コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

教育指導

悔いを残して職業人生を終わりたくない

「悔いを残して職業人生を終えたくない」。
そんな思いをずっと抱いていました。

再婚後の子どもがこの春に高校を卒業したことも私の気持ちを軽くしてくれました。
「冒険も許されるだろう」。

私にとり節目の66歳を迎える来年が最高で最後のタイミングだと考え、起業に踏み切ることにしました。
どうせなら、もっとも苦手な分野で、しかも未経験の実業に挑んでみます。
これまで一貫して「知恵」を売ってきましたので・・・。

私がコンサルタントとして教育指導に携わるなかで、とくに高い評価をいだいたクライアント(社長)からよく尋ねられたのが、「なぜ自分でやらないのか」でした。
その返事にもなるでしょう。

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経営が切羽詰まっている

8月下旬か9月上旬、私は地方都市の小さなゼネコン(?)の社長から相談を受けた。
事前の予約は入っていなかった。
建設業界は仕事があるとされるが、経営は決して楽でないようだ。

相談の内容は深刻だったが、それ以上に社長の表情が深刻だった。
互いに予定が詰まっていたこともあり、話し合いは1時間弱で終わった。
むろん、その場で簡単に結論を出せない。

その後、私は忙しさに紛れた。
企業での教育指導が一段落した今週、私は気になって電話をかけた。
ところが、通じない。
ホームページが閉じられていた。

あれから3カ月も経たない倒産であり、何の力にもなれなかった。
私が関わったとしても、そこまで切羽詰まっている状況だと間に合わない。
おそらく相談の時点で見込みがなかった。

私が行う営業立て直しによる受注増加や収益改善には最低でも1年くらいはかかる。
もっと早めにお話をいただければと思う。
後味が非常に悪い。

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地方の中核都市に教育指導の拠点を!

昭和26年(1951年)生まれの私は63歳になっている。
知人の訃報に接する機会が増えた。
また、同級生は一握りの経営者や自営業者を除いて仕事を離れた。
サラリーマンは長くてもたいてい62歳までである。

私は新年や新年度を迎えるたび、誕生日を迎えるたび、後どのくらい現役を続けられるだろうとの思いが頭をかすめる。
自分の意思と健康もさることながら、世の中に私の力を必要とする人がいることが前提である。
講師やコンサルタントという職業は、こちらの目論見で仕事を得られるほど甘くない。

私は還暦の頃から、一年一年を大切にする気持ちが強くなった。
むろん、これまで粗末にしてきたわけでない。
むしろ、周囲に異常と映るほど頑張ってきた。
しかし、「生産性」の概念を欠いていた。
私は父から譲り受けた頑丈な体に任せ、無理を重ねてきた。
こだわりの世界で生きたがる職人気質(かたぎ)なので、納得のいく仕事を限界まで追い求めた(誤解が生じないように説明を補うと、自分のためだけにそうしたということでない)。

近年、がむしゃらに働くと反動がひどく、しかも長く尾を引くようになった。
老いを痛感させられる。
再婚後の妻と子がおり、まだ命を落とせない。
仕事の効率を意識するという、昔の自分に考えられない変化が現れた。

また、困ったことに、職業人生の残りが短くなるにつれ、やりたいこと(テーマ)が次々と出てきた。
おもに「マネジメント」と「マーケティング」に関わる教育や指導である。
私が当時、私立で唯一だった明治大学経営学部を選んだのはマネジメントに関わりたかったからだ。
また、職業として認知されていなかったプランナーとして生計を立てようとしたのはマーケティングに関わりたかったからだ。

私は晩年に達し、「原点回帰」の情熱が湧いてきた。
それを叶えたくて一年一年、さらに一日一日をいとおしんでいる。
夏以降に開催した「理念経営」「戦略経営」「理念採用」「社員採用」「社長の態度力」「上司の態度力」「管理者の報連相」「新事業・新商品開発」などのセミナーはその成果の一端である。
コンテンツの練磨に精魂を傾け、心血を注いできた。
3年間で30テーマ前後のリリースを予定しており、ラインアップがかなり充実する。

