コンサルの引き出し|和田創ブログ

だれの目の前にも可能性の地平は広がる。それを切り拓けるかどうかは自分次第である。「面白くないジョークの会」初代会長が解き明かす経営と人生の奥義とは?

東洋経済新報社

営業マンこそ会社をつくろう…MBA起業講座

先週日曜日のブログ「浅田真央は2位じゃダメなんでしょうか」に続いて「高橋大輔は2位じゃダメなんでしょうか」をアップする予定だった。
原稿の土台はだいぶ前にできており、いくらか手を加えるだけなのだが、そのわずかな時間が取れない。
後日に回すことになり、申し訳なく思う。

私は講演会の準備に打ち込んできた疲れが噴出し、ぐったりとしている。
が、企業内での講演会に向けて再び準備に追われる…。

先だってSBI大学院大学(MBA)で私が受け持つ「実践営業論」の学生(といっても社会人)の評価を行った。
おもな課題は重点顧客に対する「提案書」の作成である。
かなり大変。
今回はそれなりの力作が届き、講師を引き受けてよかったと思えた。
お疲れさま。

                       ◇

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキル昨年7月下旬に東洋経済新報社から刊行した『起業の教科書』。
技術書のような値段にもかかわらず、再版がかかった。
SBI大学院大学の教官による執筆だが、私はかなりのページ数を受け持った。
初の共著に、競争心が猛烈に刺激された。
かなりの気合を入れて原稿を練りあげた。

このブログで述べたとおり、私は楽しみにしていた初版を手にして目を疑った。
著者校正が終わった後、原稿が勝手に書き換えられていた。
しかも、内容がゆがんだり、間違ったり…。
揚句、主張が反対になった。

再販ではそうした誤りをすべて正した。
つまり、私の原稿に戻った。
やれやれ…。

私はこれまで自著の初版を2冊ずつ保存してきた。
この本については再販が1冊のみ。
悪夢のような初版は手元に残さなかった。

幸い、『起業の教科書』は読者から高い評価をいただくことができた。
頑張って執筆した甲斐があった。

⇒2010年11月18日「私費で提案営業を学ぶ…『起業の教科書』に感動」はこちら。

⇒2010年7月27日「起業の教科書・正誤表…SBI/東洋経済」はこちら。

                       ◇

ところで、私が『起業の教科書』において主張したかった眼目は、「営業マンこそ会社をつくろう」ということだった。
経済は衰退が深まり、国民は若い世代を中心に働く場所を得られない。
日本を覆う重苦しい閉塞感を打ち破るには、起業が活発にならなければならない。
ついては、営業力があれば起業を円滑に、しかも確実に進められる。
数人の会社は社長の営業力で十分に回っていく。

もう一つ。
営業マンが会社をつくらないまでも、緩やかな意味での「営業」による出会いと巻き込みを重視したネットワーク型の起業を推奨したかった。
個人が一切合財を投じて挑戦するのではリスクが大きすぎる。
若い世代、とくに就職氷河期の学生には数人の仲間と「遊び」の延長で起業を楽しむようになってほしい。
“ごっこ”でよし。

大学を出て会社に入るといった決まりきった人生を歩めないことは、幸せへの大きなきっかけになる可能性がある。
どうせ会社は自分を守ってくれない。

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『起業の教科書』八重洲ブックセンター第1位

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキル先日、SBI大学院大学(MBA)事務局からメールが届いた。
12名の教官(北尾吉孝学長を含む)による共同著書『起業の教科書』が八重洲ブックセンターで「社会・経済・ビジネス部門」週間ベストセラー第1位になったとのこと。
発行元は東洋経済新報社。
SBI大学院大学の講義(授業)内容を軸に、起業のすべてが一冊で分かるように構成されている。
簡潔でありながら丁寧な解説が人気の理由か…。

私も通常の単行本で4分の1くらいのページ数を担当した。
しかし、現物(本)を手にし、目を疑った。
私が知らないうちに原稿が書き換えられていた。
しかも、内容が間違っていたり、結論が反対になったり…。

