私が数年間おつきあいさせていただいている大手企業から手紙をいただいた。
何だろうと思いながら開封すると、贈答品および接待を辞退するというお知らせ。
歳暮と忘年会の時期が近づいている。
初めてのことで、私は驚いた。
同社はおもな取引相手に対して一斉に送付したに違いない。
趣旨は、社内に公正な商取引を遵守させること。
なるほど…。
しばらくして、こんな考えが浮かんだ。
コンプライアンスの取り組みはいまに始まったことでない。
同社は優良企業だが、それでも昨秋以降の未曽有の不況が業績に影を落としている。
それがいくらか関係しているのでないか?
取引相手に“誠意”を示されれば、仕事などで“お返し”を行わなくてなるまい。
また、贈答品や接待にかかったカネは結局のところ、請求に上乗せされる。
同社は高い仕事を発注することになる。
ときに重要性や緊急性のそれほど高くない仕事を発注することになる。
私は、先だっても講師として「提案営業研修」に伺ったばかり。
長らく伸びつづけてきた賞与は、今年の夏も過去最高を塗り替えた。
が、受講者が「冬は厳しい」と顔を曇らせた。
といっても、若干か。
世間では、冬のボーナスは1978年の調査開始以来、最大の落ち込み幅となる。
機械や自動車など輸出型製造業は2割を超える。
これと比べると、同社は業績が安定している。
それでも業務コストの引き下げを目論む…。
ところで、先日のブログで、忘年会シーズンはまったく盛りあがりに欠けそうだと述べた。
企業は忘年会の回数削減や中止、あるいは予算削減に踏み切る。
どうやら内輪に留まらず、顧客との忘年会(接待)に及ぶ。
昨日の日本経済新聞夕刊第1面に「ブランド和牛値下がり」の囲み記事が載っていた。
卸値が2年連続で大幅に下がっているのだ。
前年比で松坂牛は7パーセント、前沢牛は20パーセント。
理由は、贈答品と接待の費用抑制や取り止め。
個人需要もさることながら、やはり法人需要の不振が響いている。
まさに、私がいただいた手紙どおり。
鳩山内閣が事実上の「デフレ宣言」を行った。
私は、実態はもっと深刻だと思う。
「物価下落⇒企業収益圧迫⇒所得減少(雇用不安)⇒個人消費不振」というサイクルが回る「デフレスパイラル」に陥っている。
非常事態ゆえに困窮する国民や中小企業への手当てが欠かせないにしろ、鳩山内閣が明確な成長政策を打ち出して推し進めないかぎり、日本経済はどんどん縮んでいく。
年明けは「二番底」が現実になりかねない。
私たちは戦後もっとも静かな年の瀬を迎えようとしている。
盛り場に閑古鳥が鳴く?
⇒11月20日「賞与激減、忘年会予算半額の師走」はこちら。
⇒11月21日「政府宣言、デフレスパイラルに突入?」はこちら。
Copyright (c)2009 by Sou Wada
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何だろうと思いながら開封すると、贈答品および接待を辞退するというお知らせ。
歳暮と忘年会の時期が近づいている。
初めてのことで、私は驚いた。
同社はおもな取引相手に対して一斉に送付したに違いない。
趣旨は、社内に公正な商取引を遵守させること。
なるほど…。
しばらくして、こんな考えが浮かんだ。
コンプライアンスの取り組みはいまに始まったことでない。
同社は優良企業だが、それでも昨秋以降の未曽有の不況が業績に影を落としている。
それがいくらか関係しているのでないか?
取引相手に“誠意”を示されれば、仕事などで“お返し”を行わなくてなるまい。
また、贈答品や接待にかかったカネは結局のところ、請求に上乗せされる。
同社は高い仕事を発注することになる。
ときに重要性や緊急性のそれほど高くない仕事を発注することになる。
私は、先だっても講師として「提案営業研修」に伺ったばかり。
長らく伸びつづけてきた賞与は、今年の夏も過去最高を塗り替えた。
が、受講者が「冬は厳しい」と顔を曇らせた。
といっても、若干か。
世間では、冬のボーナスは1978年の調査開始以来、最大の落ち込み幅となる。
機械や自動車など輸出型製造業は2割を超える。
これと比べると、同社は業績が安定している。
それでも業務コストの引き下げを目論む…。
ところで、先日のブログで、忘年会シーズンはまったく盛りあがりに欠けそうだと述べた。
企業は忘年会の回数削減や中止、あるいは予算削減に踏み切る。
どうやら内輪に留まらず、顧客との忘年会(接待)に及ぶ。
昨日の日本経済新聞夕刊第1面に「ブランド和牛値下がり」の囲み記事が載っていた。
卸値が2年連続で大幅に下がっているのだ。
前年比で松坂牛は7パーセント、前沢牛は20パーセント。
理由は、贈答品と接待の費用抑制や取り止め。
個人需要もさることながら、やはり法人需要の不振が響いている。
まさに、私がいただいた手紙どおり。
鳩山内閣が事実上の「デフレ宣言」を行った。
私は、実態はもっと深刻だと思う。
「物価下落⇒企業収益圧迫⇒所得減少(雇用不安)⇒個人消費不振」というサイクルが回る「デフレスパイラル」に陥っている。
非常事態ゆえに困窮する国民や中小企業への手当てが欠かせないにしろ、鳩山内閣が明確な成長政策を打ち出して推し進めないかぎり、日本経済はどんどん縮んでいく。
年明けは「二番底」が現実になりかねない。
私たちは戦後もっとも静かな年の瀬を迎えようとしている。
盛り場に閑古鳥が鳴く?
⇒11月20日「賞与激減、忘年会予算半額の師走」はこちら。
⇒11月21日「政府宣言、デフレスパイラルに突入?」はこちら。
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