コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

売れっ子漫画家

松下奈緒の紅白司会、水木しげるの文化功労者

NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
放送が終わって1カ月半が経った。
ネット上でも同番組や同キャストに触れた情報が新たに出てくることがなくなった。
国民的な人気を博した朝ドラだったが…。
大衆の関心が瞬時に移ろうネット社会を実感させられる。
それが現代。

「ゲゲゲの女房」は、ドラマのない専業主婦がドラマのヒロインになった。
歴代の朝ドラとの決定的な違い。
原案では、水木しげる(武良茂)の妻、武良布枝。
ドラマでは、村井茂の妻、村井布美枝。
シナリオはよくても、ヒロインが“日常性”に埋没しかねない。

せめてという制作陣の配慮なのか、とびきり華のある「松下奈緒」を主役に起用した。
恒例のオーディションはなし。
美しく、長身。
背筋を伸ばし、顔を上げると、強いオーラを放つ。
非常にきれいな才媛。

それが図星!
「ゲゲゲの女房」は高い平均視聴率を残した。
著しかった“朝ドラ離れ”にそれなりの歯止めをかけた。

⇒2010年9月20日「松下奈緒と向井理の魅力と伸び代、居場所」はこちら。

さて、布美枝は性格がおとなしく、万事控え目。
島根の実家(飯田家)は家族仲がよく、それなりに豊かで、戦争の痛手もない。
苦労らしい苦労を知らない。

ところが、布美枝は人生の一大転機を迎える。
戦争で左腕を失った40歳間近の貸本漫画家・村井茂と見合い直後に結婚して上京した。
住まいは東京都調布市のボロ屋。
無収入状態に絶句!
先はまったく見えなかったが、布美枝は茂を懸命に支えつづける。
生まれた子どものミルク代にも困った。
「ゲゲゲの女房」は、苦しみを喜びに変えて生きていく夫婦の半生の軌跡を描いた。
そこに、昭和の東京の世相が絡まる。
温かく懐かしい。

私は完全にはまった。
結婚後、フリーランスの私がたどった道を再現してくれている錯覚に陥った。

専業主婦がヒロインのドラマが高視聴率を上げられたのは、水木しげるの功績が偉大だったことがあるにせよ、やはり武良布枝の生き方が見事だったから…。
地味な存在が、愛する夫を売れっ子漫画家に押しあげた。

                       ◇

放送が終わってしょんぼりしている方へ。

「ゲゲゲの女房のふるさと展」が開催されている。
主催は、島根県安来市とNHK松江放送局(不確か)。
場所は、朝ドラの原案者、武良布枝の故郷・安来市大塚町。
会場には、彼女にゆかりの写真や品物、町内に呼びかけて集めた昭和当時の写真や生活用品などが展示されている。
ほかに、「ゲゲゲの女房」の撮影関連。
パネル、台本、小道具などが展示されている。

会期は2010年12月末日(予定)。
途中、リニューアルのための閉館あり。
開館は午前9時〜午後5時。
会場は大塚夢芝居事務所。
入場料金は無料。
駐車場あり。

山陰はもちろん日本海を知らない方は一度どうぞ。
事前に問い合わせのこと。

◆書き加え1(11月4日)

「ゲゲゲの女房」の記憶が薄れ、松下奈緒に関する話題も乏しくなった。
と思ったら、11月3日に紅白歌合戦の司会が発表された。
やはり松下奈緒。
「ゲゲゲの家族」が応援に現れるというから、再び注目が集まりそうだ。

◆書き加え2(11月4日)

先頃「文化功労者」に選ばれた水木しげるが都内のホテルで行われた顕彰式に出席した。
記念撮影では、水木しげるは最前列の椅子に武良布枝とともに座った。
そして脚を組もうとした。
それを夫人がたしなめた(正式な写真は本人のみか)。

やんちゃな子どもみたいな水木しげるを、10歳年下の武良布枝がいつも見守っている感じ。
二人を眺めていると、私は微笑ましくなる。

両者のやり取りは「夫婦(めおと)漫才」のようだ。

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三菱UFJ20101116

漫画家・水木しげる、締め切りの地獄と天国

NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
水木しげる(村井茂。向井理)の壮絶な働き振りを見て、私が気づかされたのが締め切りの大切さだ。
それは絶対の外圧である。
水木しげるは意志が強いから、注文が来なくても自分の作品を残したかもしれない。
が、私はそうでない。

大手出版社は、売れっ子漫画家など著名な作家に担当者を張り付かせる。
作品(原稿)を確実に受け取るためだ。
私も仕事は殺到したがフリーランスのプランナーにすぎず、アシスタントに走って届けさせた。
たいてい滑り込みセーフ。
締め切りに遅れたら作品(企画)を受け取ってもらえず、報酬を支払ってもらえない。
クライアントと縁が切れ、仕事は二度と舞い込まない。

当時はつねに極限状態に置かれていた。
何が何でも間に合わせる!
研ぎ澄まされる神経、凄まじい集中力。
それは知的生産にとり最重要だった。
だから、仕事の効率と効果は断然高い。
とりわけ納品直前は忘我。
余計なことは一切考えられない。