発売直後の1週間(8/1〜8/7)であっても一番売れたのは喜ばしい。
が、私自身は余計に気が重くなった。
頭が混乱する読者が出てくるはずだ。

『起業の教科書』はハードカバーで3百ページ弱とはいえ、技術書みたいな値段である。
こうした本がベストセラーになるとは、さすが八重洲ブックセンターだ。
JR東京駅前の立地と同店の顧客特性が大きく関係している。

おそらく売れる書店はごく一部に限られるのでは…。

以下に、「起業の教科書・正誤表…SBI/東洋経済」と題する2010年7月27日のブログを収める。

                      ◇◆◇

ビジネス雑誌・図書の老舗出版社「東洋経済新報社」から『起業の教科書』が刊行された。

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキル書名◆起業の教科書
副題◆次世代リーダーに求められる資質とスキル
編著◆北尾吉孝(SBI大学院大学学長)
刊行◆東洋経済新報社
仕様◆A5判上製、292ページ
定価◆2,730円(消費税込み)

SBI大学院大学(MBA)の教官12名による共著である。
私が受け持った章は、「起業を円滑・確実にする営業力 〜出会いと巻き込みによる成功法」である。
「営業発の起業」について述べている。

ところが、著者校正の後で文章を何箇所か変えられた。
それに気づいたときには市場に出回っており、後の祭。
内容がゆがめられ、初版は私にとり不本意である。

私はやむをえず、東洋経済新報社に正誤表を折り込んでもらうことにした。
とはいえ、一部は読者の手に渡っている。
いまから正誤表を折り込めるのは、大型書店の陳列分くらいだろう。
それも書店の協力が条件になるので、徹底はムリ。
私は悲しい・・・。

なお、正誤表は、東洋経済新報社の忠告(?)に従い、どうしても困るという個所に留めた。
そこで、このブログでは、それ以外も含めて示した。

◆223ページ
(正)
第4は「真逆営業」へ針路を取る。成長期と成熟期、好況期と不況期では営業のありようは正反対になる。環境が逆なのだから当たり前だ。営業の考え方も進め方も一切引っ繰り返す。私は「真逆営業」と命名した。「まぎゃく」は若者の造語。売れる時代の常識は売れない時代の非常識で決まり。
※途中省略。
「真逆営業」のほんの一例を挙げれば、自社の営業担当者の立場を離れ、顧客の購買コンサルタントの役割に徹する。すると、商談をやめ、相談に乗るようになる。それにより、大勢のなかの一業者と見なされず、かけがえのないパートナーと認められる。売れない時代の営業とは、営業との決別である。

(誤)
売れない時代の営業との決別である。

(説明)
主旨は、売れない時代の営業とは、いわゆる営業との決別である。
通念や常識としての営業との決別、既成概念や固定観念としての営業との決別である。
平たく言えば、売れない時代の営業とは、売れる時代の営業との決別である。

本書では、この個所が結論に当たったので、読者に少し考えてほしくて違和感が残る文章にした。
「うん?」と、立ち止まってもらうためだ。

直すなら、せめて「売れる時代の営業との決別である」。

私が変革・再建系の営業コンサルタント・講師として十数年にわたり一貫して説いてきたのは、「売れる時代の営業を忘れよ、捨てよ」である。
冒頭で「営業などやめてしまえ」と言い切っている。
この点が私の最大の主張であり、私への最大の評価である。
セミナーや講演のアンケートもここに集中する。

還暦前年の私がいま職業人生の集大成として執筆に取り組んでいるのも、売れる時代の営業との決別がテーマである。

書名◆営業全否定
副題◆真逆営業の思想と実際
惹句◆エイギョウの「エ」の字も知らない社長と上司につける薬

すべて仮。
原稿を完成させてから刊行を引き受けてくれる出版社を探す。
編集者の注文で本を書いておらず、いつも飛び込みだ。

細かな部分ならともかく、肝心の結論が反対になってしまった。
著者はつらすぎる。

◆218ページ
(正)
おもに法人営業については、なるべく早い時点で経営を軌道に乗せようとすると、収益の核となる優良顧客を確保することが必須である。起業家は新規開拓に全力を注がなくてならない。その際に守るべき原則は「行くべき顧客を訪問し、会うべき人物と面会する」ことだ。

