コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

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遠距離恋愛カップルの逢瀬…バレンタインデー

私は40歳までプランナーだった。
若い頃、体がチョコレートを受け付けなかった。
記憶が曖昧だが、40代になってからいくらか食べられるように変わった。

その私がプランナーとして携わったのは、バレンタインデーのセールスプロモーション(SP)企画。
大半はプレミアムキャンペーンである。
おもに若い女性に購買を促進する。
しかし、それ以前に「バレンタインデー」そのものを日本社会に浸透させる。

私は凸版印刷(トッパンアイデアセンター)や電通などの代理店を経由し、森永製菓や明治製菓などの仕事を行った。
また、高級品のメリーチョコレートにかなり。

ヨーロッパなどでは女性から男性へ、男性から女性へ、銘々が自由にプレゼントする。
花やケーキ、カードなどさまざま。
チョコレートがアイテムに加わるのは19世紀後半以降。
やがてハート型などのギフトボックスが開発され、恋人用に使われ出した。

したがって、日本のようにホワイトデーは存在しない。
キャンディなどの販売促進のために考案された。
私は菓子メーカーの商魂に驚きながら、この企画にもいくらか関わった。

今日、女性から男性へ愛情や親しみを込めてチョコレートを贈る習慣が根づいている。
しかし、「JR東海バレンタイン・エクスプレス」は存在しない。

以下に、「JR東海クリスマス・エクスプレス赤い口紅CM」と題する2010年12月22日のブログを収める。

                      ◇◆◇

私が、クリスマスが近づくと思い出すのが、山下達郎の「クリスマス・イブ」。
それともう一つ、JR東海のクリスマスCM。
以下は、ウィキペディアなどの情報を交えて記した。

JR東海「クリスマス・エクスプレス」。
東海道新幹線のイメージCMシリーズである。
「会うのが、いちばん。」。
若者の共感を呼び、バブル崩壊の1990年を挟んだ前後各2年ほど展開された。
ターゲット世代の期間中の利用を増やしただけでなく、学生の就職人気企業ランキングを上位に押しあげた。

とはいえ、私が記憶しているのは、1988年に放映された「ホームタウン・エクスプレス」のクリスマス編。
遠距離恋愛のカップルが新幹線でクリスマスに再会を果たすドラマ仕立てだった。
翌年以降制作された「クリスマス・エクスプレス」シリーズの第1弾となった作品。

私が鮮明に覚えているのは、真っ赤な口紅を塗った、顔立ちのはっきりしたボーイッシュ(ショートカット)の女の子。
年齢不詳…。
ところは新幹線のプラットフォーム。
最終列車だろうか、待ち侘びた彼は現れなかった。
落胆した背中の向こう、柱の陰からリボンで結ばれたクリスマスプレゼントが覗く。
やがてプレゼントで顔を隠した男がムーンウォークを踊る・・・。
ストーリーも演出もよく、完成度が高かった。
ほかの作品はすべて忘れたが、赤い口紅のこの作品だけは強く印象に残っている。
名作だろう。

ネット上のCM動画を再生したら、女の子は大きなイヤリングが赤、タートルネック(マフラー? スカーフ?)が赤、マニキュアが赤、プレゼントは包装紙が赤だった。
男の子はパントマイム風。
女の子の口の動きが面白い。
当時15歳の深津絵里(高原里絵)だった。

ケータイのない時代、離れて暮らす若い男女がコミュニケーションを取ることが大変だった。
思いが募り、イマジネーションが膨らんだ。
たまに会えるとなると、心が高揚した。
不案内な場所で待ち合わせると、相手を見逃すまい、相手とすれ違いになるまいと、目を凝らした。
切ない時間だった。

