年明け、製造業の落ち込みが一段と鮮明になってきた。
欧米など外需に加え、景気の先行き不透明感から内需も極端な不振。
国民の大多数は買い物にカネを使う気分になれない。
その対象も高額品から日用品へと広がりを見せている。
デパート関係者だと思うが、テレビカメラの前で「いまや消費は悪徳になってしまった」と吐き捨てた。
今回の不況の到来と、数年前からの価値観の変化をごちゃ混ぜにした発言である。
しかし、嘆く気持ちは分からなくない。
商品が売れない。したがって、製品が要らない。
製造現場でも販売現場でも大量の余剰人員が生まれる。
乱暴な言い方だが、企業は業績が下がった分だけ人を減らそうとするのでないか。
2割? 3割?
クルマや家電など、すでに派遣従業員や期間労働者の契約を打ち切っている大手メーカーを中心に、いよいよ空前のリストラが始まる。むろん、中堅・中小メーカーも例外でない。
本格化するのは新年度、4月から。
いま報道されているのは、その兆候。
また、リストラと並び、賞与カット、そして給与カットが行われる。
役員、管理者、社員の順番。
これにより削減の人数をいくらか減らせる。
痛みを少しでも分け合おうとの趣旨。
互いに我慢するしかない。
それにしても…。
2007年度までの数年間、会社も社員も浮かれ切っていた。
世界的な景気の追い風に背中を強く押されていただけなのに…。
私は営業分野の経営コンサルタントとして違和感を持ち、そうした状態に警鐘を鳴らしつづけてきた。
「企業も個人も以前とやり方を思い切って変えて、いまいいとしたら自分をほめてほしい。しかし、やり方を思い切って変えたわけでないのにいいとしたら、単に追い風が吹いているにすぎない。心配するな。それがやめば、すぐに地獄に戻る」。
和田創の講演や公開セミナー、企業研修で繰り返し述べてきたことである。懸念が見事に的中。
当時、私の指摘に耳を貸そうとした企業はごくわずか。
部下や現場を預かる役員や部長など、幹部クラスがなぜこんなに自信に満ちているのか不思議でならなかった。
決算書の数字がよかったくらいでバカげている。
驕りそのもの。
大半の企業と個人が己の力と錯覚した結果だ。
後悔、先に立たず。
しばらくはどん底に沈むしかない。
企業も個人も好況期に行うべきはたった一つ。
来る不況期に備え、力をつける。
こんな簡単なことがなぜ分からないのか?
いま、私たちは自分を変える最高の機会を授かった。
ありがたい。
好況期は仕事を減らし、勉強に努める。
不況期に勉強を行うのは難しい。
◇
私はNPO法人営業実践大学を十余年続けている。
和田創研の社会貢献事業であり、収益事業でない。
凄まじい持ち出しで、営業関係者に学ぶ機会を与えてきた。
だが、月例の公開講座の参加者はきわめて少ない。
営業に携わる人間が、その思想や技術を磨こうとしない。
不幸の極み。
そして、そのツケがいまの業績、このザマ。
大丈夫、営業が業績を上げた例はほとんどなかった。
景気が業績を上げた。
どうかつまらない自信を持たないでほしい。
Copyright ©2008 by Sou Wada
←応援、よろしく!
欧米など外需に加え、景気の先行き不透明感から内需も極端な不振。
国民の大多数は買い物にカネを使う気分になれない。
その対象も高額品から日用品へと広がりを見せている。
デパート関係者だと思うが、テレビカメラの前で「いまや消費は悪徳になってしまった」と吐き捨てた。
今回の不況の到来と、数年前からの価値観の変化をごちゃ混ぜにした発言である。
しかし、嘆く気持ちは分からなくない。
商品が売れない。したがって、製品が要らない。
製造現場でも販売現場でも大量の余剰人員が生まれる。
乱暴な言い方だが、企業は業績が下がった分だけ人を減らそうとするのでないか。
2割? 3割?
クルマや家電など、すでに派遣従業員や期間労働者の契約を打ち切っている大手メーカーを中心に、いよいよ空前のリストラが始まる。むろん、中堅・中小メーカーも例外でない。
本格化するのは新年度、4月から。
いま報道されているのは、その兆候。
また、リストラと並び、賞与カット、そして給与カットが行われる。
役員、管理者、社員の順番。
これにより削減の人数をいくらか減らせる。
痛みを少しでも分け合おうとの趣旨。
互いに我慢するしかない。
それにしても…。
2007年度までの数年間、会社も社員も浮かれ切っていた。
世界的な景気の追い風に背中を強く押されていただけなのに…。
私は営業分野の経営コンサルタントとして違和感を持ち、そうした状態に警鐘を鳴らしつづけてきた。
「企業も個人も以前とやり方を思い切って変えて、いまいいとしたら自分をほめてほしい。しかし、やり方を思い切って変えたわけでないのにいいとしたら、単に追い風が吹いているにすぎない。心配するな。それがやめば、すぐに地獄に戻る」。
和田創の講演や公開セミナー、企業研修で繰り返し述べてきたことである。懸念が見事に的中。
当時、私の指摘に耳を貸そうとした企業はごくわずか。
部下や現場を預かる役員や部長など、幹部クラスがなぜこんなに自信に満ちているのか不思議でならなかった。
決算書の数字がよかったくらいでバカげている。
驕りそのもの。
大半の企業と個人が己の力と錯覚した結果だ。
後悔、先に立たず。
しばらくはどん底に沈むしかない。
企業も個人も好況期に行うべきはたった一つ。
来る不況期に備え、力をつける。
こんな簡単なことがなぜ分からないのか?
いま、私たちは自分を変える最高の機会を授かった。
ありがたい。
好況期は仕事を減らし、勉強に努める。
不況期に勉強を行うのは難しい。
◇
私はNPO法人営業実践大学を十余年続けている。
和田創研の社会貢献事業であり、収益事業でない。
凄まじい持ち出しで、営業関係者に学ぶ機会を与えてきた。
だが、月例の公開講座の参加者はきわめて少ない。
営業に携わる人間が、その思想や技術を磨こうとしない。
不幸の極み。
そして、そのツケがいまの業績、このザマ。
大丈夫、営業が業績を上げた例はほとんどなかった。
景気が業績を上げた。
どうかつまらない自信を持たないでほしい。
Copyright ©2008 by Sou Wada
←応援、よろしく!