私は先週、下町の中堅企業で「提案営業研修標準講座(2日×5回)」の最終回を行った。
その休憩時間に喫煙コーナーで受講者と雑談を交わし、一人の方が新小岩に住んでいることを知った。

実は、私が総武線の都内区間で唯一下車したことのない駅が新小岩だった。
7カ月弱の墨田川高校在籍時、そして魚津高校卒業を経て明治大学進学後にもっとも利用したのは、赤い電車の中央線と黄色い電車の総武線だった。

三鷹⇒吉祥寺⇒西荻窪⇒荻窪⇒阿佐ヶ谷⇒高円寺⇒中野⇒東中野⇒大久保⇒新宿⇒代々木⇒千駄ヶ谷⇒信濃町⇒四ツ谷⇒市ヶ谷⇒飯田橋⇒水道橋⇒御茶ノ水⇒秋葉原⇒浅草橋⇒両国⇒錦糸町⇒亀戸⇒平井⇒新小岩⇒小岩。

私が駅名をすらすらと言えるのは総武線(都内区間)だけである。
中野、東小金井、西荻窪、三鷹、八王子に20年以上も暮らしていたので、おもに生活と仕事などで降り立った。

私が受講者に「肉の青木」を知っているかと尋ねたところ、新小岩の肉屋がどんどん消えるなかで頑張っていると教えてくれた。

私が初めて本気で思いを寄せた相手が墨田川高校の同級生だった。
当時、本人から新小岩で精肉店を営んでいると聞かされたことがあった。

私は近年、グーグルで検索して存在を確かめた。
テレビ朝日で2011年8月1日に放送された「ちい散歩」という番組にも取りあげられていた。
「みのり商店会」でも老舗なのだろう。
また、ストリートビューで肉の青木の店頭の様子を見られた。
建て替えられたのかもしれないが、彼女がここで育ったのかと胸が熱くなった。

私は魚津高校に転校する夏休み前の墨田川高校の下駄箱で、そして明治大学進学後の電話で、自分の思いを伝える機会を逃した。
どうして勇気を出せなかったのだろうと悔やみ、半世紀近く引きずってきた。
すぱっと振られてしまえば一時的に落ち込むにしろ、心が晴れた。

・・・スーパーマーケット(GMS、SM)やコンビニエンスストア(CVS)などの大手資本による精肉と惣菜の取り扱いはいまも拡充しており、街の肉屋を巡る環境は悪化するばかりである。
娘さんなので嫁がれたはずだが、肉の青木には末永く営業を続けてほしいと心から願っている。

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