日本は真冬を迎える前に、景気が底冷えに入った。
そこで、私は悩める社長や役員、営業管理者の力に少しでもなろうと「個別経営相談」に力を入れている。
無償のボランティア。
ところが、正直なところ呆れ返っている。
それは、変える気のない役員や営業管理者が経営相談にままやって来ること。
まったくナンセンス。
子どもでも分かることを幹部クラスが分かっていないから非常に深刻である。

私は長らく営業強化・再建コンサルタントとして携わってきた。
さまざまな業種・企業に伺った経験から、個別経営相談の限られた時間でも根本的な問題点をおおよそ突き止められる。
それに基づき、私は真剣にアドバイスを与える。
すると、それは無理です。それは困難です。
何やら「社内事情」がありそう。
ならば、落ちるところまで落ちたらよい。
ちなみに、相談者が明かす社内事情にはおもに2タイプがある。
1.社長が強く、モノを言えない。
2.社歴が長く、しがらみを打ち破れない。
正確に言えば、前者はモノを言おうとしない。
後者はしがらみを打ち破ろうとしない。

私は以前、このブログでこう述べた。
現状への強い危機感と、次世代(社員、部下、後輩)への深い愛情があれば、会社は変えられる。
川柳20081126-01だが、“きっかけ”が絶対不可欠!
社長が自ら引き金を引こうとしないとき、だれかが代わりを務めなければならない。
営業を変えられなくては、業績を建て直せないからだ。
とはいえ、営業部門や営業関係者は旧い慣習や風土にどっぷりと浸かっている。
かなり厄介。

何も営業をテーマとした経営相談に限らないが、相談者に必要なのは「変える覚悟」。
それはまた相談員に対するマナーであろう。
腹が固まっていないと、専門家の助言も実効が上がらない。
お互い、時間の無駄。

とりわけ私がアドバイスを与え、相談者から「前例がない」と返されると、その顔をポカンと見るしかない。
これまでのやり方でダメだったから足を運んだのでは…。
ひょっとして、私は暇つぶしの相手をさせられているのだろうか。
社内を変える気がないにもかかわらず経営相談にやって来る人が私には理解できない。
相談員にとりこれほど虚しいことはない。

実は、社内事情の2番目についても、しがらみの向こうに古参の有力者が居座っていたりする。
結局は「人」に突き当たる。
経営相談の後に相談者が行うべきは、猫に鈴をつけること。
私が過去に縁を持った方々が実際にそれを行い、社長や役員に続々と就いている。
職業人生の成功とは所詮、覚悟のご褒美。

とりわけ業績低迷が長期に及ぶ場合、その最大の原因は知性の不足でなく覚悟の欠如である。
だれも猫に鈴をつけなかったのだ。

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