私は、かつては大手企業とのつきあいが大半だったが、このところは中小企業、それも内需型の地方企業とのつきあいに力を入れている。
収入は前者がはるかに勝るが、やりがいは後者が断然大きい。
自分が得意とする「教育指導」の側面から、低迷や衰退に苦悩する企業の業績回復・拡大に貢献したいのだ。

私は、両親ともに深刻なアルツハイマーの家系なので、ボケがいつ始まるのかも気がかりである。
避けられない宿命と腹を括っている。
老いは深まるばかりだが、心身が元気なうちは精一杯、中小企業の社業発展を支援したい。
なかでも地場企業が成長することは「地方創生」の観点からも不可欠である。
私にとっての喜びもひとしおだ。

とはいえ、「志」を実現するには、私はあまりに微力…。
そこで、地方の中核都市に根を張る中小企業と連携し、教育指導の機会や拠点を整備していきたい。
人材育成に本気のオーナー経営者の協力がなくては成し遂げられない取り組みである。
並行して、私の後継者の育成にもそろそろ着手したい。
第一級のインストラクターやトレーナーである。

私は職業人生を徐々に仕上げ、最良の状態で引き継ぎたいと考えている。

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キラーコンテンツをつくる…プロ講師の第一歩

きのうのブログ「プロ講師は仕事が激減…こづかい程度の講師料」に続いて・・・。
仕事、それも実務をテーマとした講師稼業について述べる。
私は、講師稼業は命を削る努力が大前提と結論づけた。

⇒2012年12月6日「プロ講師は仕事が激減…こづかい程度の講師料」はこちら。

プロ講師と称しながら、なぜ食べられないかといえば、キラーコンテンツを持たないからだ。
「このテーマならだれにも負けない」。
それが難しいなら、「この切り口ならだれにも負けない」でもいい。
つまり、このテーマをこの切り口からこの水準で語れる講師はほかにいない・・・。
実務講座ではワークショップやロールプレーの運営のありようも含まれるかもしれない。
自分が十八番(おはこ)と思うくらいではまったく甘い。

キラーコンテンツをつくれるなら、プロ講師として活躍の場を切り拓き、第一歩を踏み出せる。
それがビジネス環境にマッチし、受講満足を与えられるなら、プロ講師として長く食べていける。

私は、プロ講師はコンテンツが命だと考える。
そこで、新しいテーマ(切り口)でコンテンツを起こすときには、膨大な手間(労力と時間)をかけている。
正直に述べれば、頭が悪くてかかってしまう。

「百倍ルール」。
人前で話す時間の少なくとも百倍の時間を準備に注ぐという私自身の誓いである。
公開セミナーや企業研修では、午前10時に始まり午後5時に終わるというのが一般的だ。
昼食休憩を除くと6時間になるので、私は最低6百時間を費やす。
ただし、最近はコンテンツやノウハウの蓄積が進み、そこまでかからなくなった。

うんざりするくらい修正を重ね、ようやくコンテンツができあがる。
それが企業やセミナー会社で採用になる。
実施時の気づきを踏まえ、かなりの手間をかけて練り直しを行う。
内容が磨かれ、採用が増える。
実施時の気づきを踏まえ、ブラッシュアップをかけて一応の完成を見る。
その後も折に触れ、見直しを図る。

プロ講師として活躍したいと本気で願うなら、まずは1本のコンテンツをピカピカに磨くことだ。
そうでなくては、1日の受講に数万円(一人当たり。公開セミナー)、数十万円(企業研修)を払うところは現れない。

なお、コンテンツの作成では、汎用性と普遍性を限界まで追求せよ。
その都度、個別に対応するのでは内容が浅く、講師を本業にできない。
仕事がすぐに途切れ、食べていけなくなる。

