世界フィギュアスケート選手権2011(ロシア大会)。
織田信成は昨年のグランプリ(GP)ファイナルで2位の成績を収めた。
ちなみに、1位はカナダのパトリック・チャン、3位は小塚崇彦、4位は高橋大輔。
この結果は彼に自信をつけさせた。
いまや世界のトップクラスの選手である。
その織田信成は今年の世界フィギュアに並々ならぬ闘志を燃やしてきた。
実は昨年の大会、ショートプログラム(SP)でジャンプをことごとくしくじり、まさかの28位に沈んだ。
フリースケーティングに進めない惨敗…。
それにより日本男子の出場枠3人のうち1人が予選に出ることになった。
全日本王者ながら世界ランキングがもっとも低い小塚崇彦につけが回った。
すまないという気持ちが大きい。
何よりも自分のリベンジを果たしたい。
織田信成は公式練習で繰り出したジャンプを軽く柔らかな着氷で次々と決め、好調ぶりが際立った。
これを見るかぎり、表彰台どころか金メダルへの期待も高まる。
実力者なのは確かだが、ここ一番にかかるプレッシャーに弱いのか、大舞台では演技が不安定である。
これまではファンの期待を裏切ってきた。
例えば、SPで首位に立っても、フリーでミスを犯しやすい。
平常心を保てない。
感情の起伏も激しい。
そそっかしいことも一因か。
有力選手としてジャンプの跳びすぎは恥ずかしい。
織田信成は日本人を勇気づけるためにも、いい演技を見せたいと必勝を誓う。
が、あまり入れ込まないことだ。
もともと得意のジャンプを決められるなら、結果はついてこよう。
織田信成はモスクワを初めて訪れ、街並に魅せられた。
世界で一番好きになりそうと語った。
それには世界フィギュアで表彰台に立つのがよい。
家庭を持ち、子どもを授かったことも彼のモチベーションになっているだろう。
ひょっとして・・・。
◆書き加え1(4月27日)
男子シングルはSPを終え、織田信成が2位、高橋大輔が3位、小塚崇彦が6位につけた。
日本勢3選手は最終組でフリーを滑る。
小塚崇彦もメダルに十分に手が届く。
勝負事は終わってみるまで何が起こるか分からないが、パトリック・チャンの優勝(金メダル)はおそらく動かない。
2位に大差をつけており、無難にまとめてくるだろう。
リスクを避け、ミスを犯さない作戦。
実際には4回転ジャンプも跳ぶし、予定どおりに演技を行う。
いまの彼にとり、それで何の問題もない。
ただ、慎重に滑る。
日本勢が表彰台の残り2つ(銀メダル・銅メダル)を勝ち取るとして、一人が弾かれる。
互いにライバルだ。
こうしたしびれる展開で、織田信成の真価が問われよう。
どうか家族を喜ばせてほしい。
選手は皆ベストを尽くしたはずだ。
が、帰国時に空港で、あるいは記者会見で、メダルを首にかけているかどうかの違いは残酷なほど大きい。
勝負の世界は厳しい・・・。
◆書き加え2(4月28日)
私は、カナダのパトリック・チャンがSPで圧巻の演技を見せ、しかも隙がなかったので、日本勢の逆転は可能性がゼロに近いと思っていた。
最終組の最初(19番目)に登場し、SPに続いてフリーも歴代最高得点をマークし、この時点で金メダルは決まった。
驚異の 280点超え!
パトリック・チャンはきのうと違い、表情も動きも硬さが感じられた。
しかし、貯金を背景に、余裕を持って滑った。
結局、2位と得点差を広げた。
2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)における韓国のキム・ヨナがそうだった。
ぶっちぎり!
SP2位の織田信成は20番目に登場した。
パトリック・チャンの直後で非常に滑りにくかっただろう。
とてもよかった。
が、また跳びすぎをやらかした。
この時点でメダルがするりと逃げた。
何ともったいない・・・。
これではファンが離れてしまう。
織田信成は情緒が不安定で、感情の起伏が激しい。
デリケートなフィギュアスケートでは相当なマイナス要因である。
例えば、滑走順を決める抽選での反応でさえそうだ。
一喜一憂しすぎる。
彼が上を目指すうえで最大の課題でなかろうか。
SP3位の高橋大輔は22番目に登場した。
が、冒頭の4回転ジャンプを踏み切ろうとして中断した。
スケートシューズのかかとのビスが抜け、エッジが外れた。
ベテランにして世界の舞台で信じられないアクシデントが起こった。
この時点でメダルは厳しくなった。
高橋大輔は途中からやり直し、最後まで滑り切った。
前年の世界王者、日本のエースとしてのプライドと意地、そして自分を応援してくれるファンへの責任感だ。
SP6位の小塚崇彦は23番目に登場した。
日本勢の2人がメダルから脱落した直後なので、想像を絶するプレッシャーがかかったのでないか。
小塚崇彦は冒頭の4回転ジャンプを決めて勢いに乗った。
ほぼノーミスで終えた。
彼にしては珍しく感情をあらわにして佐藤信夫コーチと抱き合った。
コーチも我を忘れていた。
佐藤信夫は根が熱血なのでは…。
小塚崇彦は日本全体の期待、さらに織田信成と高橋大輔の無念も背負って滑った。
演技に魂がこもっていた。
私は正直、諦めかけていた。
が、小塚崇彦は銀メダルをつかんだ。
そして、日本に唯一のメダルをもたらした。
よくやった!
全日本王者がフロック(まぐれ)でないことを証明した。
何より小塚崇彦はたくましさが備わってきた。
インタビューでは「来年は金メダル・・・」と、明確な目標を口にした。
これまでの彼に見られなかった積極性である。
日本のエースになれ。
Copyright (c)2011 by Sou Wada
←応援、よろしく!
