フィギュアスケート・グランプリシリーズ(GPシリーズ)最終戦「NHK杯」が行われた。
私は仕事に追われっ放しだったが、NHK総合で女子シングルのフリーだけは観戦することができた。

宮原知子(みやはら・さとこ)が着実に成長していた。
ジャンプで得点を稼げるだけでなく、表現力がいくらか備わってきた。
SPとの合計で2百点を超え、GPシリーズ初優勝を飾った。
私は、演技の安定感が素晴らしいと思った。
この子は喜怒哀楽が激しくない。
少なくとも表情にそれほど出さない。

浅田真央がGPシリーズ8連勝を逃した。
が、現時点の出来としてはあんなものだろう。
踏み切る前の迷いは素人の私が感じるくらいだから、ジャンプは散々だった。
アスリートは戦いに敗れて悔しさを感じないようでは終わっている。
しかし、浅田真央は日本女子で最高の実績を残しており、復帰後はテーマを尖らせて取り組んでいるわけだから、一喜一憂する結果評価でなく、心安らかな行動評価(原因評価)に改めるべきだ。

私は経営分野のコンサルタントだが、好業績を収める社長は自分と社員についても行動評価に徹している。
結果を出すために取った行動(原因)を正当に評価できなくては、結局のところ自分を信じられない。
それがアスリートならば、行動とは計画に基づいた練習の努力のこと。
楽観性が勝利を引き寄せる条件である。
これを欠いては大舞台で栄冠がするりと逃げていく。

浅田真央には全日本選手権2015に照準を合わせ、コンディションを整えてほしい。
年末に間に合えば十分・・・。

また、番組の最後に流れた男子シングルのフリー、羽生結弦が圧巻だった。
SPもフリーも、したがって合計も世界最高得点。
320点台という異次元の強さを見せつけた。
そもそも300点超えは史上初の快挙である。
しかも、伸び代が感じられる。

羽生結弦は自分にあえて「絶対王者」という重圧をかけて臨み、驚異的なスコアを叩き出した。
本番の緊張を自らの力に変えることのできる選手である。
世界でやがて羽生結弦を倒すとしたら宇野昌磨だろうか。

なお、日本選手は5人が12月10日からのグランプリファイナル(GPファイナル)2015への出場権を獲得した。
依然として日本はフィギュア王国である。
男子は、羽生結弦、宇野昌磨、村上大介。
女子は、宮原知子、浅田真央。
私の最大の関心は、宮原知子が決勝で頂点に立てるかどうかだ。

               ◇◆◇

浅田真央に関する最近のブログは以下のとおり。

⇒2015年10月5日「浅田真央、勝負師の宿命」はこちら。

⇒2015年10月7日「浅田真央はピョンと跳び、チャンと降りる」はこちら。

⇒2015年10月9日「浅田真央、現役続行の条件」はこちら。

⇒2015年10月10日「浅田真央、GPシリーズ2015へ」はこちら。

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