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行き着くところ、「企業は人なり」。
和田創研では、将来の経営幹部や営業幹部の育成をしばしば引き受ける。
勉強型の集合研修とまったく別もの。プロジェクト型の精鋭道場である。
講義中心でなく演習主体になる。
会社から選ばれた6名のメンバーは、経営トップから与えられたタスクを1年前後で成し遂げなければならない。
猛特訓なので、心身ともにタフな社員ばかり。
それでも泣きが入る。
なかには涙を流したり、髪が抜けたり、胃を痛めたりする者も…。
なぜ、こんな無茶をするのか?
理由はたった一つ。
企業の中枢を担える人材がいないからだ。
これまで育成を怠ったことが最大の問題なのだが、とはいえそれが多くの企業の現実である。
のんびりやっていたら、とても間に合わない。
まあ、会社も個人も同じで、私たちは追い込まれないとなかなか本気になれない。
さて、中堅企業の社長が10〜20年後の幹部を手当てしておこうと考えた。
前提として、自社に対する深い愛情と強い危機感がある。
その思いは、創業社長、オーナー社長に引けを取らない。
社長は、将来の道筋をしっかりつけたうえで退きたいのだ。
己の任務の全う。
…そうした意向を受け、私はいま若い精鋭の指導に当たっている。
ここは内需縮小下にあって、貪欲に成長を追い求めている。
力強く勝ち残っていくには、収益性の高さに加え、企業規模の拡大も大事。
そのため、拠点展開を加速させようとしているが、拠点長が必要になる。
収支責任を負う拠点経営者にほかならない。場合により、営業推進者も兼ねる。
ところが、人材が豊富な中小企業はまずない。外部から採用することもままならない。
となると、内部から育成するほかにない。
拠点長の経験者のなかから役員も生まれよう。
プロジェクトのメンバーは、長期戦略の策定と「社是・社訓・行動指針」の作成に取り組んでいる。
社長は、自社の未来像を描く作業を10〜20年後の幹部に託したのだ。妥当な経営判断といえる。
決して無理難題を吹っかけたわけでない。
どのような会社にしたいかを明らかにすればよい。
にもかかわらず、遅々として進まない。
このプロジェクトを通じ、メンバーに気づいてほしいことは何か?
それは経営幹部が持つべき覚悟と職責の重さである。
何より社員とその家族の生活がかかっている。
それを左右してしまうのだから…。
一般に、取締役にふさわしい人材はきわめて少ない。
私がコンサルタントとして見るところ、不平や不満が渦巻いている職場は珍しくない。
社員どころか管理職でさえ経営層の陰口を叩く。
批判を行うだけで、代案を示さない。
それもそのはず、建設的な意見がないからだ。
経営幹部は前向きかつ具体的に述べよ。
しかも論理的に…。
このプロジェクトの狙いである。
「進んで働きたい職場になるよう、考えをまとめてみよ」。
そう命じられたら、自分の今後に関わることなので喜々として取り組んでよさそうだが、選ばれたメンバーにしてパニックに陥る。
なぜか?
第1に、希望や目標と呼べるものを持ったことがない。
第2に、そうしたテーマに頭を巡らせたことがない。
仮に考えをまとめたとしても、断片的・部分的な思いつきにすぎず、体系的・構造的な意見とならない。
依存と甘えの成れの果ては、他力と他責の企業体質、組織風土である。
遅いか早いかの違いはあれ、会社はつぶれるか飲み込まれる。
のたうつメンバーはだれか、何人か?
