先日、2012年ロンドン五輪(オリンピック)のマラソン代表選手が日本陸上競技連盟から発表された。
昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップの3位に入った公務員ランナー・川内優輝が東京マラソンで14位に終わった翌日の記者会見で、自分の五輪代表選考はないと総括した以上、おおよそ納得のいく顔ぶれである。
さて、私がとくに感動したのが、女子マラソン代表の最終選考レース「名古屋ウィメンズマラソン」だった。
2004年アテネ五輪(オリンピック)金メダリストの野口みずきが4年4カ月(1575日)ぶりにフルマラソンを走り、6位でゴールした。
野口みずきは17キロメートル付近で「左膝が抜ける感じ」のアクシデントで先頭集団から脱落し、約30秒遅れた。
皆がこれまでと思ったはずだ。
ところが、驚異的な追い上げを見せ、29キロメートル付近で先頭集団に戻ってきた。
そして、いったんは前へ出てレースを引っ張った。
しかし、34キロメートル付近で優勝争いから脱落した。
練習と調整が不十分で、スタミナが切れたようだ。
野口みずきは、連覇が可能と思われた2008年北京五輪(オリンピック)で、直前の故障により出場辞退に追い込まれた。
1月の選考レース「大阪国際マラソン」もコンディションが整わず、前日にキャンセルせざるをえなかった。
私はロンドンオリンピックで日本選手がメダルを獲るとしたら野口みずきが最有力だと思っていたので、名古屋の結果は残念だった。
とはいえ、一時は先頭集団から約百五十メートル離されながら追いついた精神力に敬服する。
走ることへの執念。
長年故障に泣かされてきた野口みずきは夏のレースのほうが結果を出しやすいのでなかろうか・・・。
⇒2007年11月18日「戦わない人は、勝つことがない」はこちら。
33歳の野口みずきは次の五輪へ向け、翌日から練習を始めたという。
2016年リオデジャネイロオリンピックだ。
その報道を聞き、私は胸が熱くなった。
凄すぎる・・・。
一つ仕事をやり終えてはホッとしている自分の甘さを痛感させられた。
私が怠惰な自分に命じた言葉を、野口みずきは当然のように実践している。
「前に進む」。
これは大きな目標に対して…。
たとえわずかでも近づくことだ。
「次に進む」。
これは小さな目標に対して…。
大きな目標を細かく砕くことだ。
⇒2012年3月5日「人はいつもやらない理由を探している…起業・経営セミナー」はこちら。
野口みずきがゴール時に流した涙は、五輪代表を逃した悔しさというより、選考レースに出場して完走できた頑張りに対するものでなかったか。
自分の努力に感動できる人は素晴らしい。
野口みずきはレース後、「どれだけ転んでも立ち上がることができる。自分の人生とマラソンを重ねている」と語ったらしい。
以下に、「川内優輝、落選の準備が完璧…ロンドン五輪マラソン代表選考」と題する2012年3月12日のブログをそのまま収める。
◇◆◇
日本陸上競技連盟は、2012年ロンドン五輪(オリンピック)のマラソン代表を選考・発表した。
実力が突出した選手がいない状況を反映し、男女各3選手、計6選手は全員初出場である。
おおよそ予想どおりの顔ぶれになった。
◆男子マラソン代表
◇藤原新。30歳、フリー。東京陸連(東京陸協)。
2月の東京マラソンで日本人選手として5年ぶりの2時間7分台をマークし、2位に入った。
◇山本亮。27歳、佐川急便。
3月のびわ湖毎日マラソンで日本人トップの4位に入った。
◇中本健太郎。29歳、安川電機。
びわ湖毎日マラソンで2時間8分53秒をマークし、日本人2位の5位に入った。
※補欠は、堀端宏行。25歳、旭化成。昨夏の世界選手権で7位に入った。
私は、びわ湖毎日マラソンで佐川急便・山本亮と安川電機・中本健太郎を応援していた。
クライアントつながり。
ところが、レースは最終盤さらに競技場で両者が日本人トップを激しく競った。
正直、困った。
しかし、2選手とも男子マラソン代表に選ばれ、ホッとした。
注目の公務員ランナー・川内優輝は落選した。
25歳、埼玉県庁。
市民ランナーの星でもある。
私は、恵まれない環境で知恵を絞って練習を続ける彼をもっとも応援していた。
昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップの3位に入った。
しかし、自ら本命と位置づけて勝負をかけると明言していた東京マラソンで14位に終わった。
川内優輝は翌日、「さらしものになったほうがいい」と頭を丸刈りにして“終戦宣言”を行うなど、落選へ向けた準備(?)が完璧だった。
私はその一途さと潔さに感服し、彼をますます好きになってしまった。
とても残念・・・。
東京マラソンに出なくてよかった。
川内優輝が選出されれば、長期にわたって低迷が続くマラソン人気の活性化につながったのは確かである。
日本陸連(日本陸競)の選考結果発表を受けた記者会見も実にすがすがしいものだった。
◆女子マラソン代表
◇重友梨佐。24歳、天満屋。
1月の大阪国際マラソンで2時間23分23秒の圧勝を収めた。
◇木崎良子。26歳、ダイハツ。
昨年11月の横浜国際マラソンで初優勝を飾った。
◇尾崎好美。30歳、第一生命。
昨日の名古屋ウィメンズマラソンで日本勢トップの2位に入った。
※補欠は、赤羽有紀子。32歳、ホクレン。昨夏の世界選手権で5位に入った。
男子マラソン代表の3番目をだれにするかが難しかったのでなかろうか・・・。