(誤)
おもに法人営業については、なるべく早い時点で経営を軌道に乗せようとすると、収益の核となる優良顧客を確保することができる。

(説明)
経営を軌道に乗せようと思うと、優良顧客をつかまえられるという文章だ。
理解が不能。
世の中、つぶれる会社はなくなる。
これもつらい。

◆223ページ
(正)
やってはならないのに、営業担当者は顧客の注文を受け入れる。営業の「え」の字も知らない経営トップや営業幹部が「要望やニーズに応えよ」と、ひたすら御用聞きをつくってきたせいだ。業績下落の張本人は誤った命令や指示により、下に仕事でなく作業をすり込んできた上である。

(誤)
業績下落の張本人は誤った命令や指示により、下に仕事でなく作業をすり込んできた結果である。

(説明)
業績下落の張本人は結果であるという文章だ。
意味が不明。
業績下落の張本人は上である。
社員に対する社長、担当者に対する管理者、部下に対する上司、後輩に対する先輩などを指す。
ここでは前の文章を省いたが、読めば文脈のなかで分かる。
なお、これ以前の箇所でも、上と下という記述を行っている。

◆198ページ
(正)
ところで、いまや接点ならバーチャルで容易につくれる。が、それでは人と関わる、そして交わるとは言えない。まして動かすには至らない。コトが起こらないのだ。「接点を耕して交点と成し、交点を高めて力点と成す」。どれだけ人と交わり、人を動かすか、リアルの努力が起業の機運と環境を用意してくれる。ここで個人名刺がおおいに役立つ。

(誤)
「接点を耕して交点と成し、交点を高めて力点と為す」。

(説明)
私は「成す」と「為す」の表記に迷う。
ここでは「成す」とした。
が、「為す」とされた。
それでも構わないが、ならば「接点を耕して交点と為し、交点を高めて力点と為す」だろう。
一つの文章で「成す」と「為す」を使い分けたわけであるまい。

◆222ページ
(正)
ゆえに、顧客から注文をもらうことは営業活動のスタートになる。始まりの合図にすぎない。ここからが営業担当者としての“腕”の見せどころである。そのためには要望やニーズにYESと応じず、NOと返す。相手の注文を受け入れた途端に収益の伸びにフタをしてしまうからだ。実際、YESと答えると顧客先を辞退し、見積職としての“作業”で済ませる。
そうでなく営業職としての“仕事”に取り組むのだ。つまり、NOと答えて顧客先を辞退せず、腰を据える。注文にはたいてい何らかの背景が潜んでおり、それを探り出していく。顧客が抱える事情や意図、顧客が望む効用や目的などである。それらは顧客の「課題」と密接に関わる。

(誤)
実際、YESと答えると顧客先を辞し、見積職としての“作業”で済ますことができる。
そうでなく営業職としての“仕事”に取り組むのだ。つまり、NOと答えて顧客先を辞すことなく腰を据える。

(説明)
私は、可能性でなく、事実を述べた。
大半の営業担当者は何も考えずにそうしている。
意図したわけでなく、無思慮である。
わざわざ「実際」と断った。
なお、「辞退」という言葉に、御用聞き特有のへりくだったニュアンスを持たせたかった。

以上。
また、以下は誤りといえないが、私は疑問を感じた。

◆199ページ
(正)
いきなり起業する人がいて勇気に頭が下がる。しかし、リスクを小さくできるならそれに越したことはない。

(誤)
いきなり起業する人がいるが勇気に頭が下がる。しかし、リスクを小さくできるならそれに越したことはない。

(説明)
こんな直しにどれほどの価値があるのか。
「いるが」と「しかし」はニュアンスが重複し、文章としてつたない。
どうしても気に入らないというのなら、「いきなり起業する人がおり、(その)勇気に頭が下がる。」。

                       ◇

営業のこと、とくに実態がまったく分かっていない素人が断わりもなく手を入れるから、失態を起こす。
それ以前に、編集の仕事が分かっておらず、自分の原稿と勘違いしている。
経験の浅い社員か外注スタッフがやらかしたのでは…。

私はこれまで多くないが、本を出してきた。
著作、監修のほか、冊子など…。
別のペンネームによる著作もある。
計十数冊。

著者校正の後、私の知らないところで文章を変えられた経験は一度もない。
東洋経済新報社といえば、日本経済新聞社、ダイヤモンド社と並び、日本を代表するビジネス系の出版社である。
日経(BP社を含む)もダイヤモンドも原稿を尊重してくれた。

