私は年明けの研修で日本そばをごちそうになりました。
クライアントが昼食休憩に招いてくださったのは、浅草の「蕎上人(そばしょうにん)」という名店です。
住所は駒形になります。

蕎上人は店構え、そして店内のつくりと雰囲気からおいしそうだと感じました。
実際に食べてみて、とてもおいしかったです。

私は1960年代に長野県で暮らして信州そばを知り、日本そばにわりとうるさくなりました。
おそらく10年前なら蕎上人のそばを物足りなく思ったでしょう。
しかし、50代半ばから、いかにもという日本そばに体の負担を覚えはじめました。

蕎上人のそばは「どうだ」という味でありません。
控え目で、食べる人に優しい品のいい味わいです。
したがって、浅草を訪れる観光客にそれほど受けがよくないはずです。
良質のそばを好む地元客が中心でないでしょうか。

私はなぜかこの店のことが気になりました。
そこで、仕事を終えた深夜にインターネットで蕎上人のホームページを調べました。
ご主人は平沼孝之(ひらぬま・たかゆき)さんです。
プロフィールの最初に生年月日が記されており、それが昭和27年1月でした。
私は昭和26年7月なので、実年齢では半年ほど先輩になります。
しかし、ご主人は早生まれなので、いわゆる学年は同じになります。
私と同世代の方がそば打ちに励んでいたのかと、妙にうれしくなりました。

さらに「明治大学経営学部」とあり、驚きました。
私は授業にほとんど出ませんでしたので、級友の顔も名前も知りません。
平沼孝之さんと同じクラスだったということも十分にありえます。
ただし、ご主人は卒業、私は5年中退のだらしなさです。

平沼孝之さんは「駒形蕎上人 そば・うどん教室」を運営しており、ここを修了した弟子が全国に4百以上の店舗を開設しているとか。
本を出すほか、マスコミにもたびたび取り上げられてきました。

私は打ち手の人柄が感じられる日本そばだと思いました。
店内は温かくて懐かしい趣(おもむき)があります。
違いの分かる中高年層がくつろぎながらいただくのに最適でしょう。

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