テレビ東京の「ソロモン流」がとても興味深かった。
ジャンルを問わず、各界で個性的な輝きを放つ“旬の人物”の仕事や生活を密着取材したドキュメンタリー番組。
そして、こだわりの人生哲学やライフスタイルを、お気に入りのスポットや行き付けのショップも絡めて紹介する。
番組では、旬の人物を「賢人」と呼ぶ。
私は例により仕事をしながら視聴。
おもに音声…。
さて、昨夜のゲストは四川料理人・陳建一(ちん・けんいち)。
フジテレビの「料理の鉄人」に中華の鉄人として出演した。
日本に四川料理を広め、「中華の神様」と崇められた陳建民(ちん・けんみん)。
その息子が陳建一である。
偉大な父の重圧と戦いながら料理の修業を積んだ。
いまや父を超えたとの声も聞こえる。
だが、そこに至る道のりは決して平坦でなかった。
陳建一はさんざん悩んだ末、「父を追い抜くことより、自分の料理のファンを増やすことのほうを大切にしよう」という開き直りに近い気づきを得て、ようやく料理を楽しめるようになった。
カメラは、陳建一と同様に、自らの意思で料理人の世界に飛び込んだ息子とそれを見守る賢人の様子を追う。
自分の父がそうだったように、陳建一は息子に何も教えようとしない。
それが最高の「後継教育」と考えているのか。
賢人は社長として息子が修業を積む店を訪れ、息子にチンジャオロースを注文した。
シンプルな料理だけに、ごまかしが利かない。
賢人はテーブルに出された皿を見た途端、表情を曇らせた。
やがて厨房に入り、皆の前で料理をつくりはじめた。
そして、自分の皿と息子の皿を並べて見せたのだった。
画面を通じても、はっきりとした違いが伝わってきた…。
陳建一は、後継者の気持ちをいやというほど分かっているだけに、厳しさのなかにも優しさがある。
思い遣る心を忘れない。
父が四川飯店グループを率いる以上、息子は料理だけでなく経営も身につけなくてならない。
大変な苦労だ。
余談ながら、「ソロモン流」の案内人、船越英一郎も偉大な俳優・船越英二のいわば後継者。
人知れぬ苦悩と苦労があったようだ。
賢人は、案内人がよく訪れる「赤坂四川飯店」で穏やかに語った。
「料理に完璧はないから、努力できる」。
「その努力を自分なりに楽しまなくては…」。
なお、私は陳建一について語ったことがある。
3分14秒の講話映像、ユーチューブの動画。
⇒和田創講演TV賢人編「陳建一」はこちら。
多くの人にとり、父は行く手にそびえる壁だろう。
Copyright (c)2009 by Sou Wada
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ジャンルを問わず、各界で個性的な輝きを放つ“旬の人物”の仕事や生活を密着取材したドキュメンタリー番組。

番組では、旬の人物を「賢人」と呼ぶ。
私は例により仕事をしながら視聴。
おもに音声…。

フジテレビの「料理の鉄人」に中華の鉄人として出演した。
日本に四川料理を広め、「中華の神様」と崇められた陳建民(ちん・けんみん)。
その息子が陳建一である。
偉大な父の重圧と戦いながら料理の修業を積んだ。
いまや父を超えたとの声も聞こえる。
だが、そこに至る道のりは決して平坦でなかった。

カメラは、陳建一と同様に、自らの意思で料理人の世界に飛び込んだ息子とそれを見守る賢人の様子を追う。
自分の父がそうだったように、陳建一は息子に何も教えようとしない。
それが最高の「後継教育」と考えているのか。
賢人は社長として息子が修業を積む店を訪れ、息子にチンジャオロースを注文した。
シンプルな料理だけに、ごまかしが利かない。

やがて厨房に入り、皆の前で料理をつくりはじめた。
そして、自分の皿と息子の皿を並べて見せたのだった。
画面を通じても、はっきりとした違いが伝わってきた…。
陳建一は、後継者の気持ちをいやというほど分かっているだけに、厳しさのなかにも優しさがある。
思い遣る心を忘れない。

大変な苦労だ。
余談ながら、「ソロモン流」の案内人、船越英一郎も偉大な俳優・船越英二のいわば後継者。
人知れぬ苦悩と苦労があったようだ。
賢人は、案内人がよく訪れる「赤坂四川飯店」で穏やかに語った。
「料理に完璧はないから、努力できる」。
「その努力を自分なりに楽しまなくては…」。

3分14秒の講話映像、ユーチューブの動画。
⇒和田創講演TV賢人編「陳建一」はこちら。
多くの人にとり、父は行く手にそびえる壁だろう。
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