今回は言葉を失った・・・。
私は長らくお世話になった方々に対し、自腹を切って本書を贈呈しようと張り切っていた。
それが叶わず、非常に悔しい。

私は、講演でも著書でも「論理」を大切にしてきた。
本書についても十回ほど推敲を繰り返している。
この原稿が人目に触れると思うと・・・。

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起業の教科書・正誤表…SBI/東洋経済

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキルビジネス雑誌・図書の老舗出版社「東洋経済新報社」から『起業の教科書』が刊行された。

書名◆起業の教科書
副題◆次世代リーダーに求められる資質とスキル
編著◆北尾吉孝(SBI大学院大学学長)
刊行◆東洋経済新報社
仕様◆A5判上製、292ページ
定価◆2,730円(消費税込み)

SBI大学院大学(MBA)の教官12名による共著である。
私が受け持った章は、「起業を円滑・確実にする営業力 〜出会いと巻き込みによる成功法」である。
「営業発の起業」について述べている。

ところが、著者校正の後で文章を何箇所か変えられた。
それに気づいたときには市場に出回っており、後の祭。
内容がゆがめられ、初版は私にとり不本意である。

私はやむをえず、東洋経済新報社に正誤表を折り込んでもらうことにした。
とはいえ、一部は読者の手に渡っている。
いまから正誤表を折り込めるのは、大型書店の陳列分くらいだろう。
それも書店の協力が条件になるので、徹底はムリ。
私は悲しい・・・。

なお、正誤表は、東洋経済新報社の忠告(?)に従い、どうしても困るという個所に留めた。
そこで、このブログでは、それ以外も含めて示した。

◆223ページ
(正)
第4は「真逆営業」へ針路を取る。成長期と成熟期、好況期と不況期では営業のありようは正反対になる。環境が逆なのだから当たり前だ。営業の考え方も進め方も一切引っ繰り返す。私は「真逆営業」と命名した。「まぎゃく」は若者の造語。売れる時代の常識は売れない時代の非常識で決まり。
※途中省略。
「真逆営業」のほんの一例を挙げれば、自社の営業担当者の立場を離れ、顧客の購買コンサルタントの役割に徹する。すると、商談をやめ、相談に乗るようになる。それにより、大勢のなかの一業者と見なされず、かけがえのないパートナーと認められる。売れない時代の営業とは、営業との決別である。

(誤)
売れない時代の営業との決別である。

(説明)
主旨は、売れない時代の営業とは、いわゆる営業との決別である。
通念や常識としての営業との決別、既成概念や固定観念としての営業との決別である。
平たく言えば、売れない時代の営業とは、売れる時代の営業との決別である。

本書では、この個所が結論に当たったので、読者に少し考えてほしくて違和感が残る文章にした。
「うん?」と、立ち止まってもらうためだ。

直すなら、せめて「売れる時代の営業との決別である」。

私が変革・再建系の営業コンサルタント・講師として十数年にわたり一貫して説いてきたのは、「売れる時代の営業を忘れよ、捨てよ」である。
冒頭で「営業などやめてしまえ」と言い切っている。
この点が私の最大の主張であり、私への最大の評価である。
セミナーや講演のアンケートもここに集中する。

還暦前年の私がいま職業人生の集大成として執筆に取り組んでいるのも、売れる時代の営業との決別がテーマである。

書名◆営業全否定
副題◆真逆営業の思想と実際
惹句◆エイギョウの「エ」の字も知らない社長と上司につける薬

すべて仮。
原稿を完成させてから刊行を引き受けてくれる出版社を探す。
編集者の注文で本を書いておらず、いつも飛び込みだ。

細かな部分ならともかく、肝心の結論が反対になってしまった。
著者はつらすぎる。

◆218ページ
(正)
おもに法人営業については、なるべく早い時点で経営を軌道に乗せようとすると、収益の核となる優良顧客を確保することが必須である。起業家は新規開拓に全力を注がなくてならない。その際に守るべき原則は「行くべき顧客を訪問し、会うべき人物と面会する」ことだ。

