私は長らく再建屋として業績の建て直しに取り組んできた。
ただし、おもに切り口は「営業」、手法は「集合教育」、対象は「中堅・中小企業」。
そして、企業文化・組織風土の刷新、成員の意識改革・行動改革を通じ、最終的に「営業発の全社改革」を成し遂げる。
途中、あまりの大変さに、絶望的な気分に陥ることも少なくない。
私どもは顧客(クライアント)の味方にもかかわらず、激しい抵抗を受ける。
こちらにぶつけるエネルギーを営業や仕事へ向けていたら、収益はとっくに回復していると思う。
再建屋の宿命とはいえ、乗り込むと“闘い”の連続…。

さて、会社の再建が苦労だから、国の再生が至難なことは容易に察しがつく。
大変さはまったく比較にならない。
まして、日本は非常事態!
右肩上がりの時代に築かれた社会の体制や制度、仕組みやシステムがいまや機能不全どころか機能停止の寸前。
年金に限らず、何もかも破綻しかかっている。

現時点で民主党の圧勝が予想されている。
しかし、有権者がマスコミ報道を踏まえ、ブレーキをかける可能性もある。
民主党は単独で獲得議席が3分の2に達するか?
私が会社の再建に携わった経験からすれば、こちらに相当な力が与えられないと時間がかかり、費用が膨らみ、かつ成果が現れにくい。
強力な主導権を握れない状態で、私なら建て直しの自信がない。
己を振り返っても、成功事例を見つけられないのだ。

非常時では、大胆な政策の発動が必須となる。
民主党が中途半端な勝ち方では、国政は混迷や停滞が避けられない。
まして、旧弊に大ナタを振るうのは不可能。
しかも、民主党はそれにより財源を捻出しようとしている。
霞が関を掃除しようとして、霞が関に掃除されることはないか。
政治家よりも官僚のほうが、頭がいいぞ!
社民党と国民新党で3党連立政権を組むようだと、内部の根回しや利害の調整で消耗しそう。

とはいえ、民主党が独り勝ちしても、日本の再生へ向けたビジョンとシナリオ、将来的な全体像を欠いていることに加え、それ自体が困難を極める。
政権交代さえ起これば世の中がよくなると思うのは楽観的すぎるのでは…。
何の根拠もない。
建て直しの取り組みが軌道に乗るまでに、多くの紆余曲折を経るはず。

このブログで述べたように、自民党は内部に意見の対立どころか方向性の違いを抱えている。
しかし、民主党は内部に基本路線の違いを抱えている。
衆院選後のステップとして「政界再編」が起こらないかぎり、真の再生へ向けて力強い第一歩を踏み出せず、そして歩みつづけられない。
何せ、新生日本の道は恐ろしく遠く険しい。
政党として根っこを固められなくては全体像を描けないのも当然だろう。

民主党が圧勝できなければ、マニフェストに謳った政策を実行へ移そうとする段階で身動きが取れなくなる可能性もある。
最悪だ。
どうせなら思い切り勝つのが好ましい。
しかし、政界再編を願う私としては、自民党と民主党の獲得議席が拮抗するのが望ましい。
う〜ん、どう考えたものか?

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