9月26日のブログで、国内の旅行価格が崩壊し、観光地の旅館やホテルは“火の車”になっていると述べた。

⇒2011年9月26日「千里の道も一歩のまま…千里の道も一歩から、がむなしい」はこちら。

私たちは今日、格安・激安で旅行や観光、レジャーを楽しめる。
しかも、いつでもどこでも存分に…。
人気の観光地の人気の旅館やホテルでさえ、バブル崩壊後の宿泊費のさらに「半値」に近い印象である。
恐ろしいほど下落した。

市場環境が激変し、プチ富裕層が「別荘」はもちろん「リゾート会員権」を持つことにほとんど意味がなくなった。
別荘の建築にしろ、リゾート会員権の購入にしろ、現金(キャッシュ)が余っていないかぎり踏み切るべきでない。
ローンを組むなど論外である。

以下に、「リゾート会員権を買う」と題する2008年5月27日のブログをほぼそのまま収める。
世界的な金融バブルで日本人もいくらか浮かれていた時期であろう。

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新聞などに「リゾート会員権」の広告がよく載っている。
それも1ページ、ときに見開き。
リゾート会員権を買う人がかなりいるからだ。
私はそれが不思議でならない。

バブル崩壊の恩恵で、旅館やホテルの宿泊費がずいぶん手頃になった。
昔の半値という印象。
正月やGW、盆休みには2〜3倍に跳ね上がるのが当たり前だったが、いまはそうでもない。
「年中同一料金」さえ現れる。
さらに、トップシーズンの予約も取りやすくなった。
東京から近い箱根や伊豆では1万円台でそれなりに楽しめる。
家族で利用し、ひどく後悔するようなところは、とっくにつぶれている。

さて、こうした市場の変化を踏まえると、リゾート会員権は非常に“割高”に感じる。
年間の宿泊日数が約束されるといっても、それを消化する人がどれほどいるか。
行き先が変わらなければ、すぐに飽きる。
大半のリゾート会員権事業者は複数の施設を展開していて、そこでも使えると謳っている。
だが、一巡すれば、やはり飽きる。
トップシーズンの予約も覚束ない。

私がもっとも理解しがたいのは、特定施設の利用期間をシェアするタイプである。
毎年同じ時期に同じ場所へ出かけなくてはならない。
自宅は動かせないから、せめて旅行くらいはと考えないのだろうか。
四季折々の自然を味わえる、美しい国なのに…。
しかも名目はともかく、まとまった一時金のほか、宿泊するたびに食事代などを支払うハメになる。

私には、わざわざ拘束されるためにリゾート会員権を買っているとしか思えない。
行きたい時期に行きたい場所へ行き、泊まりたい旅館やホテルに泊まり、食べたい料理を食べるほうが、圧倒的に自由で快適である。
平日はさみしいほど空いていて、申し訳ないほど安い。
リタイアまで待たなくても、有給休暇を使えばよい。

概して、リゾート会員権を欲しがる人は「ステータス」の響きに、冷静な判断を失っている。
事業者は会員限定と強調するが、それに値する上質で特別なサービスを提供してくれるのか?
また、事業者は「低利用率」を前提として、経営計画や運営計画を策定していないのか?
だとすれば、端から会員の施設利用を見限っており、その程度の“魅力”なのだ。

昨今、ネットで利用者の評価が簡単に分かる。
そうした声を生かして旅館やホテルを選ぶなら、接客や食事などで少なくとも費用に見合った満足は得られる。

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ところで、所有権が登記されるタイプを除き、会員権は事業者が倒産したときに“紙くず”と化す。
知人がバブル末期に確か7百万円で入会した高級フィットネスクラブは3カ月後に消滅した。
2度利用したとのこと。
1回当たり3百5十万円。
金持ちの彼は、「まいったよ」と苦笑いしていたが…。

よほど経済的余裕がある人以外は、リゾート会員権に手を出すべきでない。
あっ、時間的余裕もなくては…。
とことん使わないと、非常に割高になる。
でも、そうした心理はリゾート気分と対極。

以上、リゾート会員権について述べたが、私は興味がないので詳しく調べたわけでない。

                      ◇◆◇

リゾートライフに関するブログは以下のとおり。

⇒2009年8月16日「ハーレーとリゾート会員券」はこちら。

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