コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

ラファエル・アルトゥニアンコーチ

本田真凜、地上波で放送されない屈辱の順位

気分屋で陶酔型からの脱却
自分の「甘さ」を捨てられるか

環境を変えても結果がともなわない

フィギュアスケート女子シングルの本田真凜。
昨年4月から米国へ練習拠点を移し、世界のトップスケーターを育てているラファエル・アルトゥニアンコーチに師事しています。
米国のネイサン・チェンが教わり、かつては浅田真央も教わっています。

本田真凜はジャンプを中心とした見直しに取り組み、スケートの練習に加えてフィジカルの鍛錬に明け暮れています。
両者の比重は半々とか。
筋肉量が増したことでスケートがかみ合わなかったようですが、徐々に感覚が慣れてきました。

思い切って環境を変えたのは北京五輪出場を見据えての決断でした。
しかし、結果がまったくともないません。
GPシリーズは「スケートアメリカ」で8位、「フランス杯」で6位と精彩を欠きました。
救いはスケーティングにいくらかスピードと力強さが増した印象を受けたことくらいです。

リベンジの全日本選手権でミス続出

本田真凜は2016年世界ジュニア選手権で1位になり、2017年世界ジュニア選手権でもロシアのアリーナ・ザギトワに次いで2位になっています。
大舞台で素晴らしい実績を残し、大きな期待を背負ってオリンピックシーズンにシニアデビューを果たしました。
根が「目立ちがり屋」ですのでメディアの注目を浴びることも苦痛を感じなかったはずですし、自分がもっともわくわくしていました。

しかし、五輪代表選考レースの最後尾を走る展開になり、起死回生を目論んだ全日本選手権で7位に終わり、2018年平昌五輪代表切符を逃しました。
本人はオリンピック出場を前提にした発言を繰り返していましたので、落胆はひどかった。

全日本フィギュアスケート選手権2018はそのリベンジの一戦でした。
「家族にも久しぶりに会えた。全日本選手権は一番楽しみでもある。いい感じで調整ができた」と手応えを口にしていました。

ショートプログラム(SP)が行われました。
冒頭のフリップ―トウループのコンビネーションはフリップで尻餅をつきました。
次のダブルアクセルは着氷が乱れました。
最後のジャンプはかろうじてコンビネーションにしました。
本田真凜は 52.75点という信じられない得点で18位と出遅れました。
地上波の放送時間帯(ゴールデンタイム)に滑ることもできない屈辱の順位です。

以前は得意と語っていたフリースケーティング(FS)が行われました。
ジャンプの転倒や回転不足などのミスが続出しました。
本田真凜は111.48点で15位、合計164.23点で15位に沈みました。

本田真凜の2年近い足踏みが不思議

私は記憶があいまいですが、シニアに上がる2年ほど前に本田真凜の演技を見ました。
そのときに「ポスト浅田真央」の本命がついに現れたと感じました。
ルックスは愛らしくスタイルは抜群です。
スケーティングも美しく、なかでも表現力が突出していました。
「華」があり、視線を釘づけにする存在感を漂わせていました。
大勢のフィギュアスケートファンが魅了されたのも当然でした。

表現を中心とした才能は天性のものです。
体つきからしても高難度ジャンプに不利と思えません。
ステップだってスピンだって大丈夫でしょう。
本田真凜が2年近く足踏みしていることがきわめて不思議です。

いまだに2016年世界ジュニア女王と称されるのは、シニアになってから主要大会で実績を残していないからです。

消えるか輝きを取り戻せるかは不明

本田真凜はジャンプが崩壊しました。
滅茶苦茶です。
採点競技のフィギュアスケートで最大の得点源となる高難度ジャンプを成功させられなくては得点など伸ばせません。
惨敗に次ぐ惨敗から脱出したいと願っても、ジャンプを立て直すには重大な覚悟と相当な時間が必要になるでしょう。

ジュニアでは才能とセンスで勝てたかもしれませんが、シニアでは強烈な向上心を持ち、追い込んだ練習を積めなければトップクラスで戦えません。
濱田美栄コーチが吐き捨てた「すごく甘い」「感覚で跳ぶだけで、頭を使って失敗に備えたジャンプ練習に取り組んでいない」というコメントに尽きるようです。

⇒2018年11月23日「天才肌の芸術家・本田真凜はこのまま消える」はこちら。

このまま消えていくのか、輝きを取り戻せるのか。
来シーズンまで様子を見ないと分かりませんが、正念場を迎えていることは確かです。
それでも結果を出せないようなら、この選手は終わりです。