(誤)
おもに法人営業については、なるべく早い時点で経営を軌道に乗せようとすると、収益の核となる優良顧客を確保することができる。

(説明)
経営を軌道に乗せようと思うと、優良顧客をつかまえられるという文章だ。
理解が不能。
世の中、つぶれる会社はなくなる。
これもつらい。

◆223ページ
(正)
やってはならないのに、営業担当者は顧客の注文を受け入れる。営業の「え」の字も知らない経営トップや営業幹部が「要望やニーズに応えよ」と、ひたすら御用聞きをつくってきたせいだ。業績下落の張本人は誤った命令や指示により、下に仕事でなく作業をすり込んできた上である。

(誤)
業績下落の張本人は誤った命令や指示により、下に仕事でなく作業をすり込んできた結果である。

(説明)
業績下落の張本人は結果であるという文章だ。
意味が不明。
業績下落の張本人は上である。
社員に対する社長、担当者に対する管理者、部下に対する上司、後輩に対する先輩などを指す。
ここでは前の文章を省いたが、読めば文脈のなかで分かる。
なお、これ以前の箇所でも、上と下という記述を行っている。

◆198ページ
(正)
ところで、いまや接点ならバーチャルで容易につくれる。が、それでは人と関わる、そして交わるとは言えない。まして動かすには至らない。コトが起こらないのだ。「接点を耕して交点と成し、交点を高めて力点と成す」。どれだけ人と交わり、人を動かすか、リアルの努力が起業の機運と環境を用意してくれる。ここで個人名刺がおおいに役立つ。

(誤)
「接点を耕して交点と成し、交点を高めて力点と為す」。

(説明)
私は「成す」と「為す」の表記に迷う。
ここでは「成す」とした。
が、「為す」とされた。
それでも構わないが、ならば「接点を耕して交点と為し、交点を高めて力点と為す」だろう。
一つの文章で「成す」と「為す」を使い分けたわけであるまい。

◆222ページ
(正)
ゆえに、顧客から注文をもらうことは営業活動のスタートになる。始まりの合図にすぎない。ここからが営業担当者としての“腕”の見せどころである。そのためには要望やニーズにYESと応じず、NOと返す。相手の注文を受け入れた途端に収益の伸びにフタをしてしまうからだ。実際、YESと答えると顧客先を辞退し、見積職としての“作業”で済ませる。
そうでなく営業職としての“仕事”に取り組むのだ。つまり、NOと答えて顧客先を辞退せず、腰を据える。注文にはたいてい何らかの背景が潜んでおり、それを探り出していく。顧客が抱える事情や意図、顧客が望む効用や目的などである。それらは顧客の「課題」と密接に関わる。

(誤)
実際、YESと答えると顧客先を辞し、見積職としての“作業”で済ますことができる。
そうでなく営業職としての“仕事”に取り組むのだ。つまり、NOと答えて顧客先を辞すことなく腰を据える。

(説明)
私は、可能性でなく、事実を述べた。
大半の営業担当者は何も考えずにそうしている。
意図したわけでなく、無思慮である。
わざわざ「実際」と断った。
なお、「辞退」という言葉に、御用聞き特有のへりくだったニュアンスを持たせたかった。

以上。
また、以下は誤りといえないが、私は疑問を感じた。

◆199ページ
(正)
いきなり起業する人がいて勇気に頭が下がる。しかし、リスクを小さくできるならそれに越したことはない。

(誤)
いきなり起業する人がいるが勇気に頭が下がる。しかし、リスクを小さくできるならそれに越したことはない。

(説明)
こんな直しにどれほどの価値があるのか。
「いるが」と「しかし」はニュアンスが重複し、文章としてつたない。
どうしても気に入らないというのなら、「いきなり起業する人がおり、(その)勇気に頭が下がる。」。

                      ◇◆◇

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキル営業のこと、とくに実態がまったく分かっていない素人が断わりもなく手を入れるから、失態を起こす。
それ以前に、編集の仕事が分かっておらず、自分の原稿と勘違いしている。
経験の浅い社員か外注スタッフがやらかしたのでは…。

私はこれまで多くないが、本を出してきた。
著作、監修のほか、冊子など…。
別のペンネームによる著作もある。
計十数冊。

著者校正の後、私の知らないところで文章を変えられた経験は一度もない。
東洋経済新報社といえば、日本経済新聞社、ダイヤモンド社と並び、日本を代表するビジネス系の出版社である。
日経(BP社を含む)もダイヤモンドも原稿を尊重してくれた。

