先週金曜日深夜、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」で製造業などを中心に、中小・零細企業が大淘汰に見舞われると報じていた。

番組で最初に取り上げられたのは町工場の集積地、大田区である。
最盛期は9千社に上った。
それがいまや4千社に減った。
きわめて深刻な状況である。

多くの企業は家族的な経営を続けてきた。
従業員は身内なのだ。
社長の心労は察するに余りある。

このブログで以前、「シャッター工場街」を取りあげた。
大田区では平日の昼間でもシャッターを下ろした町工場が目立つ。

先週、地元の産業経済団体から後継者や二世経営者向けの営業強化セミナーについて打診を受けた。
全4回シリーズ。
あくまで講師の候補として検討されている段階である。
企画自体も本決まりでないようだ。

もし私に決定することがあれば微力ながら、そうした社長たちに勇気と元気を与えたい。
既存顧客が減少し、しかもその発注が減少しているので、「新顧客」の開拓についても触れようと意気込んでいる。
はっきり言って、新規開拓で成果を出せなくては生き残れない。
また、「脱下請け」「自社製品開発・投入」にも営業強化は絶対条件だろう。

実は先週、三菱UFJリサーチ&コンサルティングから新テーマの講演の依頼があった。
演題は「中小企業・地場企業 社長の営業活動(仮)」。
名古屋地区は日本の「モノづくり」を支える製造業の一大集積地である。
例えば、自動車部品メーカー・工場…。
下請けや孫請けは、受注の減少により厳しい経営を強いられている。
生き残るには、いわゆる「トップセールス」を積極的に展開するほかにない。

ところが、長らく上から仕事が降ってきたので、営業活動を行うことに強い抵抗感や拒絶意識を持っている。

                       ◇

和田創研では再来月、中小・零細製造業の経営者を対象とした受注拡大・新規開拓のための新セミナーを開催する。

演 題◇中小企業・地場企業 社長の営業活動
〜待っていても仕事は取れない、商品は売れない
特 徴◇苦手意識を吹き飛ばす具体的セミナー
日 時◇2011年3月9日(水) 10時20分〜16時40分
会 場◇丸の内トラストタワー本館(東京駅日本橋口0分)
20階サーブコープ内 和田創研
対 象◇社長・役員など経営幹部の方々
定 員◇10名(増員なし)

会場が役員会議室につき座席を増やせない。
どうか早めにお申し込みいただきたい。
最高の環境でのコンサルティングタイプのセミナーだ。

トップセールスは、小手先のセールステクニックを身につけたところでほとんどうまくいかない。
右肩下がりの経済、飽和・縮小市場の営業活動における要諦を押さえなくてならない。
私はその勘どころをじっくりと指導する。

以下に、「社長の悲鳴…中小製造業・零細町工場」と題する2009年11月4日のブログを収める。

                      ◇◆◇

中小製造業や零細町工場が深刻な経営危機に直面している。
私は“ながら視聴”だが、その惨状を取りあげた報道番組に幾度か接した。
多くの社長が「仕事がない」と悲鳴を上げる。
なかには「いまの状態が続くと、会社がつぶれる」。
借金を背負っていると、工場を畳むこともできない。
倒産が迫る…。

中小製造業や零細町工場はほとんどが「家族経営」。
とくに地場企業。
周辺でそこしか働き場所がないという地方も少なくない。
社員の生活がかかる経営者にとり、昨秋以降は地獄の苦しみの連続だったに違いない。
番組映像は、川崎か大森辺りの町工場の集積地だろうか。
平日にもかかわらず、通りはシャッターを下ろした建物が目立った。
日本はシャッター商店街に加え、シャッター工場街が増えている。

ところで、私は番組で非常に気になったことがある。
「仕事がない」と悩む社長が、なぜか社内にいる。
止まった機械や手持ちぶさたの従業員も映し出される。
惨状を強調するのが取材の目的だからなのか…。
社員もさることながら社長が仕事を取るためにしゃにむに動いている気配がまったく伝わってこないのだ。
一般に、不況期では全員が営業活動に飛び回るので、多忙を極める。
社内はもぬけの殻に…。
そうでなくては会社が回っていかない。
社内にいて皆で「仕事がない」とこぼしている?
どこからも仕事は降ってこない。
うちにいて「仕事がない」とこぼすフリーランスと同じ次元だ。

幸い、営業活動の失敗と成績は正比例の関係。
売り上げを伸ばすには、失敗を増やせばよい。
だが、果敢に動かないと、失敗を増やせない。
危機感が薄いのか、無力感に捉われているのか…。
中小製造業と零細町工場に圧倒的に不足しているのは、受注回復・拡大への営業努力である。

                       ◇

なお、このブログで述べたとおり、私が社長などを対象に行う「個別経営相談」において、相談者の第一声は「仕事がない」だ。
確かに資金繰りに汲々としている。
しかし、それ以上に中小・零細企業が困っているのは「仕事がない」こと。
社長は、返済しなければならないカネよりも仕事のほうがはるかに欲しい。
この現実を、民主党政権は知っているか。

財政が非常事態の日本だが、困窮者への手当ては不可欠である。
「友愛」を掲げる鳩山内閣ならではの重点施策。
しかし、目下の景気対策はもとより明日の経済政策をそろそろ打ち出すべき。
そうでなくては、企業経営者の心理が悪くなり、設備投資などが縮む。
やがて雇用に響く。
仕事をつくるのは困難なだけに、一日も早く本腰を入れて取り組むよう切望する。

仕事創出と返済猶予の手立てを並行して講じないと、回収不能が膨らむ。
私たちが収めた税金が失われる。

                      ◇◆◇

社長や取締役など経営トップを対象とした営業再建・業績回復講演・セミナーに関するブログは以下のとおり。

⇒2011年1月22日「ぎっくり腰講師…営業再建・社長向け講演」はこちら。

⇒2011年1月24日「新規開拓を活発にする…SMBC実践営業塾」はこちら。

⇒2011年1月25日「名古屋地場製造業が苦しい…社長セミナー」はこちら。

⇒2008年10月27日「やはり名古屋はトヨタ頼み」はこちら。

⇒2008年11月27日「トヨタに命を預ける…太っ腹経営者」はこちら。

⇒2008年12月4日「トヨタ系部品メーカーの悲鳴」はこちら。

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