きのうのブログ「業績は社長次第…勝ちっ放し企業」に続いて・・・。
⇒2013年8月26日「業績は社長次第…勝ちっ放し企業」はこちら。
私がコンサルタントとしてここ十年間でもっとも強く感じる変化がある。
とりわけ2008年初秋のリーマンショック以降…。
それは、際立った「成長目標」を掲げる社長がほとんど姿を消してしまったことだ。
私は数字の立て直しが専門であり、丸の内で社長を対象とした個別相談を行っている。
私はこれまでの経験からストレッチ目標を立てたほうが結果がよいと分かっているが、肝心の相談者が乗ってこない。
社長が無理と決めつける。
話は平行線のまま…。
こうした企業は再生の見込みがきわめて薄い。
つまり、長期にわたる業績下落や規模縮小から抜け出すことが難しい。
際立った成長目標は、短期経営計画はもちろん、中期経営計画や長期経営計画でもめったに見かけない。
なかでも長期経営計画は、環境変化が激しく先行きが読めないために、つくられること自体が少なくなった。
かつて、「これはいくら何でもムリだろう」と疑問が先立つ乱暴な成長目標を真顔で掲げる社長がいた・・・。
私が責任指導を行う九州生産性本部の「提案営業実践コース14日間(2日間×7カ月)」。
公開スタイルであり、したがって“異業種格闘型”の企業研修の様相を呈する。
営業セミナーとしては、おそらく日本一本格的なプログラム(カリキュラム)である。
メンバーは九州の地場企業、おもに名門企業や優良企業から派遣される。
精鋭の営業担当者に加え、営業管理者が参加する。
ときに中小企業の社長や役員も参加する。
選ばれたメンバーとはいえ当然、スタート時点で営業力にかなりの格差がある。
むろんゴール時点で全員の営業力が高まる。
しかし、まったく同じ内容を受講しているにもかかわらず、営業力の格差がスタート時点より開く。
最大の原因は、各人の目標設定の水準の違いだ。
数字をそれなりに伸ばせればいいと考えているか、思い切って伸ばしてやろうと考えているかである。
結局、このコースにのぞむ“本気度”の差!
毎年、修了者のなかから、巨額の商談事例や画期的な提案事例が生まれる。
当人が「営業力」を劇的に伸ばした結果にほかならない。
それもこれも、最初の目標設定が別次元だった。
顕著な勝ち組企業にも通じる。
・・・社長は会社を発展させるとのマインドがしぼんだ。
日本の社会そのものが閉塞感、さらに先細り感に支配されている。
戦後に産声を上げた無数の中小企業において、創業者から後継者への世代交代が進んだ。
中小企業では、その大半が子へのバトンタッチとなる。
二世経営者は一流大学や大学院、MBA卒業の学歴を有し、いわゆる能力は創業者をはるかに上回る。
妥当な良識、慎重な思考、冷静な判断力も備える。
頭を巡らせてから行動を起こすというのは、とくに戦後間もない創業者にあまり見られなかった特性だろう。
家族を食わせるべく、社員を食わせるべく、前のめりで突き進んだ。
後継者は優れた面も多いが、何といっても「貪欲さ」の面で創業者に圧倒的に劣る。
彼らは“馬車馬”として先頭を切ろうという気迫が乏しい。
少なくとも私の実感はそうだ。
攻撃的な成長目標を打ち出す社長がめっきり少なくなったのは、企業を巡る環境が厳しさを増したことも一因である。
しかし、私は社長の代替わりも大きく影響していると考える。
これは日本経済の衰退をもたらした。
内需型企業では、一握りになりつつある勝ち組。
私はそうした社長と接するなかで、「すべては目標設定から始まる」とつくづく思う。
案外知られていないが、最大の動機づけは目標設定だ。
自分についても、社員についても同じ。
目標は、不可能を可能にすることさえある。
経営における、そして職業人生における目標設定の重要性を改めて問い直したい。
Copyright (c)2013 by Sou Wada
←応援、よろしく!
