製造業で在庫圧縮が進み、ほこりをかぶっていた生産ラインが動きはじめた。
とはいえ、国内外で販売低迷が続いており、景気はそれほど上向きそうもない。
企業活動に薄日が差してきたところだが、雇用は深刻な状態を抜け出していない。
「有効求人倍率」が依然として低水準のまま。
むろん、しばらく遅れて上がってこよう。
しかし、私はこれに関しては楽観的になれない。
確かに、一連の雇用不安は、昨秋以降の経済災害により引き起こされた。
では、それが終息したとき、労働市場は活況を取り戻すかというと疑問がある。
特殊事情を抱える自動車産業などでは、一時的にそうなる可能性がないわけでないが…。
日本の産業用ロボットは出来のよさもさることながら、きわめて広範囲な用途に開発が進んでいる。
目的別に特化した精度が高まり、軍事用に搭載・利用が検討されるほど。
製造業などでは合理化による生き残りをかけ、徹底した導入がなされる。
いまや大きな労働市場に育った介護の分野でも近い将来、民生用に活用が普及する。
ロボットはさまざまな職場で人間に取って代わる。
単純なものに留まらず、作業系の労働は確実に減る。
また、企業は国内市場の縮小や雇用条件の厳格化に見切りをつけ、海外への生産移転に加え、その他の業務移転も加速させる。
ホワイト、メタルといった襟の色を問わず、作業系の労働は確実に減る。
さらに、政府は国策として21世紀の産業育成を誘導し、それによる大規模な雇用創出を目指すべきところを、ビジョンも戦略も持たずにカネをばら撒く。
麻生内閣が便乗した「景気対策」とは、これ。
今回の大不況の恩恵をえげつなく“延命”に用いた。
いずれにしろ、景気対策は中長期の投資でなく、当面の支出にすぎない。
しかも、中身は借金。
作業系の労働はいくらか上積みが図られるにしろ、仕事系の労働はたいして増加が見込まれない。
こうした背景や事情から“人余り”が激しくなり、近い将来の不況期ではときに10パーセント近い失業率が現実になるかもしれない。
日本は「高失業率社会」に突入したのでないか?
◇
なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。
******************
講演TV(人生編)
高失業率社会に突入
******************
これは、2009年4月23日(木)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。
Copyright (c)2009 by Sou Wada
←応援、よろしく!
とはいえ、国内外で販売低迷が続いており、景気はそれほど上向きそうもない。
企業活動に薄日が差してきたところだが、雇用は深刻な状態を抜け出していない。
「有効求人倍率」が依然として低水準のまま。
むろん、しばらく遅れて上がってこよう。
しかし、私はこれに関しては楽観的になれない。
確かに、一連の雇用不安は、昨秋以降の経済災害により引き起こされた。
では、それが終息したとき、労働市場は活況を取り戻すかというと疑問がある。
特殊事情を抱える自動車産業などでは、一時的にそうなる可能性がないわけでないが…。
日本の産業用ロボットは出来のよさもさることながら、きわめて広範囲な用途に開発が進んでいる。
目的別に特化した精度が高まり、軍事用に搭載・利用が検討されるほど。
製造業などでは合理化による生き残りをかけ、徹底した導入がなされる。
いまや大きな労働市場に育った介護の分野でも近い将来、民生用に活用が普及する。
ロボットはさまざまな職場で人間に取って代わる。
単純なものに留まらず、作業系の労働は確実に減る。
また、企業は国内市場の縮小や雇用条件の厳格化に見切りをつけ、海外への生産移転に加え、その他の業務移転も加速させる。
ホワイト、メタルといった襟の色を問わず、作業系の労働は確実に減る。
さらに、政府は国策として21世紀の産業育成を誘導し、それによる大規模な雇用創出を目指すべきところを、ビジョンも戦略も持たずにカネをばら撒く。
麻生内閣が便乗した「景気対策」とは、これ。
今回の大不況の恩恵をえげつなく“延命”に用いた。
いずれにしろ、景気対策は中長期の投資でなく、当面の支出にすぎない。
しかも、中身は借金。
作業系の労働はいくらか上積みが図られるにしろ、仕事系の労働はたいして増加が見込まれない。
こうした背景や事情から“人余り”が激しくなり、近い将来の不況期ではときに10パーセント近い失業率が現実になるかもしれない。
日本は「高失業率社会」に突入したのでないか?
◇
なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。
******************
講演TV(人生編)
高失業率社会に突入
******************
これは、2009年4月23日(木)の「和田創ブログ」に若干のアレンジを加えたものである。
Copyright (c)2009 by Sou Wada
←応援、よろしく!