織田信成は昨年のグランプリ(GP)ファイナルで2位の成績を収めた。
ちなみに、1位はカナダのパトリック・チャン、3位は小塚崇彦、4位は高橋大輔。
この結果は彼に自信をつけさせた。
いまや世界のトップクラスの選手である。
その織田信成は今年の世界フィギュアに並々ならぬ闘志を燃やしてきた。
実は昨年の大会、ショートプログラム(SP)でジャンプをことごとくしくじり、まさかの28位に沈んだ。
フリースケーティングに進めない惨敗…。
それにより日本男子の出場枠3人のうち1人が予選に出ることになった。
全日本王者ながら世界ランキングがもっとも低い小塚崇彦につけが回った。
すまないという気持ちが大きい。
何よりも自分のリベンジを果たしたい。
織田信成は公式練習で繰り出したジャンプを軽く柔らかな着氷で次々と決め、好調ぶりが際立った。
これを見るかぎり、表彰台どころか金メダルへの期待も高まる。
実力者なのは確かだが、ここ一番にかかるプレッシャーに弱いのか、大舞台では演技が不安定である。
これまではファンの期待を裏切ってきた。
例えば、SPで首位に立っても、フリーでミスを犯しやすい。
平常心を保てない。
感情の起伏も激しい。
そそっかしいことも一因か。
有力選手としてジャンプの跳びすぎは恥ずかしい。
織田信成は日本人を勇気づけるためにも、いい演技を見せたいと必勝を誓う。
が、あまり入れ込まないことだ。
もともと得意のジャンプを決められるなら、結果はついてこよう。
織田信成はモスクワを初めて訪れ、街並に魅せられた。
世界で一番好きになりそうと語った。
それには世界フィギュアで表彰台に立つのがよい。
家庭を持ち、子どもを授かったことも彼のモチベーションになっているだろう。
ひょっとして・・・。
◆書き加え1(4月27日)
男子シングルはSPを終え、織田信成が2位、高橋大輔が3位、小塚崇彦が6位につけた。
日本勢3選手は最終組でフリーを滑る。
小塚崇彦もメダルに十分に手が届く。
勝負事は終わってみるまで何が起こるか分からないが、パトリック・チャンの優勝(金メダル)はおそらく動かない。
2位に大差をつけており、無難にまとめてくるだろう。
リスクを避け、ミスを犯さない作戦。
実際には4回転ジャンプも跳ぶし、予定どおりに演技を行う。
いまの彼にとり、それで何の問題もない。
ただ、慎重に滑る。
日本勢が表彰台の残り2つ(銀メダル・銅メダル)を勝ち取るとして、一人が弾かれる。
互いにライバルだ。
こうしたしびれる展開で、織田信成の真価が問われよう。
どうか家族を喜ばせてほしい。
選手は皆ベストを尽くしたはずだ。
が、帰国時に空港で、あるいは記者会見で、メダルを首にかけているかどうかの違いは残酷なほど大きい。
勝負の世界は厳しい・・・。
◆書き加え2(4月28日)
私は、カナダのパトリック・チャンがSPで圧巻の演技を見せ、しかも隙がなかったので、日本勢の逆転は可能性がゼロに近いと思っていた。
最終組の最初(19番目)に登場し、SPに続いてフリーも歴代最高得点をマークし、この時点で金メダルは決まった。
驚異の 280点超え!
パトリック・チャンはきのうと違い、表情も動きも硬さが感じられた。
しかし、貯金を背景に、余裕を持って滑った。
結局、2位と得点差を広げた。
2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)における韓国のキム・ヨナがそうだった。
ぶっちぎり!
SP2位の織田信成は20番目に登場した。
パトリック・チャンの直後で非常に滑りにくかっただろう。
とてもよかった。
が、また跳びすぎをやらかした。
この時点でメダルがするりと逃げた。
何ともったいない・・・。
これではファンが離れてしまう。
織田信成は情緒が不安定で、感情の起伏が激しい。
デリケートなフィギュアスケートでは相当なマイナス要因である。
例えば、滑走順を決める抽選での反応でさえそうだ。
一喜一憂しすぎる。
彼が上を目指すうえで最大の課題でなかろうか。
SP3位の高橋大輔は22番目に登場した。
が、冒頭の4回転ジャンプを踏み切ろうとして中断した。
スケートシューズのかかとのビスが抜け、エッジが外れた。
ベテランにして世界の舞台で信じられないアクシデントが起こった。
この時点でメダルは厳しくなった。
高橋大輔は途中からやり直し、最後まで滑り切った。
前年の世界王者、日本のエースとしてのプライドと意地、そして自分を応援してくれるファンへの責任感だ。
SP6位の小塚崇彦は23番目に登場した。
日本勢の2人がメダルから脱落した直後なので、想像を絶するプレッシャーがかかったのでないか。
小塚崇彦は冒頭の4回転ジャンプを決めて勢いに乗った。
ほぼノーミスで終えた。
彼にしては珍しく感情をあらわにして佐藤信夫コーチと抱き合った。
コーチも我を忘れていた。
佐藤信夫は根が熱血なのでは…。
小塚崇彦は日本全体の期待、さらに織田信成と高橋大輔の無念も背負って滑った。
演技に魂がこもっていた。
私は正直、諦めかけていた。
が、小塚崇彦は銀メダルをつかんだ。
そして、日本に唯一のメダルをもたらした。
よくやった!
全日本王者がフロック(まぐれ)でないことを証明した。
何より小塚崇彦はたくましさが備わってきた。
インタビューでは「来年は金メダル・・・」と、明確な目標を口にした。
これまでの彼に見られなかった積極性である。
日本のエースになれ。
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