⇒2013年8月26日「業績は社長次第…勝ちっ放し企業」はこちら。
私がコンサルタントとしてここ十年間でもっとも強く感じる変化がある。
とりわけ2008年初秋のリーマンショック以降…。
それは、際立った「成長目標」を掲げる社長がほとんど姿を消してしまったことだ。
私は数字の立て直しが専門であり、丸の内で社長を対象とした個別相談を行っている。
私はこれまでの経験からストレッチ目標を立てたほうが結果がよいと分かっているが、肝心の相談者が乗ってこない。
社長が無理と決めつける。
話は平行線のまま…。
こうした企業は再生の見込みがきわめて薄い。
つまり、長期にわたる業績下落や規模縮小から抜け出すことが難しい。
際立った成長目標は、短期経営計画はもちろん、中期経営計画や長期経営計画でもめったに見かけない。
なかでも長期経営計画は、環境変化が激しく先行きが読めないために、つくられること自体が少なくなった。
かつて、「これはいくら何でもムリだろう」と疑問が先立つ乱暴な成長目標を真顔で掲げる社長がいた・・・。
私が責任指導を行う九州生産性本部の「提案営業実践コース14日間(2日間×7カ月)」。
公開スタイルであり、したがって“異業種格闘型”の企業研修の様相を呈する。
営業セミナーとしては、おそらく日本一本格的なプログラム(カリキュラム)である。
メンバーは九州の地場企業、おもに名門企業や優良企業から派遣される。
精鋭の営業担当者に加え、営業管理者が参加する。
ときに中小企業の社長や役員も参加する。
選ばれたメンバーとはいえ当然、スタート時点で営業力にかなりの格差がある。
むろんゴール時点で全員の営業力が高まる。
しかし、まったく同じ内容を受講しているにもかかわらず、営業力の格差がスタート時点より開く。
最大の原因は、各人の目標設定の水準の違いだ。
数字をそれなりに伸ばせればいいと考えているか、思い切って伸ばしてやろうと考えているかである。
結局、このコースにのぞむ“本気度”の差!
毎年、修了者のなかから、巨額の商談事例や画期的な提案事例が生まれる。
当人が「営業力」を劇的に伸ばした結果にほかならない。
それもこれも、最初の目標設定が別次元だった。
顕著な勝ち組企業にも通じる。
・・・社長は会社を発展させるとのマインドがしぼんだ。
日本の社会そのものが閉塞感、さらに先細り感に支配されている。
戦後に産声を上げた無数の中小企業において、創業者から後継者への世代交代が進んだ。
中小企業では、その大半が子へのバトンタッチとなる。
二世経営者は一流大学や大学院、MBA卒業の学歴を有し、いわゆる能力は創業者をはるかに上回る。
妥当な良識、慎重な思考、冷静な判断力も備える。
頭を巡らせてから行動を起こすというのは、とくに戦後間もない創業者にあまり見られなかった特性だろう。
家族を食わせるべく、社員を食わせるべく、前のめりで突き進んだ。
後継者は優れた面も多いが、何といっても「貪欲さ」の面で創業者に圧倒的に劣る。
彼らは“馬車馬”として先頭を切ろうという気迫が乏しい。
少なくとも私の実感はそうだ。
攻撃的な成長目標を打ち出す社長がめっきり少なくなったのは、企業を巡る環境が厳しさを増したことも一因である。
しかし、私は社長の代替わりも大きく影響していると考える。
これは日本経済の衰退をもたらした。
内需型企業では、一握りになりつつある勝ち組。
私はそうした社長と接するなかで、「すべては目標設定から始まる」とつくづく思う。
案外知られていないが、最大の動機づけは目標設定だ。
自分についても、社員についても同じ。
目標は、不可能を可能にすることさえある。
経営における、そして職業人生における目標設定の重要性を改めて問い直したい。
Copyright (c)2013 by Sou Wada
←応援、よろしく!