ちなみに、SMBCコンサルティング(三井住友銀行系)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、日経ビジネススクールなど、最大手クラスの公開セミナー会社では、多くの講師がたった一回の登壇で姿を消す。
それぞれで採算を取る場合はそうだ。
生き残りは至難な世界である。
人に教育指導を行う立場なのだから、私はそのくらい厳しくて当然だと思う。
こうした地獄をくぐり抜けてこそ、プロ講師として長くやっていける。

                      ◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

⇒2010年5月14日「教えたら育たない…教育を解釈する」はこちら。

⇒2010年5月27日「講師とは自己否定である…プロ養成塾」はこちら。

⇒2010年5月29日「『営業講師の大ベテラン』にショック!」はこちら。

⇒2010年6月16日「講師にとっての顧客とは?…プロ養成塾」はこちら。

⇒2010年6月18日「プロ講師のなり方…地獄をくぐり抜ける」はこちら。

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プロ講師は仕事が激減…こづかい程度の講師料

仕事、それも実務をテーマとした講師稼業について述べたい。
結論を最初に述べれば、命を削る努力が大前提となっている。

ここ数年で、多くの企業が余力を失った。
外部講師を招聘して集合研修を行うことが難しくなった。
また、社員を公開セミナーに派遣することも難しくなった。
社員教育とて経費削減の対象である。
この変化にともない、プロ講師は仕事が激減した。

ほんの一握りのプロ講師は仕事がむしろ増えている可能性がある。
企業が費用対効果をシビアに追求した結果、人気が集中する傾向が強まった。
私が携わる営業分野はとくに鮮明だ。

もっとも影響を受けたのは、それなりに食べていた大勢のプロ講師である。
この層がほとんど消えてしまった。

自社のPRや顧客開発の一環として、さらにボランティアとして、昨今は趣味(楽しみ。ストレス解消)として講師の仕事を行う人が急増した。
たいてい社長。
彼らは小遣い程度の講師料で引き受ける。
交通費や宿泊費の実費程度で引き受ける人も珍しくない。
本業でないのだから、一向に構わない。

大量に出現したアマ講師がプロ講師の仕事を奪った。
簡単に奪われたほうが悪い。
己の価値を認めさせることができなかった。
私は、あまりに情けないと思う。
食べていけなければ、プロ講師と呼べない。

中間層や下位層のプロが無数のアマに食われる構図と現象は他の職業でも、大きな意味での芸術や芸能でも同じだろう。
講師稼業は実力を磨きあげないかぎり、すぐに淘汰される。
脚光を浴びたとしても全盛期は2〜3年で去る。

「2対8」という言葉がある。
私は、上位2割でなく上位3パーセントに入らないと生き残れないと考える。
人の教育指導に当たるプロ講師は恐ろしく厳しい成果だ。
この仕事の面白さはそこにある。

                      ◇◆◇

「和田創 プロ講師養成塾」シリーズは以下のとおり。

⇒2010年5月11日「次世代が育たない…プロ講師養成塾」はこちら。

⇒2010年5月12日「セミナーアンケート…プロ講師の常識」はこちら。

⇒2010年5月13日「プロ講師の心得…講義の内容と表現の評価」はこちら。

⇒2010年5月14日「教えたら育たない…教育を解釈する」はこちら。

⇒2010年5月27日「講師とは自己否定である…プロ養成塾」はこちら。

⇒2010年5月29日「『営業講師の大ベテラン』にショック!」はこちら。

⇒2010年6月16日「講師にとっての顧客とは?…プロ養成塾」はこちら。

⇒2010年6月18日「プロ講師のなり方…地獄をくぐり抜ける」はこちら。

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プロフィール
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和田創

和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。クライアントとともに77歳までに百社の設立を目指す(内、自ら11社)。

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