日本は昨年暮れから安倍政権の政策誘導に、米国経済持ち直し・ユーロ危機収束の期待も加わり、「円安・株高」が一気に進んだ。
年度末にかけて輸出型製造業を中心に、業績の上方修正が相次ぐだろう。
景気回復が現実味を帯びてきて、2013年度の見通しは明るい。
社長はもちろん、売り上げづくりに奔走してきた営業関係者は胸をなで下ろしているはずだ。

12しかし、私が述べるまでもなく楽観は禁物である。
グローバル経済では政情不安や金融不安で瞬時に景気悪化が起こる。
また、日本が置かれた状況は危機的であり、ここでは事実に基づいて考えてみたい。

総人口はピークの2010年に約1億2千8百万人。
2060年に3分の2になる。
首都圏、つまり1都6県が消える計算だ。
2100年に3分の1になる。
2030年頃から年間に約百万人が減る。
百万人程の都市は数えるくらい。
百万人前後(50〜 150万人)の県は半数。
毎年一つ消える計算だ。

また、2010年に現役3人で高齢者(65歳以上)1人を支える。
2050年に現役1人で高齢者1人を支える。
私たちは負担の重さにいまでも押しつぶされそうなのに…。
私は講演やセミナー、教育指導で各地へ伺う。
すでに地方は衰退がひどいが、まもなく都市、ゆえに日本全体に及ぶ。

日経ビジネスは1990年代を「空白の十年」と呼んだ。
私は2000年代を「凋落の十年」、2010年代を「破綻の十年」と呼んできた。
このまま進めば、日本は遠からず“経済敗戦”を迎える。
国の借金はあっという間に1千兆円を超え、消費税などの大幅な増税に踏み切らざるをえない。

日本は「人口激減社会」「大増税時代」の入口に立つ。
2010年代半ばから国家運営も企業経営も正念場を迎える。
景気に波はつきものなので経済が一時的によくなることはあるが、中長期的にはダウントレンドを免れない。
とりわけ内需主体の企業を取り巻く環境は恐ろしく険しい。

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