NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
視聴率も好調であり、最近の朝ドラのなかでは大ヒットと呼んでよかろう。
松下奈緒と向井理のキャスティングと演技もさることながら、脚本(シナリオ)の出来が大きな要因になっている。
内容が面白く、しかも深い。
シナリオを担当した山本むつみは、間違いなく立役者だ。
私はウィキペディアで、この朝ドラが誕生した経緯を知った。
妖怪漫画の第一人者・水木しげる(武良茂)の夫人ということで、何かと注目された武良布枝。
きっかけは、彼女がインタビューで発した「終わりよければすべてよしです」という言葉だった。
これに実業之日本社の編集者が飛び付いた(インタビューが同社の雑誌だったのか?)。
武良布枝に対し、それをタイトルにした自伝を書かないかと持ちかけたのだ。
そこから執筆が始まったのが、原案となった『ゲゲゲの女房』である。
さらにこの自伝のドラマ化を山本むつみが望み、脚本を書いた。
こうした偶然が重なり、会心作が生まれた。
「終わりよければすべてよし」。
自分を信じ、相手を信じ、家族を信じ、周囲を信じ、懸命に人生を歩みつづけた武良布枝がこの言葉を用いるとき、重みが増す。
言い尽くせない感慨が込められている。
すべての苦労を受け止めたうえで、人生の最後にそう言えたらどんなにいいだろう。
人の罪を許す言葉でもある。
◇
山本むつみは撮影終了後の8月20日、NHK放送センターで会見を開き、水木しげる夫妻との出会い、そして脚本執筆に関わる苦労などについて語った。
武良布枝は、水木しげるに「好きに書いてもらいなさい」と言われていたらしく、「面白いものをつくってください」と望んだ。
また、水木しげるが夢のなかに現れ、「あんまり格好よく書かんでええぞ」と言ってくれた。
二人とも作家という職業を分かっており、脚本家へ配慮を示した。
山本むつみは自伝を読み、「人生の幸不幸は入口で決まらない」と感じた。
メーンテーマは、夫や子ども、周囲など、人同士が寄り添って生きていくことの喜び。
いつの時代にも無数の村井布美枝がおり、それぞれの人生に輝きがある。
今シリーズのヒロインは、憧れでなく共感の対象だった。
山本むつみは、「自分の人生すべてを投下しないと太刀打ちできなかった」と明かした。
時代背景を調べるために2百冊以上の本を読んだ。
昔の日本映画もずいぶん見た。
紙芝居も学んだ。
山本むつみは朝ドラの脚本を書く魅力について、人間を掘り下げていけることを一番に挙げた。
が、しばらくの間は1年がかりの仕事を引き受ける気はないと…。
執筆は準備を含め、非常に大変だったようだ。
◇
私は、ゲゲゲの女房は「人生の教科書」だと述べた。
この朝ドラに触れ、考えさせられたことは実に多い。
しかし、突き詰めれば次の3点になる。
1.仕事を続けていくことの厳しさ。
2.家族を養っていくことの大変さ。
3.関係を深めていくことの難しさ。
関係とは、夫婦の絆、親子の絆、兄弟の絆、親族の絆、そして友人や知人との交流である。
覚悟を決めなくては、よりよく生きていけない。
人生は長いデコボコ道だ。
◇◆◇
人生の教科書「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。
ドラマの進行と私の半生を重ねたり照らしたりしながら、心の内を綴った。
⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。
⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。
⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。
⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。
⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。
⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。
⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。
⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。
⇒2010年7月17日「ゲゲゲ水木しげる、テレビくん児童漫画賞受賞」はこちら。
⇒2010年7月24日「水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年7月31日「ボチェッリが歌う吉岡聖恵・ありがとう」はこちら。
