全日本フィギュアスケート選手権2011。
SP2位の浅田真央がフリーで逆転し、2年ぶり5度目の優勝を飾った。
放送はフジテレビだった。
その視聴率が公表された。

女子シングル。
12月25日放送のフリーの平均視聴率は、浅田真央など上位選手が登場した後半では26.7%だった(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
前半では17.2%だった。
跳ね上がったのがよく分かる。
関西地区でも26.7%だった。
地元の名古屋地区では29.9%だった。

また、瞬間最高視聴率は浅田真央の演技が終了し、得点が表示された前後だった。
関東地区では午後9時8分の36.9%だった。
仰天の数字だ。
関西地区では午後9時7分の36.3%だった。
名古屋地区では午後9時5分と9時7分の40.4%だった(40.0%との情報もある)。

⇒2011年12月26日「浅田真央優勝、天上の母へ金メダルのクリスマスプレゼント」はこちら。

浅田真央の人気は絶大であり、彼女が優勝に絡む展開では視聴率は化け物になる。
最愛の母・匡子さんを亡くした悲しみを乗り越えて出場したという特殊要因が大きく影響したにしろ・・・。
浅田真央が出場するかどうかは大会の放映権を買ったテレビ局にとり死活問題なのだ。

⇒2011年12月15日「浅田真央、全日本選手権2011出場…母・匡子さんへの供養」はこちら。

現代人の嗜好や趣味が多様化した。
スポーツでも歌謡・芸能の分野でも個人が圧倒的な人気を集める土壌や背景はなくなった。
浅田真央は日本における唯一のスーパースターといってよい。
彼女の人柄と生き様が国民的な共感(シンパシー)を得た結果である。
私は奇跡だと思う。

⇒2011年12月24日「浅田真央、明るい受け答え…笑顔に隠す深い悲しみ」はこちら。

また、12月24日放送のSPの平均視聴率は22.7%だった(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
GPファイナルを欠場した浅田真央が出場するということで、注目度が高まった。

⇒2011年12月23日「浅田真央の調子…全日本フィギュア選手権5度目の優勝へ」はこちら。

かたや、男子シングル。
12月23日放送のSPの平均視聴率は12.3%だった(ビデオリサーチ調べ。関東地区)。
見ようと思えば見られる祝日なのに低い。
12月24日放送のフリーの平均視聴率は19.6%だった。
女子シングルのSPに引き続いて放送されており、おそらく浅田真央の恩恵を受けている。

とはいえ、人気で大幅な遅れを取っていた男子シングルは次第に盛り返してきた。
大会会場が埋まるようになりつつある。

⇒2011年12月27日「高橋大輔、圧巻のSP、ボロボロのフリー、文句あるか!」はこちら。

高橋大輔の再生、小塚崇彦の進化、羽生結弦の登場が主因だろう。
全日本選手権を欠場した織田信成と合わせ、世界の頂点を狙える布陣が整った。
男子シングル史上、最強期を迎える。

⇒2011年12月21日「高橋大輔、『どうだ! 小塚君!』…全日本選手権で一蹴」はこちら。

遠からず、男子シングルの人気は羽生結弦が引っ張っていくかもしれない。
彼はそうしたオーラを放つ。

⇒2011年12月25日「羽生結弦、気迫の表情、渾身の演技…全日本フリー最高得点!」はこちら。

                       ◇

全日本選手権の上位選手によるエキシビションが行われた。
高橋大輔や浅田真央が華麗な演技で観客を魅了した。

高橋大輔は映画「海の上のピアニスト」の劇中曲「ザ・クライシス」に溶け込むようなしっとりとした情感を表した。
そして、お馴染みのアンコール「マンボ」で会場を巻き込んだ。

トリを務めた浅田真央は袖や裾に水色をアレンジした白いドレスをまとい、管弦楽曲「ジュピター」に合わせて優雅に舞った。
アンコールでフリー「愛の夢」のしなやかなステップなどを再び・・・。

高橋大輔も浅田真央も「正月はゆっくりしたい」と数日間の休養を取る。
日頃の行いの悪い私は正月返上になる。
この違いは大きいぞ。

◆書き加え1(12月27日)

ブログを書くに当たり、個人で視聴率を取れる歌手や俳優を思い浮かべようとしたが、名前が出てこなかった。
嗜好や趣味が多様化しており、そうした土壌がなくなったことに気づいた。
歌手や俳優は概して選択がぶつかる。

スーパースターが生まれる可能性のあるのは唯一アスリート(スポーツ)だと気づいた。
例えば、マラソンやゴルフ、フィギュアスケートなどの競技間ではあまり選択がぶつからない。
「マラソンのだれそれが好きなので、ゴルフのだれそれが嫌い」というふうにならない。
なかでも国民の関心の高い個人競技ではスーパースターが生まれる余地を残している。

よほどの選手が現れれば、団体競技ではサッカーくらいか。
野球はもはや難しいだろう。

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