自分の仕事振りに感動した経験を味わわず、企業の中枢を担うことはできない。
社員とその家族の生活を守ることもできない。
長きにわたりよい会社とするために、渾身の知恵を絞ってほしい。
考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて…。
そう、考え抜くこと。
年明け、全役員と全社員を招集し、ビジョンを発表する。
メンバーは、はたして自らの努力と成果に大きな誇りと喜びを感じられるだろうか。
Copyright ©2008 by Sou Wada
行き着くところ、「企業は人なり」。
和田創研では、将来の経営幹部や営業幹部の育成をしばしば引き受ける。
勉強型の集合研修とまったく別もの。プロジェクト型の精鋭道場である。
講義中心でなく演習主体になる。
会社から選ばれた6名のメンバーは、経営トップから与えられたタスクを1年前後で成し遂げなければならない。
猛特訓なので、心身ともにタフな社員ばかり。
それでも泣きが入る。
なかには涙を流したり、髪が抜けたり、胃を痛めたりする者も…。
なぜ、こんな無茶をするのか?
理由はたった一つ。
企業の中枢を担える人材がいないからだ。
これまで育成を怠ったことが最大の問題なのだが、とはいえそれが多くの企業の現実である。
のんびりやっていたら、とても間に合わない。
まあ、会社も個人も同じで、私たちは追い込まれないとなかなか本気になれない。
さて、中堅企業の社長が10〜20年後の幹部を手当てしておこうと考えた。
前提として、自社に対する深い愛情と強い危機感がある。
その思いは、創業社長、オーナー社長に引けを取らない。
社長は、将来の道筋をしっかりつけたうえで退きたいのだ。
己の任務の全う。
…そうした意向を受け、私はいま若い精鋭の指導に当たっている。
ここは内需縮小下にあって、貪欲に成長を追い求めている。
力強く勝ち残っていくには、収益性の高さに加え、企業規模の拡大も大事。
そのため、拠点展開を加速させようとしているが、拠点長が必要になる。
収支責任を負う拠点経営者にほかならない。場合により、営業推進者も兼ねる。
ところが、人材が豊富な中小企業はまずない。外部から採用することもままならない。
となると、内部から育成するほかにない。
拠点長の経験者のなかから役員も生まれよう。
プロジェクトのメンバーは、長期戦略の策定と「社是・社訓・行動指針」の作成に取り組んでいる。
社長は、自社の未来像を描く作業を10〜20年後の幹部に託したのだ。妥当な経営判断といえる。
決して無理難題を吹っかけたわけでない。
どのような会社にしたいかを明らかにすればよい。
にもかかわらず、遅々として進まない。
このプロジェクトを通じ、メンバーに気づいてほしいことは何か?
それは経営幹部が持つべき覚悟と職責の重さである。
何より社員とその家族の生活がかかっている。
それを左右してしまうのだから…。
一般に、取締役にふさわしい人材はきわめて少ない。
私がコンサルタントとして見るところ、不平や不満が渦巻いている職場は珍しくない。
社員どころか管理職でさえ経営層の陰口を叩く。
批判を行うだけで、代案を示さない。
それもそのはず、建設的な意見がないからだ。
経営幹部は前向きかつ具体的に述べよ。
しかも論理的に…。
このプロジェクトの狙いである。
「進んで働きたい職場になるよう、考えをまとめてみよ」。
そう命じられたら、自分の今後に関わることなので喜々として取り組んでよさそうだが、選ばれたメンバーにしてパニックに陥る。
なぜか?
第1に、希望や目標と呼べるものを持ったことがない。
第2に、そうしたテーマに頭を巡らせたことがない。
仮に考えをまとめたとしても、断片的・部分的な思いつきにすぎず、体系的・構造的な意見とならない。
依存と甘えの成れの果ては、他力と他責の企業体質、組織風土である。
遅いか早いかの違いはあれ、会社はつぶれるか飲み込まれる。
のたうつメンバーはだれか、何人か?
自分の仕事振りに感動した経験を味わわず、企業の中枢を担うことはできない。
社員とその家族の生活を守ることもできない。
長きにわたりよい会社とするために、渾身の知恵を絞ってほしい。
考えて、考えて、考えて、考えて、考えて、考えて…。
そう、考え抜くこと。
年明け、全役員と全社員を招集し、ビジョンを発表する。
メンバーは、はたして自らの努力と成果に大きな誇りと喜びを感じられるだろうか。
Copyright ©2008 by Sou Wada