私は品川の都市ホテルにしばしば宿泊している。
先だって、駅前の信号付近で派手なハッピをまとった若い男が大声で呼び込みをやっていた。
日本語でない。
なるほど、高輪口には大規模なホテルが林立し、中国人が団体で押し寄せている。
彼らの購買力を期待してのことだ。
貧しい日本人は関心外らしい。

内需は中国人観光客頼み。
日本政府は、富裕層に限定していた個人向け観光ビザの発給条件の緩和措置を中間層に拡大した。
これまでの役員クラスに、課長クラス以上が加わる。
条件はゴールドカードを持つこと。
これに家族を含める。
それにより約10倍の1600万世帯が対象となる。

家電など国内販売は彼らを見込まざるをえない。
実は、これまで中国人観光客はアメリカ人観光客の5倍の金額を落としてくれた(一人当たり)。
最高のお得意様なのだ。
ただし、中間層がどれくらい使ってくれるかは未知数だ。
また、不法滞在ほか、治安悪化の問題も懸念されている。

中国では所得・生活水準が上がり、海外旅行がブームになっている。
ビザ緩和で家電量販店はもとより、ホテルなどの宿泊施設では中国人観光客が劇的に増えそうだ。
私はこれまでもマナーの悪さに呆れており、これからどうなるのか気がかり…。
大国・中国はこうした部分の教育が追いついていない。

経営再建は中国企業頼み。
私が暮らす横浜・港北ニュータウン、横浜市営地下鉄センター南駅に「ラオックス」という家電量販店があった。
数年前に撤退。
その後、中国企業に買収された。

今度はアパレルの名門「レナウン」が買収された。
かつては欧米の有名ブランドを手に入れていたのに…。

いずれも中国資本のもとで復活を目論む。

                       ◇

人民元が上昇すると、中国頼みの状況は一段と加速する。
日本は、堺屋太一がかなり前に予想したとおり「アジアの片田舎」に落ちぶれる。

ただし、飛ぶ鳥を撃ち落とす勢いの中国経済にも懸念材料がある。
上海万博(2010年上海国際博覧会)終了後も力強い上昇軌道を保てるのか。
中国政府はすでに不動産市場の引き締めのため融資規制などに踏み切っているが…。

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