私は以前、インターネット上の調査記事を見て驚いた。
記憶が曖昧だが、若者の2割がミュージシャンを目指すと答えた。
私が若かった頃、周囲はサラリーマンになりたいと答えた。
感覚としては、おそらくそれとあまり変わらない。

しかし、歌手はサラリーマンほど必要でない。
デビューを果たすのは絶望的である。

さらに、音楽関係の仕事を含めると4割を超えていた。
大雑把にいえば、若者の2人に1人がこの業界に憧れている。
ここまで駆り立てるものは何なのか。

遊びの要素がきわめて強いアンケートであり、どこまで正確か分からない。
それにしても衝撃的な結果だ。

いまどきの若者は、いかに食べるかでなく、いかに生きるかに関心が向かう。
豊かさの裏返しだろう。

還暦前年の私は、時代の変遷を痛感させられる。
自分なりに遣り甲斐を追い求めてきたつもりだった。
実際は、口に入れるものをかけ、がむしゃらに働いてきたことになる。

私自身は、画家、陶芸家、書道家などの芸術関係に憧れていた。
同時に、鼻から諦めていた、食べられるはずがないと…。
したがって、当時そうした希望を両親や友人を含めて周囲に語ったことはない。

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