⇒2010年8月5日「水木プロダクション異様な活気…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月9日「ゲゲゲの鬼太郎へ題名変更…主題歌もヒット」はこちら。
⇒2010年8月11日「水木プロダクション…アシスタント人件費」はこちら。
⇒2010年8月12日「いじめ…有名人の子の苦悩(ゲゲゲの女房)」はこちら。
⇒2010年8月14日「妖怪いそがし、家庭を顧みない水木しげる」はこちら。
⇒2010年8月18日「漫画家・水木しげる、締め切りの地獄と天国」はこちら。
⇒2010年8月20日「職業人生に締め切りを設けよ…水木しげるの教え」はこちら。
⇒2010年8月20日「松下奈緒は号泣、向井理は手料理…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月21日「芸術への憧れを捨て、フリーランスのプランナーへ」はこちら。
⇒2010年8月21日「松下奈緒の美しさ…思い出のメロディー司会&演奏」はこちら。
⇒2010年8月22日「苦労人・水木しげる、作品づくりの姿勢と執念」はこちら。
⇒2010年8月23日「松下奈緒、偏差値39の衝撃、バスト86の疑問」はこちら。
⇒2010年8月25日「人生の教科書・ゲゲゲの女房…仕事・夫婦・家族」はこちら。
⇒2010年8月26日「心の太鼓を打ち鳴らせ…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月28日「松下奈緒・ゲゲゲの女房・撮影秘話…あさイチ」はこちら。
⇒2010年8月29日「松下奈緒&向井理、ゲゲゲの女房の平均視聴率」はこちら。
◆書き加え1(8月27日)
還暦前年の私の実感では、「人生は山あり谷あり」でない。
谷あり谷あり。
そう、「人生は谷ばかり」。
だから、ささいなことにも喜びや誇り、幸せを感じられる。
自分を振り返り、苦しいときのほうが幸せに恵まれていた。
人のありがたさも身にしみる。
もっとも、「人生は山あり谷あり」の解釈が難しい。
山はいいとき(好調期)、谷は悪いとき(不調期)を意味するのか、私は判断がつかない。
人生、いいときもあれば、悪いときもあるさ。
これは、おもに谷での慰め。
それとも…。
人生、いいときの次は悪いときがやってくる。
人生、いいときに悪いときを忘れてならない。
これは、おもに山での戒め。
そうでなく…。
人生、苦難の連続。
これは、おもに生きる覚悟。
はたして?
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松下奈緒と向井理のキャスティングと演技もさることながら、脚本(シナリオ)の出来が大きな要因になっている。
内容が面白く、しかも深い。
シナリオを担当した山本むつみは、間違いなく立役者だ。
私はウィキペディアで、この朝ドラが誕生した経緯を知った。
妖怪漫画の第一人者・水木しげる(武良茂)の夫人ということで、何かと注目された武良布枝。
きっかけは、彼女がインタビューで発した「終わりよければすべてよしです」という言葉だった。
これに実業之日本社の編集者が飛び付いた(インタビューが同社の雑誌だったのか?)。
武良布枝に対し、それをタイトルにした自伝を書かないかと持ちかけたのだ。
そこから執筆が始まったのが、原案となった『ゲゲゲの女房』である。
さらにこの自伝のドラマ化を山本むつみが望み、脚本を書いた。
こうした偶然が重なり、会心作が生まれた。
「終わりよければすべてよし」。
自分を信じ、相手を信じ、家族を信じ、周囲を信じ、懸命に人生を歩みつづけた武良布枝がこの言葉を用いるとき、重みが増す。
言い尽くせない感慨が込められている。
すべての苦労を受け止めたうえで、人生の最後にそう言えたらどんなにいいだろう。
人の罪を許す言葉でもある。
◇
山本むつみは撮影終了後の8月20日、NHK放送センターで会見を開き、水木しげる夫妻との出会い、そして脚本執筆に関わる苦労などについて語った。
武良布枝は、水木しげるに「好きに書いてもらいなさい」と言われていたらしく、「面白いものをつくってください」と望んだ。
また、水木しげるが夢のなかに現れ、「あんまり格好よく書かんでええぞ」と言ってくれた。
二人とも作家という職業を分かっており、脚本家へ配慮を示した。
山本むつみは自伝を読み、「人生の幸不幸は入口で決まらない」と感じた。
メーンテーマは、夫や子ども、周囲など、人同士が寄り添って生きていくことの喜び。
いつの時代にも無数の村井布美枝がおり、それぞれの人生に輝きがある。
今シリーズのヒロインは、憧れでなく共感の対象だった。
山本むつみは、「自分の人生すべてを投下しないと太刀打ちできなかった」と明かした。
時代背景を調べるために2百冊以上の本を読んだ。
昔の日本映画もずいぶん見た。
紙芝居も学んだ。
