、練習では2連続3回転ジャンプなどを軽快に跳んだ。
こちらも調子を徐々に上げている。
キム・ヨナは本大会の終了後にプロフィギュアスケーターへの転向が噂されている。
アイスショーでの活躍だ。
ボディガードなしには外出できないスターであり、タレントなどとしても十分にやっていけそう。
世界選手権が宿命のライバル・浅田真央との最後の対決になるのだろうか。
二人の競演はこれが見納め?
浅田真央にとってはこれを逃すと、雪辱を果たす機会は訪れないかもしれない。
優勝すれば2大会(2年)振りとなる。
はたして勝負の行方は?
両選手は“ぶっつけ本番”に近い状態でアイスリンクに立つ。
私の注目は、米国の長洲未来。
50番目に滑走。
日本人の両親を持つ16歳、五輪4位の新鋭。
彼女は、ロシア・ソチ五輪で浅田真央の最大のライバルとなる可能性が高い。
もっとも、キム・ヨナが祖国の期待を背負って復帰するかもしれないが…。
浅田真央は長洲未来の演技にも無関心でいられない。
フィギュアスケート男子は、高橋大輔が今季世界最高となる得点で金メダルを獲得した。
「楽しく滑ることができた」。
私は浅田真央にリベンジという言葉を忘れてほしい。
…と、ここまでは昨夜したためた。
◇
ショートプログラム(SP)が終わった。
長洲未来は70.40点で1位。
浅田真央は68.08点で2位。
キム・ヨナは60.30点で7位。
浅田真央はトリプルアクセルが回転不足と判定された。
が、いい位置につけている。
キム・ヨナは重症。
彼女も人の子だった。
ジャンプやスピン、スパイラルでミスが相次いだ。
五輪とは別人。
とはいえ、長洲未来まで10.10点差。
これくらいなら軽く引っ繰り返す実力を備えているのは確かだが、精神面はどうだろう。
キム・ヨナは五輪で燃焼し尽くした。
「もうすべてのタイトルを手にした…」。
本大会に出場する動機を見出せず、意欲を失った。
裏を返せば、五輪ではそれだけ重圧がかかった。
何せ国民の応援が尋常でない。
ブライアン・オーサーコーチは、自身が1988年カルガリー冬季五輪(銀メダル)後に同じ経験を味わったことを伝え、キム・ヨナを慰めているという。
本大会、五輪銅メダリスト、カナダのジョアニー・ロシェットは欠場した。
フィギュアスケート男子でも、五輪金メダリスト、米国のエヴァン・ライサチェク、銀メダリスト、ロシアのエフゲニー・プルシェンコも欠場した。
皆、心身ともにボロボロなのだ。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも、イチローや松坂大輔などが大きなダメージを受けた。
彼らはプロだ。
これを考えると、高橋大輔と浅田真央は立派の一言。
精神力が非常に素晴らしい。
尊敬に値する。
⇒2010年3月4日「あきれた浅田真央と高橋大輔の言葉!」はこちら。
⇒2010年3月26日「高橋大輔、日本男子初の金メダル!」はこちら。
私は、3選手のだれが栄冠に輝いても不思議はないと思う。
長洲未来、浅田真央、キム・ヨナの三つ巴の優勝争いになると、会場はヒートアップする。
◇
SPの上位24選手によるフリープログラムは、27日に行われる。
長洲未来は23番目に滑走。
浅田真央は20番目。
キム・ヨナは15番目。
出遅れたキム・ヨナは最終組の1つ前。
浅田真央の現在があるのは“勝ち気”だから。
しかし、もう一度述べれば、浅田真央は演技を楽しむとの気持ちで臨んでほしい。
キム・ヨナを意識するより、純粋に頂点を目指したほうが結果はよいはず。
仮にキム・ヨナに勝ったとしても、彼女のいまの状態では喜びも半減だろう。
また、そうでないと、実力では自分より劣る長洲未来に金メダルをさらわれる。
バンクーバー冬季五輪で、浅田真央は周囲をはばからず大粒の涙を流した。
痛ましかった…。
私は浅田真央の会心の笑顔を見てみたい。
最良の演技を心より願う。
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