コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

成功の条件

浅田真央が流した悔し涙の価値とは?

何事も中途半端で投げ出してきた私は、これまで一度も悔し涙を流したことがない。
「30人31脚」「全日本吹奏楽コンクール」など、子ども(少年・青年)が出場するさまざまな競技が舞台裏を含めてテレビで放送される。
敗者はたいてい大泣きする。
本気で悔しがるのは、本気で取り組んだ証である。
そう、限界まで頑張った。
私は立派だと思う。
そうした涙を否定しない。

⇒2010年1月3日「本気で悔しがる生き方、働き方」はこちら。

本気で悔しがる。
ありそうでない。
私自身はこれからも経験せずに一生を終えるのでないか。
本気で数知れず悔しがれるのは、ごく一握り成功者だ。
彼らの最大の共通点は、敗北や挫折、失敗の経験が突出して多いことである。

⇒2009年11月9日「成功の条件を考える」はこちら。

しかし、私は昭和26年(1951年)生まれの古い人間であり、人前で涙を流すのは潔くないという気持ちをどこかで引きずっている。
最近、だれもかれもたやすく泣きすぎる…。

そう考える私が感動したのが、2010年バンクーバー冬季五輪(オリンピック)で浅田真央が流した大粒の涙である。
とても痛ましかったが、同時にとても美しかった。
彼女が本番を迎えるまでに重ねてきた努力、乗り越えてきた試練に思いを馳せれば、悔し涙には正当な「価値」が認められる。
その尊さが、私たちの心を強く打った。

バンクーバー五輪で浅田真央は敗北を喫したわけでなく、銀メダルを得た。
ただ、彼女が望んでいた表彰台の一番高いところに立てなかった。
そこにすべてをかけ、凄まじい情熱とエネルギーを傾けてきた。
私が過去のオリンピックでもっとも印象に残った悔し涙である。

浅田真央は、自分に厳しい。
そして、周囲に優しい。
とくに気配りが半端でない。
若いのだから、私は気楽に、いや勝手に振る舞ってもらいたい。
が、浅田真央は決してそうしない。
この子が背負うものはあまりに重い。

2006年トリノ冬季五輪(オリンピック)金メダリストの荒川静香はしがらみと無縁だった。
本番では、大勢の期待に応えるのでなく、自分の滑りを見せることに徹した。
彼女が目指したのは、あくまでプロ転向の片道切符を手にすること。
私が知る範囲でもっともエレガントなスケーティングだと感じたが、人気はそれほど高くない。
ちなみに、もっともドラマチックなスケーティングだと感じたのはカタリナ・ヴィット。

荒川静香は目的志向が強く、そこから少しでも外れたものはばさばさ切り捨てられる。
日本人のウエットな国民性とかけ離れた地点に立つ。
これも立派な見識だろう。
そして、自分にとっての至上命題をクリアした。

日本選手が一つもメダルを取れないうちに、トリノ五輪は最終盤に差しかかった。
私たちが諦めかけていたとき、荒川静香はもっともまぶしいメダルをつかんだ。
努力が大前提にしろ、先の意思(考え)がそれを引き寄せた。
また、運をあわせ持っていた。

この選手に何が何でも金メダルを取らせてあげたい。
国民の多くがそう願うこと自体がとんでもなく凄い。
私は、2014年ソチ五輪で浅田真央が楽しく滑る姿を見られるなら満足である。
それだけで十分にうれしい。
が、栄冠に輝くことがあれば熱狂するだろう。
おそらく近藤良平「てっぱんダンス」でもっとも印象的な「トン! トン! トン!」のポーズをやってしまう。
あれは最高の歓喜を表現している。
浅田真央には頂点が似合う。

続きはあさって、「浅田真央不調、ソチ五輪への長いトンネル・・・」のブログで…。

⇒2010年11月21日「てっぱんダンス…瀧本美織はだれと踊るのか?」はこちら。

以下に、「浅田真央と荒川静香、金メダルの苦闘」と題する2010年2月24日のブログをそのまま収める。

                      ◇◆◇

バンクーバー冬季五輪(オリンピック)は終盤に差しかかった。
フィギュアスケート女子シングルが始まる。
きょうがショートプログラム(SP)、あすがフリー。
日本人の注目が一番高い種目だろう。
2006年トリノ五輪で唯一のメダルが、女子フィギュアでの荒川静香(あらかわ・しずか)の金メダルだった。

