私は先頃、会員制セミナーで講師を務めた。
テーマは「営業変革・再建」。
主催者が終了後、アンケート用紙に目を通して「素晴らしい評価です」と語った。
しかし、私は参加者のなかに講義にまったくついてこられない人がいると思っていた。
講師経験が長いので、こうした感触はかなり的確である。
そこで、「どうでしょう。つらそうな参加者がいました」と返した。

すると、「全員が高い評価を下すセミナーは問題です」と…。
確かにそのとおり。
この日の事務局は、私がもっとも信頼を寄せる担当者の一人だった。

私は、営業の立て直しによる「業績テコ入れ」を使命とする経営コンサルタントである。
それは当事者への“ダメ出し”にほかならない。
彼らの立場では「自己否定」を強いられる。
私を含め、人はそれを愉快に思わない。
変わらなくてもこの先やっていけると思えば、だれも変わろうとしない。
しかし、実際にはありえない。

私は、人がもっとも嫌がることを促す講師である。
セミナーは口当たりが悪く、会場は居心地が悪い。
私が真剣になるほど、講義が熱を帯びるほど、アンケートが悪くなるのが当たり前である。
にもかかわらず、評価がよすぎると考えている。

                       ◇

実は、1990年代後半から21世紀初頭、私の激辛セミナーは主催者が目を白黒するほど高い評価を得た。
旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)系のシンクタンクほかで全員が最高評価を下したことがある。
なぜか?
当時は「イノベーター層」が自らの意思で進んで受講したからだ。
優秀な企業はすでに相当な変化を遂げた。

現在、セミナーの参加者は変わりたくても変われない企業や個人が主流である。
受講の動機も“上”から命じられたり勧められたりしたから…。
こうした会社や職場はたいてい業績低迷に陥っている。

私は一人でも多くの「変革リーダー」をつくろうと頑張っている。
が、営業のレベルに到達していない参加者さえ混入する。
底上げの勉強会と勘違いしているようだ。
派遣者が私のセミナーの趣旨を理解していないから、こうした事態が起こる。

ゆえに今日、全員が高い評価を下すことはありえない。
また、そういうことがあったらかえって問題である。
先の事務局は、いまどきの事情や背景がよく分かっているのだ。

                      ◇◆◇

営業強化・再建、営業教育・指導に関するブログは以下のとおり。

⇒2011年2月8日「SMBC提案営業セミナー、毎回感動、30回開催」はこちら。

⇒2011年2月7日「部品メーカー、下請け・孫請け社長の受注活動」はこちら。

⇒2011年1月26日「大田区町工場を救え…社長の受注強化セミナー」はこちら。

⇒2011年1月25日「名古屋地場製造業が苦しい…社長セミナー」はこちら。

⇒2011年1月24日「新規開拓を活発にする…SMBC実践営業塾」はこちら。

⇒2011年1月22日「ぎっくり腰講師…営業再建・社長向け講演」はこちら。

⇒2010年10月28日「仕事がない…何と愚かな言葉だろう」はこちら。

⇒2009年11月4日「社長の悲鳴…中小製造業・零細町工場」はこちら。

⇒2008年12月4日「トヨタ系部品メーカーの悲鳴」はこちら。

⇒2008年11月27日「トヨタに命を預ける…太っ腹経営者」はこちら。

⇒2008年10月27日「やはり名古屋はトヨタ頼み」はこちら。

Copyright (c)2011 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!

社長と上司、目標必達の打ち手20110223