どのような人間関係でもそうですが、コーチと選手には相性もあります。
が、本田真凜が濱田美栄コーチのもとを去ったのは「環境を変えるためだったのか」、それとも「厳しさを嫌って逃げたのか」ということがはっきりすると思います。

自らに染み着いた「甘さ」を捨てるのは容易でありません。
気分屋で陶酔型の自己を変えられるかどうかにかかっています。
練習に臨む「意識」がまるでなっていないのでしょう。
せっかくの才能が泣いています。

(1月13日執筆)

category:本田真凜ブログはこちら。

◇◆◇

本田真凜に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年11月25日「本田真凜が取り戻した笑顔と輝きはほんものか」はこちら。

⇒2018年11月23日「天才肌の芸術家・本田真凜はこのまま消える」はこちら。

⇒2018年10月22日「本田真凜の得点次第でスケートアメリカ表彰台独占へ」はこちら。

⇒2018年10月21日「本田真凜とアルトゥニアンのスケートアメリカに注目」はこちら。

⇒2018年4月29日「本田真凜、アルトゥニアンコーチとジャンプ強化」はこちら。

Copyright (c)2019 by Sou Wada

本田真凜とアルトゥニアンのスケートアメリカに注目

本田真凜とラファエル・アルトゥニアンコーチ
注目はジャンプの出来と自己ベストの得点

私はウェブで本田真凜に関する情報に触れました。
久しぶりです。

本田真凜は濱田美栄コーチのもとを去り、今春から練習拠点をロサンゼルスに移しました。
そして米国のネイサン・チェンなどを擁するラファエル・アルトゥニアンコーチに師事しています。
同コーチは世界選手権で5度の優勝を誇るミシェル・クワンも育てています。
軽井沢での強化合宿の際に、新生活について「言葉と食事のほかはすべてよかった」と語っていました。

私は本田真凜が「練習嫌い」という噂を聞いたことがあります。
しかし、たとえライバルが欠場したとはいえ、実力なしに世界ジュニア選手権で金メダルを獲れるはずがありません。
トップスケーターと比べ、いくらかは必死さに欠けているくらいだと思っていました。
その後、生まれ持った才能と感性であそこまで滑れたのだということが分かりました。
(むろん練習を積んでいることは知っています。)

本田真凜は、スケート中心の生活に変わり、朝から夕方まで氷上練習や陸上トレーニング、ダンスなどに費やしています。
しっかりと目標を持てるようになり、練習のありようが違ってきました。
オン・オフの切り替えをしやすいのも性分に合っているのでしょう。

今シーズンはショートプログラム(SP)が「セブン・ネーション・アーミー」、フリースケーティング(FS)が「ラバーズ」です。



フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ初戦「スケートアメリカ」が19日(日本時間20日)にワシントン州エバレットで行われます。
そこに、本田真凜が登場します。

「SPもフリーも自己ベストを目指す」と語った本田真凜は公式練習の3回転ジャンプで転倒する場面がありました。
ラファエル・アルトゥニアンコーチの教えでジャンプの跳び方や前後のステップを変えました。
オリンピックシーズンと重なったシニアデビューシーズンは大きな壁にぶつかり、伸び悩みました。

公式練習では2連覇を目指す宮原知子や坂本花織も滑りました。
とりわけ平昌五輪日本代表の2選手には負けたくないでしょう。
私は新生・本田真凜を見られることを楽しみにしています。

SPは20日(同21日)、FSは21日(同22日)になります。

category:本田真凜ブログはこちら。

◆書き加え(10月21日)

SPの出来は素晴らしかったと思います。
私は素人なので、どうも回転不足の判定が腑に落ちません。
得点は伸び悩みましたが、気落ちせずにFSで巻き返してください。
華があり、演技の艶(つや)に魅せられます。

◇◆◇

本田真凜に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年4月29日「本田真凜、アルトゥニアンコーチとジャンプ強化」はこちら。

⇒2017年12月21日「本田真凜は一発逆転、金の鳥と平昌五輪代表へ」はこちら。

⇒2017年12月15日「残り1枠に本田真凜の奇跡、NHKアスリートの魂」はこちら。

⇒2017年11月11日「本田真凜の得点が低すぎるフィギュア採点」はこちら。

⇒2017年11月7日「本田真凜、五輪代表選考レースから脱落か」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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