いまシリーズ5作品をすべて見た。
他の作品もぼんやりと記憶がよみがえってきた。
CMは時代を映す鏡であり、世相を濃厚にまとう。
全作品が日本の絶頂期を背景にしている。
「クリスマス・エクスプレス」という提案自体がそう。
真っ赤な口紅の女の子もそうだし、ムーンウォークの男の子もそう。
ただし、この作品はどこか懐かしさを引きずっている。
逢瀬(おうせ)の普遍性を表現しているように思う。

1990年の作品はバブルそのもの。
そして、1992年の作品にかけてトーンダウン・・・。

なお、CMのテーマ曲に使われた山下達郎の「クリスマス・イブ」はクリスマスソングとしてすっかり定着した。

⇒2010年12月21日「山下達郎クリスマスソング…絶句する完成度」はこちら。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

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JR東海クリスマス・エクスプレス赤い口紅CM

私が、クリスマスが近づくと思い出すのが、山下達郎の「クリスマス・イブ」。
それともう一つ、JR東海のクリスマスCM。
以下は、ウィキペディアなどの情報を交えて記した。

JR東海「クリスマス・エクスプレス」。
東海道新幹線のイメージCMシリーズである。
「会うのが、いちばん。」。
若者の共感を呼び、バブル崩壊の1990年を挟んだ前後各2年ほど展開された。
ターゲット世代の期間中の利用を増やしただけでなく、学生の就職人気企業ランキングを上位に押しあげた。

とはいえ、私が記憶しているのは、1988年に放映された「ホームタウン・エクスプレス」のクリスマス編。
遠距離恋愛のカップルが新幹線でクリスマスに再会を果たすドラマ仕立てだった。
翌年以降制作された「クリスマス・エクスプレス」シリーズの第1弾となった作品。

私が鮮明に覚えているのは、真っ赤な口紅を塗った、顔立ちのはっきりしたボーイッシュ(ショートカット)の女の子。
年齢不詳…。
ところは新幹線のプラットフォーム。
最終列車だろうか、待ち侘びた彼は現れなかった。
落胆した背中の向こう、柱の陰からリボンで結ばれたクリスマスプレゼントが覗く。
やがてプレゼントで顔を隠した男がムーンウォークを踊る・・・。
ストーリーも演出もよく、完成度が高かった。
ほかの作品はすべて忘れたが、赤い口紅のこの作品だけは強く印象に残っている。
名作だろう。

ネット上のCM動画を再生したら、女の子は大きなイヤリングが赤、タートルネック(マフラー? スカーフ?)が赤、マニキュアが赤、プレゼントは包装紙が赤だった。
男の子はパントマイム風。
女の子の口の動きが面白い。
当時15歳の深津絵里(高原里絵)だった。

ケータイのない時代、離れて暮らす若い男女がコミュニケーションを取ることが大変だった。
思いが募り、イマジネーションが膨らんだ。
たまに会えるとなると、心が高揚した。
不案内な場所で待ち合わせると、相手を見逃すまい、相手とすれ違いになるまいと、目を凝らした。
切ない時間だった。

いまシリーズ5作品をすべて見た。
他の作品もぼんやりと記憶がよみがえってきた。
CMは時代を映す鏡であり、世相を濃厚にまとう。
全作品が日本の絶頂期を背景にしている。
「クリスマス・エクスプレス」という提案自体がそう。
真っ赤な口紅の女の子もそうだし、ムーンウォークの男の子もそう。
ただし、この作品はどこか懐かしさを引きずっている。
逢瀬(おうせ)の普遍性を表現しているように思う。

1990年の作品はバブルそのもの。
そして、1992年の作品にかけてトーンダウン・・・。

なお、CMのテーマ曲に使われた山下達郎の「クリスマス・イブ」はクリスマスソングとしてすっかり定着した。

⇒2010年12月21日「山下達郎クリスマスソング…絶句する完成度」はこちら。

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JTB・近ツリ・日本旅行はリストラ、賃下げ、年金減額を加速