私は先日、NHKの「スポーツ大陸」を見た。
例により、ながら視聴。
日本経済新聞のテレビ欄に、「荒川静香 前年9位からの大逆転 栄光を生んだ選択とは」と記されていた。
インターネットで調べたら、過去の番組の再放送だった。
「大逆転スペシャル 栄光への選択 〜トリノ五輪 荒川静香〜」。
日本人初の金メダルを獲得した荒川静香。
確かに奇跡だったが、まぐれでなかった。
番組では、会心の勝利へ向けた苦悩と苦闘の足跡を紹介していた。

天才少女と称され、1998年長野五輪に16歳で初出場を果たした。
しかし、明確な目標を持てず、2002年ソルトレイクシティ五輪は出場を逃した。
2004年世界選手権で優勝し、才能が開花した。
が、採点方法の変更も影響してか、2005年世界選手権は9位に終わった。
何とかトリノ五輪の日本代表の座を手にしたが、荒川静香が目指したのは“勝利”でなかった。

「自分の最高の演技をたくさんの人の記憶に残したい」。
荒川静香は大会直前に非常識な決断を行った。
コーチと曲を変更し、得点につながらないイナバウアーを組み込んだ。
なるほど、これで謎が解けた。
日本経済新聞でスポーツ評論家が荒川静香を問題外と酷評していた。

本番では、ショートプログラム3位。
が、完璧なフリーで、大本命とされたロシアのイリーナ・スルツカヤを圧倒した。
ショートプログラムとフリーで自己ベストを更新。
当然、総合でも…。
大逆転で栄冠をつかんだ。

私は番組を通じ、荒川静香が五輪参加に「価値」を見出せなかったと知り、仰天した。
同時に、納得した。
プロフィギュアスケーターとしてやっていくには、デビューのきっかけが必要だ。
それが五輪でのメダル、なかでも金メダル。
彼女は競技でなく演技を究めたかったのだ。
それゆえ、技術と表現(美しさ)のはざまで葛藤した。

このブログで幾度か述べたが、荒川静香は五輪史上もっともエレガントなスケーティングを見せた。
芸術性はともかく、「優雅さ」ではカタリナ・ヴィットを凌ぐ。
私は「美しさ」という言葉を用いたいのだが、美とは何かという話になるとややこしい。
とりわけ驚嘆したのは、平板になりがちな“つなぎ”のスケーティングの豊かな表現力であり、突出した美しさである。
私は感動した。

五輪会場が熱狂に包まれるにつれ、荒川静香のフリーの演技は冴えわたっていった。
リンクで滑るのは、選手でなくアーティスト。
彼女は自らの願望に従い、ライバルと戦うのでなく、大勢に魅せた。

荒川静香にとり、オリンピックでの金メダルは目的でなく手段にすぎなかった。
目指すは、皆に喜んでもらうこと。
が、結局、自分のために滑った。
それが言いすぎなら、自分の夢をかなえるために滑った。

荒川静香はトリノ五輪の前から「引退」を決めていたのだ。
国民の興奮が冷めやらぬなか、やけにあっさり表明したと思ったら…。
五輪に何の未練もないのだ。
彼女は競技でなく演技の世界で生きたかった。
栄冠を手みやげにプロへ転向した。
そう、金メダルはゴールでなくスタート!

荒川静香は、日本人の感性では理解しがたいところがある。
「自我と自由」を大事にしているからだ。
そして、それを貫く。
大衆人気がいま一つの最大の理由では…。

                       ◇

やはり先日、私はNHKスペシャル「浅田真央 金メダルへの闘い」を見た。
浅田真央(あさだ・まお)は、勝負のカギとなるフリーで、タチアナ・タラソワコーチと五輪の頂点に立つために磨き上げてきたプログラムを披露する。
可憐なイメージを脱ぎ捨て、ラフマニノフの荘厳な前奏曲「鐘(かね)」の曲調に合わせた表情と表現を打ち出すとか…。
こちらも賭けである。

本大会で日本勢はメダルを獲っているが、「金」はゼロ(2月23日午後9時現在)。
国民が無条件で熱狂するのは金メダルだ。
浅田真央はその期待を一身に背負い、本番のリンクに立つ。