今回は言葉を失った・・・。
私は長らくお世話になった方々に対し、自腹を切って本書を贈呈しようと張り切っていた。
それが叶わず、非常に悔しい。

私は、講演でも著書でも「論理」を大切にしてきた。
本書についても十回ほど推敲を繰り返している。
この原稿が人目に触れると思うと・・・。

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SMBC20100728

『起業の教科書』刊行…SBI大学院大学

起業の教科書 ―次世代リーダーに求められる資質とスキルビジネス雑誌・図書の老舗出版社「東洋経済新報社」から『起業の教科書』が発行された。
10年振り。
私がいかに怠けていたか、よく分かる。
といっても、SBI大学院大学(MBA)の教官12名による共著である。
私が執筆したのは3万字、通常の単行本の3分の1、70ページくらい。
それを2万4千字まで減らすのに苦労した。
私が受け持った章は、「起業を円滑・確実にする営業力 〜出会いと巻き込みによる成功法」である。

書名◆起業の教科書
副題◆次世代リーダーに求められる資質とスキル
編著◆北尾吉孝(SBI大学院大学学長)
刊行◆東洋経済新報社
仕様◆A5判上製、292ページ
定価◆2,730円(消費税込み)

私は、東洋経済新報社のホームページをのぞいた。
それによれば、内容はSBI大学院大学の講座内容を軸に、ベンチャービジネスに必要な知識を網羅している。
ビジネスモデル、収支計画、事業計画、資金調達、営業、法務の基本を丁寧に解説している。

おそらく格調の高い原稿が並んでいるのでは…。
ハードカバーの装丁に気品を感じた。
私は例によりえぐい原稿である。

私が言いたかったのは、営業マンこそ会社をつくりなさい。
主張は明快だ。
仕事を取ってこられる営業力を持つなら、起業など恐れるに足らない。
また、私を含め、考えない営業マンこそ起業に向いている。
MBAで学ぶ人を眺めれば分かるように、知識や技術、手法を詰め込むと自らブレーキを踏みやすい。
起業は度胸に決まっている。

なお、私の原稿は、おもにこのブログ「和田創 講演講師の引き出し」からピックアップした記事を編集加工した。

                       ◇

私は何とか来年3月までに“自分の本”を2冊出したいと頑張っているところ…。
1冊は営業本だ。
営業変革・再建系コンサルタントとしての集大成である。
長年にわたり企業研修、公開セミナー、講演などで述べてきた収益伸長のための営業の極意を明かす。

書名◆営業全否定
副題◆真逆営業の思想と実際
惹句◆エイギョウの「エ」の字も知らない社長と上司につける薬

むろん、すべて仮。
やはりこのブログの記事を編集加工する。
私の思惑にすぎないが、年明け早々に刊行できればうれしい。
それもこれも原稿をいつ完成させられるかにかかっている。

◆書き加え1

このブログはきのうの午前中にしたためた。
夕方、麹町の書店に足を運んだが、『起業の教科書』はまだ店頭に並んでいなかった。
隣のSMBCコンサルティングで「変革リーダーの条件」講演会に立ち会う。

自宅に戻ると、書籍が届いていた。
なかなか立派である。

きょうくらいから出回っている模様。

◆書き加え2(7月27日)

楽しみにしていた『起業の教科書』の刊行。
ところが、本を手にし、目を疑った。
私が知らないうちに原稿が書き換えられていた。
しかも、内容がゆがんだり、間違っていたり…。
揚句、結論が反対になった。
私は絶句…。

読者にも大変申し訳なく思う。
以下に『起業の教科書』和田創正誤表を載せた。

⇒2010年7月27日「起業の教科書・正誤表…SBI/東洋経済」はこちら。

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SMBC20100728

頭の焦点が合わない

私は7月中旬から気候についていけず、体調が悪い。
疲労も重なり、目の焦点が合わなくなった。
うまく像を結ばないのだ。
周りが二重に見える。

これは大変だと思っていたら、頭の焦点が合わなくなった。
これは深刻だ。
考えを深められず、仕事ができない。

きょうは朝から丸1日、提案営業セミナーの講師を務める。
主催は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング。
受講者に迷惑をかけないよう、何とか乗り切りたい。

