フィギュアスケート女子シングルの「浅田真央」の2017年が幕を開けました。
年末の「全日本フィギュアスケート選手権2017」での代表選考を経て、年明けの「2018年平昌冬季五輪(冬季オリンピック)」への出場を目指すことになります。
彼女にとり、そして彼女を支えてきた関係者とファンにとり、素晴らしい1年になることを心より願っています。

さて、フィギュアスケートの国民人気を揺るぎないものにした浅田真央は26歳のベテラン選手になりました。
子どもの頃から過酷な練習を積み重ね、スーパースターになってからは「勝って当然」という重圧と戦いつづけてきました。
心身両面における蓄積疲労が「現役生活」に暗い影を落としています。
また、細くて軽い少女から大きくてふくよかな大人の女性に変わり、競技での得点源となる高難度ジャンプを跳ぶことが難しくなっています。

浅田真央は昨年末の全日本選手権が14度の出場になり、過去に6度の優勝を飾っています。
しかし、自身も期待をもって臨んだ試合では散々な演技に終わり、自己最悪の12位という惨敗を喫しました。
表彰台を逃したのは本大会を含めて3度しかありません。
ジャンプがまともに跳べませんでした。
回転不足、着氷の乱れ、転倒などのミスが相次ぎました。
それ以前に、スタミナがなく、スケーティングが重く、動きと切れが鈍かった・・・。

浅田真央は9大会連続出場の世界選手権への代表切符を逃しました。
終了後、記者から現役続行の意向を尋ねられ、「そうですね、はい」と答えています。
前向きな気持ちを失っていませんが、置かれた環境は厳しいものがあります。

その浅田真央に対し、日本スケート連盟が支援を表明しました。
私はタイミングがよかったと思います。
彼女が来シーズンも現役を続け、平昌五輪への出場を目指すならという前提です。
長らく日本フィギュア界に果たしてきた貢献を考えれば当然の判断でしょう。
例えば、主要大会でテレビ視聴率を引きあげ、連盟に大きな恩恵をもたらしています。

女子シングルは全日本選手権の表彰台を十代の選手が占め、「世代交代」の流れが一段と加速しました。
人気が先行していた15歳の本田真凛が練習不足にもかかわらず、4位と実力を示しました。
彼女はアイドル性を備えており、「ポスト真央」として育つかもしれません。
ほかにも若手が台頭しています。
浅田真央への人気面の依存度が急激に低下しつつあります。

⇒2016年12月26日「本田真凜の愛らしさと天性の表現力」はこちら。

しかし、日本スケート連盟は浅田真央の真面目でひた向きな取り組み姿勢を評価しており、若い選手に好ましい影響を与えると考えているのでしょう。
また、全員十代のメンバーでオリンピックを戦うことに不安を感じているのでしょう。
私は大舞台での経験も実績も十分の浅田真央の存在が日本チームに欠かせないと思います。

が、それとても「世界フィギュアスケート選手権2017」で若手が五輪出場枠「3」を危なげなく確保すれば、風向きが変わるかもしれません。

⇒2016年12月14日「宮原知子に五輪出場枠の重圧 世界フィギュア選手権2017」はこちら。

平昌五輪への代表選考方法は夏頃に決まるそうです。
いくらか変更が施されるとしても、フィギュアスケートグランプリ(GP)ファイナルでの日本人最上位や全日本選手権での表彰台などの条件は変わらないでしょう。

浅田真央は今年の全日本選手権の「シード」を逃しましたので、中部選手権、西日本選手権の突破が必要になります。
ただし、GPシリーズなどのISU公認の国際大会に出場する場合には、その前後1週間の地方大会が免除されるようです。

五輪出場に執念を燃やす浅田真央ですが、全日本選手権での敗北によりハードルが一気に高くなりました。
願望や意欲だけで現役生活を続行できる甘い世界でありません。

浅田真央は最悪、全日本選手権での一発勝負になります。
表彰台にのぼったとしても、3位だと代表選考からもれるかもしれません。
女王の宮原知子を上回れないとしても、2位を確保したいところです。
しかし、若手が劇的な成長を遂げる可能性も否定できません。

浅田真央の底力に望みを託しましょう。

◇◆◇

浅田真央に関するブログは以下のとおり。

⇒2016年12月27日「浅田真央惨敗・・・挑戦と無謀は違う」はこちら。

⇒2016年12月25日「浅田真央が勝てない理由・・・全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月23日「浅田真央が全日本フィギュア視聴率を救う」はこちら。

⇒2016年12月22日「浅田真央と宇野昌磨、二人の全日本フィギュア」はこちら。

⇒2016年12月22日「3回転を跳べない浅田真央は勝てるのか」はこちら。

⇒2016年12月20日「浅田真央は世界選手権代表へ・・・全日本選手権」はこちら。

⇒2016年12月18日「浅田真央を弾き飛ばす若手の勢い」はこちら。

⇒2016年12月15日「愛する浅田真央へ」はこちら。

⇒2016年11月18日「浅田真央ファンは指の隙間から全日本選手権を見る」はこちら。

⇒2016年11月15日「浅田真央に「頑張れ」は禁句・・・選手生命の危機」はこちら。

⇒2016年11月14日「浅田真央、全日本選手権での早まった決断」はこちら。

⇒2016年11月13日「浅田真央は世界選手権への代表切符を逃すのか」はこちら。

⇒2016年11月12日「浅田真央、いまは我慢するしかない」はこちら。

⇒2016年10月30日「浅田真央と佐藤信夫コーチの食い違い」はこちら。

⇒2016年10月28日「浅田真央は楽しむ気配が伝わってこない」はこちら。

⇒2016年10月26日「浅田真央はスタミナ切れ」はこちら。

⇒2016年10月23日「浅田真央はメンタルが弱いのか」はこちら。

⇒2016年10月22日「浅田真央と高梨沙羅の限界…五輪メンタル」はこちら。

⇒2016年10月21日「浅田真央は緊張に負け、重圧につぶれる…東大受験」はこちら。

⇒2016年10月13日「浅田真央は基本が分かっていない」はこちら。

⇒2016年10月12日「浅田真央、引退か現役かで心が揺れる」はこちら。

⇒2016年10月11日「浅田真央はGPシリーズで落ち込む」はこちら。

⇒2016年10月10日「浅田真央は井の中の蛙・・・世代交代」はこちら。

⇒2016年10月9日「浅田真央、振り付けのアイデア」はこちら。

⇒2016年10月8日『浅田真央「リチュアルダンス」世界観の演じ分け』はこちら。

⇒2016年9月22日「浅田真央、ジャパンオープン回避と視聴率」はこちら。

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