コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

ポール・ポッツ

素人とプロの決定的な違いとは?

好き嫌いはバカでも言える。
好きなら好きと言い、嫌いなら嫌いと言うだけ。

「私は好きだなぁ」。
「私は嫌いだなぁ」。

すれ違ってお仕舞い。
対象に則し、両者が交じり合うことはなく、したがって高め合うこともない。

すなわち、好き嫌いは主観や感覚に任せて“言う”ものであり、“語る”ものでない。

例えば、仲間と音楽を語ったというとき、たいていは好き嫌いを述べたにすぎない。
映画でもアートでもスポーツでも…。

語るというからには、客観や論理に基づいた「評価」をともなうことが条件である。
したがって、対象のなかに評価する部分と評価しない部分が出てくる。
どちらかに決め込む必要はさらさらない。

例を挙げよう。
私は音楽に関してはまったくの素人だ。
したがって、的確な評価はムリ。
このブログで以前、「ポール・ポッツ」を取りあげたことがある。
だが、言っただけでない。
いくらか語ったつもりだ。
むろん、私に可能な範囲で精一杯。

⇒2009年11月7日「待望ポール・ポッツ2010年来日公演」はこちら。

好き嫌いはバカでも言える。
何事に対しても、しなやかな頭と心で接し、学んでいきたい。

                       ◇

かの大山康晴は、「将棋の駒に好き嫌いなどあってはならない」と断じた。
経営と人生において豊かさと幸せをつかむ極意だ。

⇒2009年9月14日「大山康晴の言葉と生き様」はこちら。

素人は好き嫌いを言い、プロは評価を語る。
両者の決定的な違いだろう。
これは資質と気質が絡むため、克服は容易でない。

                      ◇◆◇

一連のブログは以下のとおり。

⇒2010年4月26日「学びとは違和感、成長とは不快」はこちら。

きょうのブログは、2008年2月18日「好き嫌いはバカでも言える」に若干の改訂を施したものである。

⇒2008年2月18日「好き嫌いはバカでも言える」はこちら。

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ポール・ポッツに思う1

イギリスに「ブリテンズ・ゴット・タレント」という公開オーディション番組がある。
⇒公式サイト、itv「Britain's Got Talent」はこちら。
歌やパフォーマンスなどジャンルを問わず、埋もれた才能の発掘を目指す。
その模様はユーチューブの動画でも配信され、大勢の人々の目に触れる。
近年は世界中のマスメディアがこぞって取りあげるようになり、膨大なアクセスを得るものも…。

毎年決勝が行われ、2007年に優勝したのがご存知「ポール・ポッツ」である。
冴えない風貌でステージに登場したケータイショップの店員は場違いで、自信がなさそう。
私には半ベソのように映る。
ところが、「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」の曲が流れた途端、姿勢と表情が一変する。
予選(ファースト・オーディション)会場の「ミレニアム・ホール」を埋め尽くす2千人を熱狂させた。
そして、準決勝(セミファイナル)、決勝(ファイナル)へ進み、栄冠に輝く。

そのプロセスはとてもドラマチックだった。
ポール・ポッツは、審査員長格でありプロデューサーのサイモン・コーウェルに後押しされ、プロ歌手へ転身した。
同年、アルバム『ワン・チャンス』でデビュー。
世界で3百万枚を超えるセールスを記録した。
文字どおり、一夜で運命が変わった。
私は音楽に関してはまったくの素人だが、思うところがあったので述べたい。

さて、私は画質も音質も劣悪なユーチューブの動画に心を揺さ振られ、体が熱くなった。
「素晴らしい!」の一言。
大勢がポール・ポッツの歌に涙を流している。
予選(ファースト・オーディション)の動画はこちら。



妻思いのポール・ポッツは、これでダメなら歌を諦めるとの覚悟でオーディションに臨んだようだ。
自らの夢にきっぱりと引導を渡すつもりだったのか。
予選の「誰も寝てはならぬ」には、歌うことへの強い情熱と深い祈りがこもっている。
圧倒的な感動は、最初にして最後となるチャンスにかけた気迫が招いたのでないか。

人生の夕暮れに佇む私が言うのは気恥ずかしいが、ポール・ポッツの歌に触れておおいに勇気づけられた。
「人生の苦労にムダなことなど一つもない」。

動画に寄せられたコメントの大半は好意的であり、ポール・ポッツを誉め称えている。
だが、辛口なものもある。
悪意に満ちたコメントは論外としても…。
予選でポール・ポッツが審査員に「オペラを歌う」と答えたせいか、ルチアーノ・パバロッティなどが引き合いに出されている。

ルチアーノ・パバロッティは幼少期からオペラに親しんで育ち、声楽の教育を受けて若くしてデビュー、テノール歌手の頂点に登り詰めたプロフェッショナルである。
かたやポール・ポッツは地方都市の聖歌隊やオペラ劇団などで歌っていたアマチュアにすぎない。
受けたとしてもボイス・トレーニングが中心である。
両者は生い立ちが違う。

私は、ポール・ポッツを彼と比べることに、ましてこき下ろすことに何の意味があるのかと思う。
実際、私はオペラ歌手では経験したことのない、大きな感銘を受けた。
それ以前に、オペラの歌唱が人の声をわざわざ楽器の演奏に近づけているように感じ、興味が湧かなかった。

ポール・ポッツは、予選で観衆を総立ちにさせ、暮らし向きが変わりはじめたようだ。
周囲から支援の手が差し延べられた?
決勝までの間にレッスンを積むことができたせいか、歌がうまくなった。
また、歯がいくらか整い、身だしなみが格段によくなった。
しかし、デビュー後も含めて予選の歌を超えられないのでないか。
大勢が流した涙は、歌のうまさに対してでない。
ゆえに、ポール・ポッツが初心を忘れたとき、その歌は魅力を失うはずだ。
私は、彼の人生を貫く「愚直さ」が心を打ったのだと考えている。



とはいえ、いったんプロとして歩み出した以上、容赦ない評価にさらされる。
初めは半生と重ね合わせて聴いてくれた人々も、やがては歌そのものを味わいたいというふうに変わる。
あれから2年を経て動画に寄せられるコメントはどんどん厳しさを増している。

続きは、「ポール・ポッツに思う2」へ。

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和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

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