山本むつみは朝ドラの脚本を書く魅力について、人間を掘り下げていけることを一番に挙げた。
が、しばらくの間は1年がかりの仕事を引き受ける気はないと…。
執筆は準備を含め、非常に大変だったようだ。
◇
私は、ゲゲゲの女房は「人生の教科書」だと述べた。
この朝ドラに触れ、考えさせられたことは実に多い。
しかし、突き詰めれば次の3点になる。
1.仕事を続けていくことの厳しさ。
2.家族を養っていくことの大変さ。
3.関係を深めていくことの難しさ。
関係とは、夫婦の絆、親子の絆、兄弟の絆、親族の絆、そして友人や知人との交流である。
覚悟を決めなくては、よりよく生きていけない。
人生は長いデコボコ道だ。
◇◆◇
人生の教科書「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。
ドラマの進行と私の半生を重ねたり照らしたりしながら、心の内を綴った。
⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。
⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。
⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。
⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。
⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。
⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。
⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。
⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。
⇒2010年7月17日「ゲゲゲ水木しげる、テレビくん児童漫画賞受賞」はこちら。
⇒2010年7月24日「水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年7月31日「ボチェッリが歌う吉岡聖恵・ありがとう」はこちら。
⇒2010年8月5日「水木プロダクション異様な活気…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月9日「ゲゲゲの鬼太郎へ題名変更…主題歌もヒット」はこちら。
⇒2010年8月11日「水木プロダクション…アシスタント人件費」はこちら。
⇒2010年8月12日「いじめ…有名人の子の苦悩(ゲゲゲの女房)」はこちら。
⇒2010年8月14日「妖怪いそがし、家庭を顧みない水木しげる」はこちら。
⇒2010年8月18日「漫画家・水木しげる、締め切りの地獄と天国」はこちら。
⇒2010年8月20日「職業人生に締め切りを設けよ…水木しげるの教え」はこちら。
⇒2010年8月20日「松下奈緒は号泣、向井理は手料理…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月21日「芸術への憧れを捨て、フリーランスのプランナーへ」はこちら。
⇒2010年8月21日「松下奈緒の美しさ…思い出のメロディー司会&演奏」はこちら。
⇒2010年8月22日「苦労人・水木しげる、作品づくりの姿勢と執念」はこちら。
⇒2010年8月23日「松下奈緒、偏差値39の衝撃、バスト86の疑問」はこちら。
⇒2010年8月25日「人生の教科書・ゲゲゲの女房…仕事・夫婦・家族」はこちら。
⇒2010年8月26日「心の太鼓を打ち鳴らせ…ゲゲゲの女房」はこちら。
⇒2010年8月28日「松下奈緒・ゲゲゲの女房・撮影秘話…あさイチ」はこちら。
⇒2010年8月29日「松下奈緒&向井理、ゲゲゲの女房の平均視聴率」はこちら。
◆書き加え1(8月27日)
還暦前年の私の実感では、「人生は山あり谷あり」でない。
谷あり谷あり。
そう、「人生は谷ばかり」。
だから、ささいなことにも喜びや誇り、幸せを感じられる。
自分を振り返り、苦しいときのほうが幸せに恵まれていた。
人のありがたさも身にしみる。
もっとも、「人生は山あり谷あり」の解釈が難しい。
山はいいとき(好調期)、谷は悪いとき(不調期)を意味するのか、私は判断がつかない。
人生、いいときもあれば、悪いときもあるさ。
これは、おもに谷での慰め。
それとも…。
人生、いいときの次は悪いときがやってくる。
人生、いいときに悪いときを忘れてならない。
これは、おもに山での戒め。
そうでなく…。
人生、苦難の連続。
これは、おもに生きる覚悟。
はたして?
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