私は、まずは自分のために大舞台での滑りを存分に楽しんでもらいたい。
結果は、後からついてこよう。

                      ◇◆◇

2010年カナダ・バンクーバー冬季五輪(第21回冬季オリンピック)およびフィギュアスケート女子・浅田真央などに関するブログは以下のとおり。

⇒2010年11月10日「安藤美姫と小塚崇彦、アベック優勝の注目度」はこちら。

⇒2010年10月26日「浅田真央の敵、キム・ヨナの敵はだれか?」はこちら。

⇒2010年10月25日「浅田真央を気づかう高橋大輔と村上佳菜子」はこちら。

⇒2010年10月24日「浅田真央、北島康介が最高の教科書…五輪金メダル」はこちら。

⇒2010年10月3日「浅田真央はしっとり大人の“女”へ…20歳の変身」はこちら。

⇒2010年7月3日「浅田真央新コーチ人選、ソチ金メダル条件」はこちら。

⇒2010年5月4日「アンジェラ・アキと浅田真央の失敗」はこちら。

⇒2010年4月18日「キム・ヨナ、気になる去就に決着か」はこちら。

⇒2010年4月16日「妹真央を兄大輔が気遣う春の園遊会」はこちら。

⇒2010年4月10日「石川遼と浅田真央、あふれる悔し涙」はこちら。

⇒2010年4月1日「キム・ヨナ、圧巻のエキシビション!」はこちら。

⇒2010年3月31日「金荒川静香が通った道…羽生結弦」はこちら。

⇒2010年3月30日「銀・浅田真央は金・荒川静香より凄い!」はこちら。

⇒2010年3月28日「笑顔がこわばる浅田真央…フィギュア表彰台」はこちら。

⇒2010年3月28日「浅田・長洲・村上、ソチ五輪表彰台独占へ!」はこちら。

⇒2010年3月27日「浅田真央vs長洲未来…ソチ五輪前哨戦?」はこちら。

⇒2010年3月26日「高橋大輔、日本男子初の金メダル!」はこちら。

⇒2010年3月4日「あきれた浅田真央と高橋大輔の言葉!」はこちら。

⇒2010年2月28日「浅田真央敗因分析、ソチ金へ新コーチ」はこちら。

⇒2010年2月24日「浅田真央と荒川静香、金メダルの苦闘」はこちら。

⇒2010年2月21日「浅田真央、金メダル極秘練習全記録…NHKスペシャル」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、4回転失敗も銅メダル!」はこちら。

⇒2010年2月19日「高橋大輔、攻めか守りかメダル予想」はこちら。

⇒2010年2月17日「男子フィギュアSP、高橋3位、織田4位」はこちら。

⇒2010年2月13日「バンクーバー五輪開幕、日本メダル予想」はこちら。

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成功の条件を考える

創造とは挑戦であり、したがって失敗である。
よほどの才能か幸運に恵まれないかぎり、人は挑めばかならずしくじる。
挑戦なくして創造なし、失敗なくして創造なし。
とりわけ若い社会人にとり、失敗が職業人生に創造をもたらす道である。

世界的な建築家、東京大学特別栄誉教授の安藤忠雄にこんな言葉(著書)がある。
「連戦連敗」。
「連戦」から分かるのは、無限に挑んだこと。
「連敗」から分かるのは、無限にしくじったこと。
「連戦連敗」から分かるのは、無限にしくじったが、それでも無限に挑んだこと。
結局、氏は勝利を収めた。
ここから分かるのは、人は無限に挑み、無限にしくじらないと、創造に近づけないこと。
コンクリート打ちっ放しはつとに有名。

ファーストリテイリング代表の柳井正にこんな言葉(著書)がある。
「一勝九敗」。
「一勝」から分かるのは、1回うまくいったこと。
「九敗」から分かるのは、9回うまくいかなかったこと。
「一勝九敗」から分かるのは、9回うまくいかなかったが、それでも1回うまくいったこと。
結局、氏は勝利を収めた。
ここから分かるのは、人は九敗を避けると、一勝も挙げられないこと。
カジュアル衣料のユニクロはつとに有名。

安藤忠雄の成功は連敗によりもたらされ、柳井正の成功は九敗によりもたらされた。
先の言葉は、しゃにむに突き進んだ人だけがつかみえた真理であろう。
私たちは成功者の成功に目を奪われやすいが、失敗に目を向けることが大事なのだ。

                       ◇

なお、本日のテーマについて、もう少し詳しく、あるいはもう少し掘り下げて語っている。


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講演TV(人生編)
成功の条件を考える
※5分34秒。
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和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

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