「早く予算を出せ!」。
社長のいら立ちがピークに達している。
営業に“勝ち癖”をつける経営トップの大半は、遅くとも2月末に次年度予算の骨格を固めたいと考えている。
ところが、各事業や各部署から一向に上がってこないのだ。
これでは会社として、4月以降の具体的な経営計画を立てられない。
場合により、思い切ったリストラや賃下げも行わなければならないかもしれない。

経営教本0390実は、現場はさぼっているわけでない。
彼らも急がなければとおおいに焦っている。
しかし、大不況下、予算の立てようがないのだ。
好都合に見積もっても「赤字予算」で決まり。
とはいえ、年度が始まる前に「来年度は赤字になります」と計画を出すわけにいかない。
経営教本0391また、それでは上層部に受け入れられるはずもない。
「黒字予算」にするには、絶対に不可能な売り上げを計上するほかにない。
そう、明らかなウソ。

私は2月初旬から講演無料個別経営相談が続いた。
社長など経営トップと交わる機会が多かった。
経営◇勝ち残りの条件1今年度の業績と来年度の予算のことが片ときも頭から離れないのだろう。
憔悴が深刻。
また、事業や部門の責任者と触れる機会も多かった。
経営教本0392年度末の体裁を整えるのに精一杯で、年度明けの数字を案じる余裕がない。
防衛が先決。

私は両方の立場、そしてつらさが分かる。
失礼な言い方になるが、せっかくの経営相談で前向きの話をしたいのに、愚痴ばかりこぼされた。
経営教本0393そのストレスから、私は丈夫なはずの胃がボロボロ…。
口の横がただれてしまった。

4月以降、日本の景気は大幅な悪化へ。
今年度下期はどこも業績不振に苦しんだが、それでも好業績を上げた2007年度の実績を踏まえた予算で動いてきた。
拡販キャンペーン型・提案営業研修かなりの支出(費用)も見込んでいた。
ところが、これが新年度から劇的に絞られる。
企業は、削れるものはことごとく削るはず。

経営教本0394法人営業にとり、地獄を這う1年が始まろうとしている。
素材や部品など、必需性と消耗性のある商品は売り上げの減少で済む。
しかし、投資を促す営業は壊滅状態に陥る。
企業の淘汰が一気に進むのか。

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