つきあいの浅いクライアントが待ちくたびれ、仕事場にやってくることがときどきあった。
そして、戦場に紛れ込んだような困惑の表情を浮かべる。
村井藍子(長女)の担任教師は家庭訪問で水木しげるの仕事場に入り、立ちすくんだ。
こちらは切羽詰まっており、クライアントに構っていられない。
狭い空間は殺気立っている。
彼らは足を運んだことを後悔する。
そうした職場だったので、アシスタントがすぐにやめてしまった…。

私は40歳を過ぎてコンサルタントに商売替えし、締め切り仕事から解き放たれた。
しかし、本質的に怠け者なので、そうなると何一つ成し遂げられない。
いつしか、デッドラインに急き立てられながら頑張っていた時代を忘れてしまった。
ゲゲゲの女房は、私の原点を思い出させてくれたのだ。

私が携わる知的生産ではゴールがぼんやり見えるようになり、“胸突き八丁”が始まる。
とても苦しい期間が長く続く。
ここで踏ん張り切れないと、著作などを完成させられない。

言い訳はいろいろできる。
長年の体の酷使による体力の衰弱、体調の悪化。
また、老化の進行による頭の衰え(思考回路のほころび、思考速度の鈍化)。
さらに、視力、とくに効き目の右目の視力の低下。

が、これらのハンディを克服できなければ、私はこの先やっていけない。

案外、地獄の締め切りが人の能力を最大限に引き出し、立派な仕事をさせる。
その意味において、締め切りは天国である。
新聞小説から文学史上に残る名作が多く生まれているのも、それと無関係であるまい。

続きは、あさってのブログで…。

                      ◇◆◇

「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。

⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。

⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。

⇒2010年7月17日「ゲゲゲ水木しげる、テレビくん児童漫画賞受賞」はこちら。

⇒2010年7月24日「水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月31日「ボチェッリが歌う吉岡聖恵・ありがとう」はこちら。

⇒2010年8月5日「水木プロダクション異様な活気…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年8月9日「ゲゲゲの鬼太郎へ題名変更…主題歌もヒット」はこちら。

⇒2010年8月11日「水木プロダクション…アシスタント人件費」はこちら。

⇒2010年8月12日「いじめ…有名人の子の苦悩(ゲゲゲの女房)」はこちら。

⇒2010年8月14日「妖怪いそがし、家庭を顧みない水木しげる」はこちら。

◆書き加え1(8月17日)

余談…。
水木しげるの漫画に特徴的な「濃密な点描」。
背景にこだわり、精緻に仕上げる。
それを支えているのがアシスタントである。

朝ドラでは、おもに点々を担当して6年というベテランがユーモラスに描かれている。
株式会社水木プロダクションの設立前、水木しげるが脚光を浴びて仕事が増えた頃に手伝っていた3人のうちの1人である。
2人はだいぶ前に離れた。

彼は一番の古株にもかかわらず、水木プロダクションのアシスタントのまとめ役にはなっていないようだ。
こうした人(社員)も貴重である。

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水木プロダクション旗揚げ…ゲゲゲの女房

NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」。
私は、自分が通った道をなぞっている錯覚に陥る。
何とも懐かしい。
これほど思い入れというか共感を持って見入ったドラマはほかにない。

私はフリーランスのプランナーとして極貧生活と戦っていた。
営業活動が実り、ようやくまともな仕事が入るようになった。
そして、顧客から認められ、仕事が増えていった。
一人でこなし切れず、自宅でアシスタントに手伝ってもらった。
水木しげる(村井茂=向井理)と同様、家族の生活が滅茶苦茶になった。

水木しげるは自宅だったので、有り金をはたいて改築に踏み切った。
私は間借りだったので、都心に仕事場を借りた。
いずれも大勝負である。

すると、さらに仕事が増えていった。
アシスタントの人数が多くなった。

水木しげるは人気作家になったので、経済的な不安は遠のいたかもしれない。
しかし、私は注文の多いプランナーにすぎない。
売り上げは伸びたものの、アシスタントへの支払いも膨らんだ。
月末は頭が痛かった…。

アシスタントを使いながら企画の品質を維持する、いや向上させるのは大変だった。
そうでなくては、あっという間に顧客が離れる。
水木しげると同様、気合いを入れて仕事に取り組んだ。
眠る時間はろくに取れない。
私は仕事場に泊まり込んだ。
自宅に戻れない…。

さらに仕事が増えていった。
アシスタントを食わせるために働いている気分だった。
私は次第にわけが分からなくなっていった。
殺到する注文と急増する人件費に悲鳴を上げた…。

水木しげるは「株式会社水木プロダクション」を旗揚げした。
売れっ子漫画家は分業制を敷かないと仕事を回せない。
数名、それ以上のアシスタントを抱える。
私が味わった金銭的な苦労と無縁だったのだろうか?

                      ◇◆◇

「ゲゲゲの女房」に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。

⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。

⇒2010年7月5日「向井理の好演、村井茂の名言…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年7月15日「ゲゲゲ水木しげる、少年マガジンデビュー」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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