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昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップの3位に入った公務員ランナー・川内優輝が東京マラソンで14位に終わった翌日の記者会見で、自分の五輪代表選考はないと総括した以上、おおよそ納得のいく顔ぶれである。
さて、私がとくに感動したのが、女子マラソン代表の最終選考レース「名古屋ウィメンズマラソン」だった。
2004年アテネ五輪(オリンピック)金メダリストの野口みずきが4年4カ月(1575日)ぶりにフルマラソンを走り、6位でゴールした。
野口みずきは17キロメートル付近で「左膝が抜ける感じ」のアクシデントで先頭集団から脱落し、約30秒遅れた。
皆がこれまでと思ったはずだ。
ところが、驚異的な追い上げを見せ、29キロメートル付近で先頭集団に戻ってきた。
そして、いったんは前へ出てレースを引っ張った。
しかし、34キロメートル付近で優勝争いから脱落した。
練習と調整が不十分で、スタミナが切れたようだ。
野口みずきは、連覇が可能と思われた2008年北京五輪(オリンピック)で、直前の故障により出場辞退に追い込まれた。
1月の選考レース「大阪国際マラソン」もコンディションが整わず、前日にキャンセルせざるをえなかった。
私はロンドンオリンピックで日本選手がメダルを獲るとしたら野口みずきが最有力だと思っていたので、名古屋の結果は残念だった。
とはいえ、一時は先頭集団から約百五十メートル離されながら追いついた精神力に敬服する。
走ることへの執念。
長年故障に泣かされてきた野口みずきは夏のレースのほうが結果を出しやすいのでなかろうか・・・。
⇒2007年11月18日「戦わない人は、勝つことがない」はこちら。
33歳の野口みずきは次の五輪へ向け、翌日から練習を始めたという。
2016年リオデジャネイロオリンピックだ。
その報道を聞き、私は胸が熱くなった。
凄すぎる・・・。
一つ仕事をやり終えてはホッとしている自分の甘さを痛感させられた。
私が怠惰な自分に命じた言葉を、野口みずきは当然のように実践している。
「前に進む」。
これは大きな目標に対して…。
たとえわずかでも近づくことだ。
「次に進む」。
これは小さな目標に対して…。
大きな目標を細かく砕くことだ。
⇒2012年3月5日「人はいつもやらない理由を探している…起業・経営セミナー」はこちら。
野口みずきがゴール時に流した涙は、五輪代表を逃した悔しさというより、選考レースに出場して完走できた頑張りに対するものでなかったか。
自分の努力に感動できる人は素晴らしい。
野口みずきはレース後、「どれだけ転んでも立ち上がることができる。自分の人生とマラソンを重ねている」と語ったらしい。
以下に、「川内優輝、落選の準備が完璧…ロンドン五輪マラソン代表選考」と題する2012年3月12日のブログをそのまま収める。
◇◆◇
日本陸上競技連盟は、2012年ロンドン五輪(オリンピック)のマラソン代表を選考・発表した。
実力が突出した選手がいない状況を反映し、男女各3選手、計6選手は全員初出場である。
おおよそ予想どおりの顔ぶれになった。
◆男子マラソン代表
◇藤原新。30歳、フリー。東京陸連(東京陸協)。
2月の東京マラソンで日本人選手として5年ぶりの2時間7分台をマークし、2位に入った。
◇山本亮。27歳、佐川急便。
3月のびわ湖毎日マラソンで日本人トップの4位に入った。
◇中本健太郎。29歳、安川電機。
びわ湖毎日マラソンで2時間8分53秒をマークし、日本人2位の5位に入った。
※補欠は、堀端宏行。25歳、旭化成。昨夏の世界選手権で7位に入った。
私は、びわ湖毎日マラソンで佐川急便・山本亮と安川電機・中本健太郎を応援していた。
クライアントつながり。
ところが、レースは最終盤さらに競技場で両者が日本人トップを激しく競った。
正直、困った。
しかし、2選手とも男子マラソン代表に選ばれ、ホッとした。
注目の公務員ランナー・川内優輝は落選した。
25歳、埼玉県庁。
市民ランナーの星でもある。
私は、恵まれない環境で知恵を絞って練習を続ける彼をもっとも応援していた。
昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップの3位に入った。
しかし、自ら本命と位置づけて勝負をかけると明言していた東京マラソンで14位に終わった。
川内優輝は翌日、「さらしものになったほうがいい」と頭を丸刈りにして“終戦宣言”を行うなど、落選へ向けた準備(?)が完璧だった。
私はその一途さと潔さに感服し、彼をますます好きになってしまった。
とても残念・・・。
東京マラソンに出なくてよかった。
川内優輝が選出されれば、長期にわたって低迷が続くマラソン人気の活性化につながったのは確かである。
日本陸連(日本陸競)の選考結果発表を受けた記者会見も実にすがすがしいものだった。
◆女子マラソン代表
◇重友梨佐。24歳、天満屋。
1月の大阪国際マラソンで2時間23分23秒の圧勝を収めた。
◇木崎良子。26歳、ダイハツ。
昨年11月の横浜国際マラソンで初優勝を飾った。
◇尾崎好美。30歳、第一生命。
昨日の名古屋ウィメンズマラソンで日本勢トップの2位に入った。
※補欠は、赤羽有紀子。32歳、ホクレン。昨夏の世界選手権で5位に入った。
男子マラソン代表の3番目をだれにするかが難しかったのでなかろうか・・・。
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