旅行業界の勢力図が塗り替えられていた。
楽天トラベルが5位に躍進。
あっという間の出来事…。
三木谷浩史代表取締役会長の高笑いが聞こえてくる。

旅行業界が未曾有の危機に直面している。
最大手のJTBを筆頭に、ほとんどの旅行代理店が極端な業績不振に苦しむ。

JTBは決算が過去最悪だった。
その理由として、景気悪化による出張需要の激減、新型インフルエンザ流行による観光需要の落ち込みなどを挙げた。
これは一因にすぎない。
田川博己社長以下、何と呑気な会社だろう。
私が長年不思議なのは、学生の就職人気企業ランキングの類で好位置どころかしばしば首位に立つことだ。
かなり前から収益構造が綻びはじめており、理解に苦しむ。
学生は株主構成を見て安心しているのか…。

2位の近畿日本ツーリスト(近ツリ。近ツー)は悲惨極まりない。
収入の増加が見込めず、支出の削減に努めたが、債務超過に陥った。
信用不安がささやかれたこともある。
3位の日本旅行も似たり寄ったり。
昔、両社の合併話が持ち上がり、あっさりと消えた。
実は、阪急交通社に抜かれ、4位。

旅行業界は、かつてのビジネスモデルの有効性が失われつつある。
にもかかわらずJTBに危機感が欠けるのは、2位以下が束になっても売り上げで遠く及ばないからだ。

元気なのは、すでに述べたネット専業の楽天トラベル。
わりと最近まで注目された5位のエイチ・アイ・エス(HIS)を抜いた。

旅行の窓口(カウンター)販売はインターネット販売に陳腐化された。
大手旅行代理店がエネルギーを注いで構築した店舗網が重しに変わった。
しかし、彼らのネット事業への取り組みは遅々として進まなかった。
店頭販売への悪影響を恐れて躊躇した結果である。
本音は、既得権益にしがみつきたかった。

大手旅行代理店は店舗の閉鎖や従業員の解雇を予定したり実施したりしている。
賃金の引き下げや企業年金の減額も…。
が、私はその程度のリストラやカットでは会社が回っていかないと思う。
もっと大胆な合理化に踏み切れないところは、存在自体が消滅に向かう。
事業の劇的な再構築が必須であり、労組の対応が案外生き残りのカギを握る?

きのうのブログで、タバコの税金の一部が国鉄の借金の返済に回されていると述べた。

⇒2010年10月1日「人気液晶テレビが購入可能…タバコ値上げ分」はこちら。

3社に共通するのは、親会社など大株主が社長を送り込んできたこと。
“引退の花道”くらいにしか考えていないせいか、リーダーシップを発揮し、再建に体を張ろうとしなかった。
よどんだ文化や風土と戦いながら、経営や事業、組織の病巣にメスを入れるのは命懸けである。
社長の内部昇格が認められるようになった企業とて、長年ぬるま湯に浸かった人材では不可能だろう。
抜本的な企業改革は先送りされてきた。

今後、環境変化は加速する。
それに適応できない大手旅行会社は業績が急降下し、経営破綻を避けられない。
少なくとも規模が極端に縮小する。
倒産に至るとすれば、歴代の経営陣の責任も重いと言わざるをえない。

⇒2010年1月22日「日本航空、破綻の原因と今後の再建」はこちら。

image

















以下に、「苦境JTB、国内店舗網大リストラ」と題する2009年11月26日のブログを収める。
手を加えていない。

                      ◆◇◆

先日のブログ「販売手数料廃止、旅行代理店消滅へ」で、「JTB」に代表される旅行代理店の時代が終わろうとしていると述べた。
今朝の日本経済新聞第1面トップは「JTB、国内 200店閉鎖」の見出し。
実は、販売額が深刻な前年割れに陥っていた。
2011年度末までに国内店舗網の2割強に相当する2百店近くを閉鎖する。
不振の駅前中規模店が中心になる。
旅行業界では前例のない大リストラだ。
主力の店頭カウンター販売を縮小し、インターネット販売に本腰を入れる。
遅い、遅い、遅い…。
手元の既得権益を守ろうとする結果、楽天トラベルなどのネット専業に先を越されてしまった。
こちらは業績が好調。
JTBは店舗閉鎖にともない、従業員も大リストラか?

