「正範語録」なるものがFacebookでシェアされて広まった。
いまでは多くのブログやウェブサイトで引用されている。
作者も出展(出所)も不明。
「渡辺勇治」「湯城豊勝」「後藤静香」という説があるが、いずれも違うのでないか(不確か)。
無名のだれかがつくり、形と内容を少しずつ変えながら語り継がれてきた?

以下に、Facebookでシェアされた「正範語録」を掲げる。

                      ◇◆◇

正範語録

実力の差は努力の差
実績の差は責任感の差
人格の差は苦労の差
判断力の差は情報の差

真剣だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳ばかり

本気でするから大抵のことはできる
本気でするから何でも面白い
本気でしているから誰かが助けてくれる

                      ◇◆◇

「正範語録」は、人が懸命に生き、懸命に働くことの大切さを説いている。
生活にも、仕事にも、経営にも、人生にも通じる。
私は、深い共感を覚える。

なお、「判断力の差は情報の差」はせっかくの「正範語録」をつまらなくしているように思う。
人生経験(職業経験)から編み出された実感としての真理を理屈っぽくしてしまった。
また、この1行により、前後のつながりが悪くなった。
結果、3種類の箴言(格言)を寄せ集めた印象が残る。

最初の3行の流れからすれば、「判断力の差は覚悟の差」としたい。
ならば、文脈もすっきりするし、全体もまとまる。
次の行で「真剣だと知恵が出る」と説いており、人が真剣になれる前提は覚悟を決めることだろう。

さらに、これだけ同じ文節にこだわるなら、「いい加減だと言い訳ばかり」は「いい加減だと言い訳が出る」がよい。
ところが、実際には一本調子になる。
詩として眺めた場合の生っぽさというか、躍動感が消える。
やはり、そのままがよい。

仮に「正範語録」が伝承・伝播の過程で徐々に固まってきたとすれば、以下のように改訂したい。

                      ◇◆◇

正範語録(改訂版1)

実力の差は努力の差
実績の差は責任感の差
人格の差は苦労の差
判断力の差は覚悟の差

真剣だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳ばかり

本気でするから大抵のことはできる
本気でするから何でも面白い
本気でしているからだれかが助けてくれる

                      ◇◆◇

万一、確かな著者が存在するとしたら、こうした改訂は許されないだろう。
このブログは「正範語録」が何人かの手で練りあげられたとの前提に立つ。

大勢の注目を浴びる「正範語録」。
私は、作者に名乗り出てほしいが・・・。

◆書き加え1(6月26日)

「人格の差は苦労の差」に違和感を覚える方もいるはずだ。
が、この1行は原因を示したというよりも激励を込めたのでなかろうか。
うまくいかずに苦労している人、目標を叶えようと苦労している人へのあたたかい眼差し(まなざし)が感じられ、私はこれでいいと思っている。

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