そうした事情でブログの更新が覚束ない。
頭に薄い幕がかかった感じ…。
耳も遠い。

                       ◇

あすビジネス系出版社の名門、東洋経済新報社から著作が刊行される。
十年ほど間が空いてしまった。
といっても、SBI大学院大学(MBA)教官12名による共著である。
私が執筆したのは、通常の単行本で3分の1くらいの文字量。
書名を教えてもらったが、頭の焦点が合わなくて失念した。
テーマは「起業」。
実は、自分の誕生日も忘れていた。

このブログの記事をベースにした原稿なのでうれしい。
自分で言うのもなんだが、まあまあの出来栄えでなかろうか。
私は都心の大書店で探してみるつもり。

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ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了

東洋経済新報社から7月下旬に発行される“起業本”の著者校正(ゲラ)が先週出た。
このブログからピックアップした記事を編集加工した原稿が土台になっている。
時間に追われたこともあり、会心の出来栄えと言えない。
例により“悔い”が残る。

私はちょうど広島出張中でバタバタ、ヘトヘトの状態だった。
そこで私に代わり、妻が元原稿との突き合わせをやってくれた。
細心の注意を払わなくてならず、作業は1日弱を要した。

ゲゲゲの女房は漫画のベタ塗りを手伝った。
和田創の女房はゲラのチェックを手伝った。
内助の功。
おかげで、私はその確認を行うだけで済んだ。
30分足らず。
「初校」で「校了」。

自分の性格からして、赤字を入れはじめると止まらなくなる。
しつこさは際限がない。
出版社にも大迷惑をかけてしまう。

この起業本は、私が「営業学」の講師を務めるSBI大学院大学(MBA)の計12名の教員の共著である。
北尾吉孝学長や中国古典の守屋洋教授も含まれる。
あまりみっともない原稿は書くわけにいかないと、競争心が刺激された。
実にいい経験だった。

私が受け持った章は、「起業を円滑・確実にする営業力 〜出会いと巻き込みによる成功法」である。
通常の単行本なら3分の1、70ページくらいの字数だ。

出版記念パーティ(講演会)のような催しが企画されているらしい。
スケジュールが合えば、顔を出したい。

東洋経済新報社は、丸の内トラストタワー本館(東京駅隣接)サーブコープ内の和田創研から徒歩2〜3分の至近距離にある。
私は、やはりこのブログの記事をベースに、2〜3年で数冊の単行本を出したいと思っている。
将来、同社から自分の著作を出版できたらうれしい。
何せ経済雑誌・図書の名門出版社だ。
格調が高いので、雑草の私には無理かな…。

話は変わる。
きょうの「ゲゲゲの女房」。
貧乏神に取り憑かれている村井家に久し振りの原稿料が入った。
ところが、夫の茂はカネを持ち帰る途中、玩具店(?)のショーウィンドーに飾ってあった戦艦のプラモデル(模型)に引き寄せられる。
精巧で高価だ。
何の躊躇もなくそれを買ってしまう。

近所の八百屋からくず野菜をもらうなどして家計をやりくりしてきた妻の布美枝は呆れ、憤る。
が、夫はどこ吹く風…。
しかも、連合艦隊の再建をやらなければらならいと叫んだ。
要は、シリーズでプラモデルを買いたい。
子どもが生まれたというのに…。
布美枝は茂が理解できない。

大きな子どもはかつての私の姿である。
いや、いまもそうかもしれない。
妻の苦労は絶えない。

以下に「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」と題する2010年6月12日のブログを収める。
主役の松下奈緒が奔放に語った。
胆が据わり、底抜けに明るい。

                      ◇◆◇

たったいまNHKの「土曜スタジオパーク」という番組に松下奈緒(まつした・なお)が出演していた。
NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒロイン、主演女優である。
村井布美枝(むらい・ふみえ)役。
村井茂(むらい・しげる)役の向井理(むかい・おさむ)とのコンビは好演といえよう。
夫はむろん「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、漫画家の水木しげる。

