夕暮れの公園。
「あなたは強い人だけど、その強さが心配なんだよ。」。
年齢や性別を問わず、大勢のファンを持つ女優・広末涼子。
彼女が、遠くに高層ビル群を背負うジャングルジムの天辺に腰掛け、前かがみで語りかける。
体は横向き、目線はややこちら。
弱い男へのメッセージだ。

一昔前の男社会の価値観や行動規範を引きずり、男は強くなければならないと考える人は若い世代にも少なくない。
弱いのに強そうに見せる。
そこに負荷や無理がある。
このCMに好感を抱くのは、弱い男だろう。
そして、世の中に増殖している。

強い男は放っておけばよい。
いたわりは不要、まして心配はありがた迷惑。
強い男に優しい言葉はいらない。

このコピーは、社会の変化、それにともなう男性の変化を見事にあぶり出している。
女の専売特許だった「涙」を男が奪い取りそうな勢いだ。

                       ◇

いまネットで調べたら、ストレス社会に身を置く現代人への応援メッセージなのだとか。
皆、精一杯、毎日を生きている。

広末涼子は監督から「天使のようなイメージで…」と要求されたらしい。
美しく静かな映像、そして音楽とともに、“癒し”が感じられる。
見事な演技だ。
興和の胃腸薬「新キャベジンコーワS」の広告。

あれ、私も興和の胃腸薬「新キャベ2コーワ」を手放せず、しょっちゅうお世話になっている。
ときどき「液キャベコーワ」も。
となると、弱い男ということか…。

「大人の日々は、胃にくるね。」。

Copyright (c)2010 by Sou Wada

人気ブログランキング←応援、よろしく!