4回転フリップの成功率が向上
幸先のいいGPシリーズ2連勝

シルバーコレクター返上を誓う

フィギュアスケート男子シングル、宇野昌磨。
GPシリーズ第2戦「スケートカナダ」はショートプログラム(SP)「天国への階段」で 88.87点の2位と出遅れましたが、フリースケーティング(FS)「月光」で188.38点の1位となり、合計277.25点で大会連覇を飾りました。

GPシリーズ第4戦「NHK杯」はSPで 92.49点の1位となりましたが、得意のトリプルアクセルで転倒してフェンスに衝突しています。
FSで完璧な演技を見せようと百パーセントの力で飛ばしたせいか終盤に体力が切れ、2つのジャンプを失敗しています。
が、SPの悔しさをぶつけるような渾身の演技で183.96点の1位となり、合計276.45点でNHK杯初優勝を飾るとともに、GPシリーズ通算5勝目を挙げました。

宇野昌磨は早々とGPファイナル4年連続出場を決めています。
振り返れば2015年と2016年は3位、2017年はネイサン・チェンに 0.5点届かず2位に留まりました。
年が明けて2月の平昌五輪は羽生結弦に続く2位、3月の世界選手権はネイサン・チェンに続く2位になり、あと一歩で涙を呑んでいます。
今年のGPファイナルは「シルバーコレクター」を返上すると誓って臨みました。

平昌五輪金メダリストの羽生結弦がけがで欠場しましたので日本勢の参加は一人です。
したがって、この大会連覇がかかる米国のネイサン・チェンとの一騎打ちになります。

ジャンプミスでGOEを稼げず

今シーズンからジャンプの基礎点が引き下げられたとはいえ、依然として得点の大きな比重を占めます。
高難度ジャンパーのネイサン・チェンを上回るには失敗が許されません。
宇野昌磨は11月29日に現地入りして30日から練習を開始しており、「時差」の不安の解消に努めました。

本人によれば、これまでノーミスが少なく、GOE(出来栄え点)を稼げません。
平昌五輪ではジャンプで 18.77点の加点を得た羽生結弦に対し、宇野昌磨は5.65点の加点であり、 13.12点の大差がついています。

おもな原因の一つに、宇野昌磨が世界で初めて成功させた「4回転フリップ」などの高難度ジャンプをプログラムに組み込んでいることがあります。
SPとFSで計6本の4回転ジャンプを跳んでいますが失敗が多く、GOEで減点を受けています。
(宇野昌磨は表現力が豊かなために演技全体にストーリー性が感じられ、私はミスが多いという印象を持っていません。)

ここを解消してトップに立つために、ジャンプ指導が得意なコーチのもとで海外合宿を行いました。
4回転フリップの成功率が改善するとともに高いGOEも得られるようになりました。
幸先のいいGPシリーズ2連勝もこの特訓の成果です。

宇野昌磨は普段どおりに滑ればGPファイナルで初優勝を収められます。
私はネイサン・チェンに負けるイメージがわいてきません。

羽生結弦が全日本選手権も世界選手権も出場が危ぶまれ、この選手にかかる期待は大きくなります。

(2018年12月6日執筆)

category:宇野昌磨ブログはこちら。

◆書き加え(12月20日)

宇野昌磨はしょうまないなぁと

宇野昌磨はご承知のとおり、またしてもGPファイナルでネイサン・チェンに敗れました。
私は実力で宇野昌磨がかなり勝ると考えています。
率直に言って「何をやっているやら、しょうまないなぁ」。

宇野昌磨は2年近く、GPファイナルや世界選手権、オリンピックの大舞台のどれかで頂点に立ってもおかしくないと思ってきました。
しかし、これまでのところその姿を見られません。
しかも、第一人者の羽生結弦が不在の大会でも勝てていません。
「今度こそは」と思うのですが、期待を裏切られます。
宇野昌磨からはメンタルが弱いとの印象は受けません。

熱心なファンはとても無念に感じていることでしょう。
才能にも恵まれているのですから、どうしたら勝てるかをもっと冷静に探ったほうがいい。
私はこのところじれてきました。

◇◆◇

宇野昌磨に関するブログは以下のとおり。

⇒2018年12月20日「宇野昌磨ファンはすかっとした気分を味わえず」はこちら。

⇒2018年12月18日「勝てない宇野昌磨は勝てる紀平梨花に学べ」はこちら。

⇒2018年10月29日「宇野昌磨はそろそろ世界一になってもいい」はこちら。

⇒2018年10月8日「宇野昌磨は憧れの高橋大輔を見にいく」はこちら。

⇒2018年3月24日「宇野昌磨、世界選手権枠取りに全日本王者の自覚と気迫!」はこちら。

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