二人の結婚生活は他人行儀から始まり、次第に夫婦らしくなっていく。
が、いまは“貧乏神”に取りつかれ、大苦戦。
長女を授かったというのに、ミルク代にも困るありさま…。

土曜スタジオパークでは、視聴者の印象に残った人気シーンのほか、撮影秘話(裏話)なども紹介されて興味深かった。

松下奈緒は、一段と大柄に見える。
眉、目、鼻、口、それぞれがはっきりしている。
とくに口は形も大きさもダイナミックに変わる。
美しく、聡明な雰囲気が漂う。
同時に、活発で、非常に負けず嫌いな性格が浮かび上がる。

松下奈緒は、大物女優の誕生を予感させる。
素晴らしい。

ところで、人気第1位は、村井布美枝が村井茂を守ったシーンだった。
私の妻(前妻)は出会い後、結婚後、そして死の直前、一貫して私を守りつづけた。
「うちは私がいるから大丈夫…」。
結婚後、妻にしては珍しく、きっぱりと言い放ったことがある。
その光景を、私は鮮明に覚えている。
妻は守護神だった。

いま知った。
向井理は、私が暮らす横浜市出身。
かつ、明治大学卒業。
もっとも私は中退だが…。
一層親しみがわいた。

「ゲゲゲの女房」の今後の展開から目が離せない。
二人は貧乏神を追い払えるのだろうか。
決して他人事でない。

                      ◇◆◇

NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」に関する一連のブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

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2010年6月公開講座

本を出さないかというお誘いを受ける

最近、出版社の方と接触する機会があった。

1社から電話で、単行本を出さないかというお誘いを受けた。
このブログを見てくださったとのこと。
私は出版社の要請で原稿を書いたことがなく、こちらからの営業活動により本を出してきた。
しかし、依頼をいただくと嬉しいし、自信になる。
力を認めてくださった証拠である。
将来、お願いに伺うかもしれない。
こうしたものは“縁”が大きい。

1社とはお会いして…。
丸の内トラストタワー本館(東京駅隣接)の和田創研から徒歩2〜3分、東洋経済新報社だ。
経済関連雑誌・図書の老舗出版社。
7月下旬に「起業」をテーマとした本を出す。
といっても、SBI大学院大学(MBA)の教官12名による共著である。
私が執筆したボリュームは、通常の単行本の3分の1、70ページくらい。
予想より大変だった。
私が受け持った章は、「起業を円滑・確実にする営業力 〜出会いと巻き込みによる成功法」である。
“私の本”でないが、約十年振りに著作を発表することに変わりない。
このブログからピックアップした記事を編集加工した。
書店で手に取る日が待ち遠しい。

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2010年6月公開講座

削る睡眠時間がない…ギブアップ

夏に東洋経済新報社から刊行されるSBI大学院大学(MBA)の起業本。
学長を含む12名の教員が執筆する共著である。
「営業学」の講師の私もその一人。
かなりのページを割り当てられているのだが、原稿がまったく間に合わない。
筆が極端に遅いところに、仕事が重なっている。

きのうついにブログが途絶えた。
アップするつもりがギブアップ。
寝不足と疲労、腰痛でへろへろ。
きょうから1週間、九州へ出張。
荷物で、愛用のパスファインダートロリーがはちきれそう。

実は、来週挑戦する「名刺セミナー」のコンテンツもできていない。
初のテーマなので、入念な準備が欠かせない。
私は、移動時間もフルに使って仕事をこなす。
自分に課したブログの更新はストップしそう。
悔しい…。
いつも睡眠時間を削って書いているが、いまは削る睡眠時間がない。

また、「月刊トップセミナー(講演映像)」2010年5月号の収録も下旬にずれ込む。
多くの企業や職場で視聴されており、いくら無料とはいえ、まことに申し訳なく思う。
私は目が回りそうな状態が続く…。

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和田創研代表
シニア起業家
和田 創(わだ・そう)

数字立て直し(伸長)一筋の経営コンサルタント。
教育と指導の年間実績は約百回。対象は社長から役員、管理者、社員まで、テーマは経営から管理、採用、事業、商品、企画まで広範。著書や教材は多数。
2017年、66歳以降はAIやロボット関連の起業に挑むとともに、おもに内需・地場企業から先端分野・成長分野の事業・商品開発を請け負う。

その他の役職
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