ただ、これにより業界の値下げ競争に猛烈な勢いがつくのは避けられない情勢だ。
旅行代理店はもとより、ホテル・旅館も経営環境はさらに悪化しそう。
本格的な再編・倒産の時代に突入した。
なお、私はホテル・旅館がホームページを通じた“直販”へ一気にシフトするため、近い将来、ネット旅行代理店も苦境に陥ると考えている。
販売手数料ビジネスは成り立たなくなる。
したがって、JTBは2割強の店舗削減ではまったく追い付かない。
私に言わせれば、中途半端な経営決断だ。
近畿日本ツーリストや日本旅行もやっていけないはず。
いまは、それなりの都市なら駅前に「JTB」の看板がかかっている。
5年程でどんどん消えていくのでないか。

私は企画力養成の企業研修で力説している。
すべての業種に通じるが、主力事業を自社で陳腐化するなら両方の売り上げを手に入れることができる。
しかし、他社に陳腐化されてしまうと主力事業の売り上げを奪われて立ち行かなくなる。
21世紀の経営トップの最大の仕事は、昨日のビジネスモデルの否定だろう。

                       ◇

2009年11月18日のブログ「販売手数料廃止、旅行代理店消滅へ」は以下のとおり。

「旅行代理店」の時代が終わろうとしている。
経営難に苦しむ航空会社が旅行代理店への販売手数料(コミッション)を相次いで廃止している。
空路だけでなく陸路、やがて海路の交通事業者も追随するのだろうか?
そうなると、旅行代理店は顧客への発券手数料(フィー)を設定せざるをえない。
これまでの収入を失うわけだから、当然だ。
それはチケットのプライスに上乗せされる。
私たちとしては抵抗があり、それをなくしたいというのが心情だ。
消費者は一斉に直接購入へ動く…。

航空会社はインターネットを通じた直接販売に傾斜する。
私は、陸路以外は利用しない。
ほとんど新幹線。
東海道新幹線と山陽新幹線についてはケータイ予約。

こうした旅行業界の地殻変動を受け、宿泊施設はインターネットを通じた直接販売に傾斜する。
私はかなり前から旅行代理店を利用しなくなった。
ここ数年はウェブ旅行代理店を利用。
ところが、ここ1〜2年はホテルや旅館のホームページで直接予約することが多くなった。
最近までウェブ旅行代理店が宿泊施設のホームページではありえない値段で案内のメールを送ってきた。
とくに空き部屋を間際に埋めようとするときなど…。
が、いまではホームページの最安値を下回ることが少なくなった。

ホテルや旅館はホームページで宿泊予約を受け付けると、詳細な顧客情報を得られる。
そして、顧客の承認を前提とし、それ以降は自由に働きかけを行える。
おもに手段がメールなので、手間とコストがかからず、時間が短く、しかも大きな効果を得られる。
案内の内容も、宿泊に館内のレストランやショップの利用を絡めたプランとすることにより、集客促進と販売促進を同時に図れる。
宿泊施設も販売手数料の廃止に踏み切るのだろうか?

中小・中堅クラスの旅行代理店のなかには、深刻な経営危機に直面しているところがある。
「あの旅行代理店は大丈夫?」。
不安の声が飛び交う。
今後は旅行業界全体に倒産や再編の暴風雨が吹き荒れる。
しかも、それはリアルに留まらず、ウェブ旅行代理店に及ぶ可能性が高い。
「JTB」に代表される旅行代理店の時代が終わろうとしている。

なお、旅行代理店のビジネスを消滅へ向かわせている最大の要因は、消費者(顧客)の変化だ。

以上。

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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
面白くないジョークの会会長 

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